絵描きの少女と化け物の瞳(1/2)
公開 2025/04/27 22:29
最終更新
-
(空白)
街外れの森にひっそりと建っている美術館。そこには多くの絵が展示されているが、イベントごとは少なく、静かな空間が広がっていた。内装のほとんどは展示品が飾られる場所となっているが、小さくして個室が用意されていた。その個室の一つに館長は今日も訪れていた。その部屋は壁にも床にも散乱した画材がいっぱいで足の踏み場はない。慎重に足を踏み入れながら一枚の絵に集中する少女の背後に立った。扉のノックにも開いた音にも気づかず、声をかけようと肩に手を乗せようとした。
「……邪魔しないで」
少女はそう言い、館長は何も言わずに部屋を出て行った。彼女はカーテンの方を向いて、その漏れ出す光で朝だと気づいた。天井につけられた電灯は自動で消えていた。パレットを持ったまま立ち上がり、少し遠くからその絵を眺めてみることにした。それはとある依頼品、懐かしい風景を描いてほしいと言うものだった。複数枚の写真が渡されて、そこから導かれた一枚の絵を描いていた。きれいな砂浜と輝く海が広がる、何の変哲もない絵だが、一つだけおかしな点があった。それは人がいるであろう場所に小さく化け物が描かれていた。
「見えない……あの人の手も同じだった」
呟きながらため息をつき、その絵を修正することなく依頼者に渡すことになる。疑問を持つかもしれないが、大抵の人は不思議な絵だとして片づける。少女の絵は他の画家とは違う何かを秘めていた。それに惹かれて多くの人が依頼をしていた。
一息つく間もなく次の依頼をこなすために、床に散らばった絵の具を一つ取った。それは白い絵の具のチューブ。中身は白いが、外側は他の絵の具の色が混ざって、文字がかろうじて見えるくらいまで汚れていた。ここには水彩も油性もあらゆる絵の具が散乱していた。けれどどこに散乱していようと少女には判断が出来て、拾って集めて机に並べて置いていた。しかしチューブのキャップを開けて中身を出そうとすると、もう空っぽになっていた絵の具が何個かあった。絵の具同士を混ぜることで出来上がる色はまだしも、絵の具単体で完結している色の代わりはどこにもなかった。
「どうしたのかな?」
気づけばまた館長が背後に立っていた。次は一枚の紙をひらひらさせながら少女を見ていた。空っぽになった絵の具を見せると理解したのか、すぐに部屋から出て行き、多くの絵の具と画材が入った箱を重そうにしながら持ってきた。そこには新品から使わなくなったからともらったものまでいろいろ入っていた。しかし肝心の白色は見つからなかった。
「ない」
「あ……切らしちゃったか。待っててね」
館長が再び部屋から出ようとした時、少女のおなかが鳴って「あっ」と呟いていた。絵を描いている時は集中しすぎて、食事を取ることも忘れてしまう。そういうことがしょっちゅう起きていた。
「ご飯も買ってこようかね。いつものでいいかい?」
少女は頷きつつ、紙の切れ端に鉛筆で必要なものを書いて渡した。館長はそれを持って部屋を出て、準備を済ませた後、街の方へと向かった。
あらゆる場所を結ぶようにその街はある。噴水を中心として東西南北に広がる街はそれぞれの分野に秀でていた。その奥に城があり、皆から愛される王が住んでいた。それを守る騎士団は毎年、多くの志願者が集まるもののその試験は厳しく倍率も高い。その合格者はその後の訓練でも不合格になり下がることがあり、それでも騎士として居続けられる者達のことを一握りの奇跡と言っていた。
その騎士団に所属している青年の騎士は困っていた。とある討伐の報告をしに団長室に向かった時だった。報告を済ませていつものように部屋から出ようとした時、珍しく呼び止められて恐怖を覚えて、ゆっくりと振り返って立ち止まりながら少し震えていた。
「ちょっと待て」
「え……はい」
「絵描きの話は聞いたことがあるか」
「絵描き?」
「知らないか。この街の外れにある美術館。そこにどんな絵も描く少女がいる。最近、私に隠れて依頼した者がいてね。その他にも噂として街に流れ着いている」
「えっとそれで……」
「真偽が気になって身分を隠して美術館に足を踏み入れた。飾られた絵のほとんどはその少女が描いたものだと館長は言っていた。その絵には惹かれる魅力があるが、すでに描かれた少女の絵はかなりの大金を払わなければならないほどの高値となっていた」
「……」
「だから私もその絵が欲しい。直接、館長に頼み込めばよかったのだが、かなりの依頼が立て込んでいてその時は引き受けてくれなかった」
「なら」
「行けない」
「あ……もしかして」
「君も知っているだろう。報告から巨大生物の討伐、それに向けて私は離れられない。だから君に任せたい。描いてほしいものはこの紙に記してある」
渡された紙にはかなりの種類の絵を希望した依頼が書かれていた。青年の騎士は団長室を出て街の方に向かったのだが、肝心の美術館までの道を聞くのを忘れていて、戻れに戻れなくなっていた。どうしたものかと思って、ひとまず画材店へと向かった。絵に関する知識は小さい頃の思い出しかないが、ふと懐かしくもなっていた。一つの絵の具を取ろうとした時、何か別の手に遮られた。
「あ……あった。あれ? 騎士の子が、珍しい」
「ごめんなさい」
青年は邪魔をしたと思って画材店から走って逃げようとしたが、呼び止められて手に持っていた紙が紛失していることに気づいた。それを拾い上げていたのはさっきの人で話を聞くとその人は美術館の館長だった。
「助かったよ……かなり荷物があってね」
「たくさんの絵の具……」
「切れちゃったものは補充しないといけないからね」
「あの……絵描きの」
「あーあの子か。今も絵を描いているだろうね。さっきその紙を拝見したけど一枚でいいかな、受けるのは」
「依頼ってどのくらいあるんですか?」
「それはあの子にしかわからない。忘れっぽいから覚えていなくてね。ただ複数枚をいっぺんに引き受けるほどの時間はないかな」
そんな会話をしているうちに街の外を出て美術館へと辿り着いていた。先に館長が入って、続いて青年の騎士が美術館へと足を進めた。青年の目に映ったいろいろな絵、重い荷物を持っている手はその感覚を忘れ、館長の足音の響きは耳に届かなくて一瞬で静寂を迎えた。その中でも一枚の絵が気になった。題名はどの絵にもついていないが、山に覆われた村、人一人いない自然を描いた絵。写真のようにも見えるが、異様な人影だけがそこに存在していた。
「騎士の子……こっちに荷物を」
「あっ」
そう言われて切り離された空間から呼び戻された。その絵は変わらず、緑に覆われた山の絵をしていた。しかし人影のようなものは見えなくなっていた。気のせいだったのか、と思いつつ、館長に呼ばれた場所に行くとそこには絵描きの少女がいた。
「おかえりなさい……?」
「あー、途中で手伝ってもらった騎士の子だよ」
「騎士……そう」
「それと新しい依頼だよ。ほらほら」
「えっ、あっ、あの……この紙に書いてあって」
少女がその紙を受け取って書かれた文字を目で追っていた。すると机の方に置いて鉛筆を持ち、その文を消すためか一つの線を引いていた。青年の手に戻ってきた時、消された文には『人物画』の文字があった。
「これって」
「『人物画』以外なら描けるから……一枚選んで」
紙を見ながら青年は少々困っていた。その『人物画』のところには一番に描いてほしかったのか、よくわからない印がたくさん書かれていた。それを拒まれ、依頼者でもない自分自身が選んでいいものかわからなかった。
「えっと『街の風景』でお願いします」
「……わかった。でもかなりの時間がかかるから、あとは館長に聞いて」
用が終わったと判断されて少女はイーゼルに立てかけられた絵の続きを描き始めた。あれもまた別の依頼で受けたものだろうと青年が思っていると、館長に肩を掴まれて部屋から連れ出された。
館長に連れられながら過ぎ去っていく先々で絵が飾られていた。どの絵も惹かれるものばかりだが『人物画』だけは一つもなかった。少し薄暗い部屋に辿り着いて明かりがつき、そこで紙とペンを渡されて、重要事項を書き記した。
「順番は……思ったよりかからないね」
「そうなんですか?」
「でも受け取るのは君じゃない方が良いね」
「あっ、気づいていたんですか」
「……君は依頼しないのかい」
「僕は絵に関して何もわかりませんし、団長に言われなければ訪れることもありませんでしたから」
「そうかい。ならここからは個人的な話になるんだが、聞いてくれるかい」
「?」
「美術館の……というか少女の護衛をしてくれないだろうか」
「……え?」
「私も歳だからね。何か来た時の対処が難しいのだよ」
「それなら僕よりも強い人がいいのでは」
「いや、私は君が良いと思っている。他の騎士が依頼をするために来たこともある。だが絵の思い入れというか、そういう感情の無い者が多すぎる。あの子の絵は高値で取引されるほどの価値がある。その価値でしか見ていないのだよ。しかし君からはそれを感じ取れなかった。むしろあの子の絵を大事にしてくれそうに見えた」
「そう見えますか?」
「見えたね。私は……私では」
言葉を詰まらせて静かになった館長に青年は追撃することはなかった。だけど護衛の話は一度持ち帰る形で、団長に相談することにした。
数日後、青年は美術館に訪れていた。あの日、団長に護衛の話を相談するとむしろ羨ましいと言われた。他の騎士にもそれが伝わり、少々の嫉妬はあったものの、興味がないものが大半だった。館長に連絡すると嬉しそうに答え、すぐに来てほしいと言った。
美術館に入って最初に言われたのは少女の邪魔をしないこと。集中を削ぐ行為はもちろんのことで、それ以外だと食事についてだった。少女は絵が完成するまで食事は取らないし、ましては集中しすぎて水を取ることすら忘れてしまうこともあった。それを少しでも回避するため、今まで館長はいろんなことをやっていたが、思うようにいかなかった。
「食べなくても描けるって……」
「依頼が立て込んでいる時はほとんど軽食で済ませていた。今は食料を備蓄している部屋から取っているようだ」
「ようだ……って知らないんですか?」
「気づかない時に取っていることもあってね。その多くが夜の時間帯で寝静まった頃」
「話では夜の時間は含まないと」
「そうだね……本当はいて欲しいのだけど、騎士の制度だったかな……ダメだと書いてあってね」
「いてもいいですか」
「え?」
「帰りたくないんです。なんかいづらくて……」
「いいのかい」
「はい」
「……それじゃ、私は少し外に出るからあの子のことを頼んだよ」
そう言い館長は外に出かけていった。今は昼時、話の過程であらゆる部屋の説明は受けた。食糧を備蓄している部屋を覗きに行くと巨大な冷蔵庫と棚が置かれていた。その棚から一つのパンを取って食べて、美術館に飾られた絵を見ていたが、静かすぎる空気に耐えられなくなって、いつの間にか少女の部屋の扉に手をかけていた。少しだけ扉を引いても漏れ出す絵の具の匂いが溢れ出して強烈だったが、少女は何事もなくその部屋で黙々と絵を描き続けていた。足の踏み場を失ったかのようにいろんな画材が散乱し、その多くは絵の具が占めていた。床を見つつ前を見つつで少女のもとに辿り着き、今描いている絵を覗くと白黒の水墨画だった。
「誰?」
青年が背後に立っていることに気づいたのか少女は振り返るが、騎士の格好をしているにもかかわらず、彼女は首を傾げて彼を見ていた。
「えっ……あの時の騎士で」
「そう。今日は依頼しに来たの」
「館長から聞いていないのか」
「あの人は何も話さないよ」
「君の護衛をすることになった、今日から」
「……」
「いらない?」
「わからないのに」
「へ?」
「私の瞳には化け物しか映ってないのに」
「……どういう」
「そのままの意味だよ。私の瞳にはあなたが化け物に見える」
「もしかして誰? って聞いたのは」
「うん」
「……ちなみにどう見えているか、描ける?」
「気分を害しないのなら描いてもいい」
「描いてほしい」
少し不安そうに少女は描いていた水墨画のイーゼルをずらして、新しい紙と色鉛筆を取り出して、青年の姿を見ながら描いていたが、その時間はあまり取られなかった。描き終わった絵を渡されて小さく「えっ」と呟いた。そこに描かれていたのは人よりも高く、黒色が特徴的な化け物だった。目や口の位置もまばらで恐怖ですぐに捨ててもおかしくない絵だった。
「……あれは気のせいじゃなかったんだ」
「あれ?」
「初めて美術館に来た時、見た絵なんだけど。人がいないのに影らしきものがあって」
「山に囲まれた村の絵?」
「そうだよ。あれは君にとって人だったんだね」
「……怖くないの? 自分の姿もそう見えているのに」
「最初見た時、怖い、恐ろしいは感じた。けど不安そうな君を見ていると、それを口に出すのはあまりにも可哀想だと思った」
「君じゃない。私はコトリ……それが名前」
「コトリ」
「うん。あなたなら教えてもいいかなって」
「……僕はクレン。でも名前を覚えたところで姿がわからないんじゃ」
「ううん。これからはわかるから大丈夫」
「……話し過ぎてしまったね。僕は部屋の外にいるから何かあったら」
それに対する返事は頷きだけで元の位置に振り返り、水墨画のイーゼルを近づけて、筆を取ると描き始めた。クレンは静かに部屋を出てゆっくりと扉を閉めた。絵の具に囲まれた部屋に居続けるのはかなりきつかった。
何事もなく日々は繰り返されていった。コトリの描く絵はさまざまで水墨画の他に切り絵も版画も、見たことないものまで依頼に沿って描いていた。しかしあの瞳の件で『人物画』を描くことが出来ないことを知り、クレンの姿でさえ人に見えない。そんな状態で外に出たいと思う方がおかしい。気にしないとは言っていたが、彼の方は気になって少し寝不足になっていた。
「……大丈夫?」
「心配はいらないよ。すぐに出て行くから」
「館長は元気?」
「会ってないのか」
「クレンがここに来てから話してない」
「元気だよ。僕が疲れるくらいに」
「……そう」
「どうかした」
「ううん、なんでもない。ただの親戚だから」
「親戚関係だったのか……でもコトリには化け物に見えているんだよな」
「少し違う」
「違うって」
「人と化け物が混ざった姿に見えている」
「そっちの方が恐ろしくないか……?」
「最初は怖かったけどもう慣れたから」
「慣れたでいいのか……ちょっと待て、人の姿……見えている」
「クレンも手は人と同じだよ」
「なんで」
「心を許すと本当の姿が見える。館長のことで考えてみたらそうかなって」
「でも混ざっているということはまだ完全には許していない」
「だって化け物に見えるって話はしてないから」
「……ならどうして僕に」
「クレンに説明するなら話すしかないかなって思って……思ったより納得されたけど」
「納得したわけじゃ」
「……そう」
悲しそうな顔をしたコトリの瞳には映っていたはずのクレンの手が化け物へと戻っていた。名前を告げたことも無意味に等しかったかもしれないと考えて、これ以上話そうとはしなかった。気分を害したと思ったクレンもまた何も言わずに部屋から出て行った。
しかしその数時間後の夜、昼間の長い休憩を取って復活していたクレンはコトリのいる部屋からものすごい大きな音がして何かあったのではないかと急いだ。扉が上手く開かなくて無理やり動かして壊して、コトリの名前を呼んだ。部屋を見ると複数の棚が不規則に倒れて、夜の暗さも相まってよく見えないが、かすかに彼女の声が、「助けて」という声が聞こえた。絵の具の匂いが濃くなり、手探りで彼女の気配を追った。するとクレンが気づく前にコトリが彼の手を掴んだ。
「……こっち」
「何があ……ちょっと待ってろ」
コトリに聞く前に辺りを見てみると棚が倒れて足が下敷きになっていた。棚を少し浮かせてコトリの足を動かした後、重さで手から落ちた棚からまたすごい音がした。近くにあったカーテンを開いて外灯の明かりが部屋を照らす。棚の破片が刺さっていたが、それが取れて足から血が出ていた。痛みで意識朦朧として倒れかけるコトリの体を支え、近くにあった紙で血を止めてみようとするも流れ続ける赤い液体は歪な形に染まった。
「……ひとまずこの部屋から出るか」
明かりのおかげで部屋全体が照らされ、棚が倒れたとて足の踏み場はまだあった。クレンはコトリをお姫様抱っこして、コトリは少し驚いていたが動く気力もなく静かにしていた。クレンは昼間、休憩に使っていた部屋にいってコトリを寝かせて、救急箱を取って戻ってきて、見よう見まねで手当てをした。
「これでいいはず」
「……ごめんね」
「気にしていない。それよりも何があった」
「絵の具が足りなくて棚から取ろうとしたら、突然倒れてきて……」
「棚の足を見てみたが、おそらく腐敗が原因だろう。それか棚を固定していた金具が経年劣化で壊れたか」
「……」
「朝になったら病院に行ってちゃんと見てもらおう。折れてはいないと思うが念のために」
「……一緒に来てくれる?」
「それが僕の役目だから一緒に行くよ。それまでここで寝ているといい」
「クレンは?」
「僕は起きて見張っている」
「怖い」
「え?」
「棚が近くにあって怖い……」
コトリは横を向いてクレンの方に左手を伸ばした。震える手を支えるようにクレンは座り込んで握る。不安そうなだった顔は安心した顔になってコトリは目を閉じ、クレンは座ったまま彼女を見守っていた。
朝になってコトリが目を覚ますとその手は離れていた。しかしクレンは疲れてベッドを枕にして座ったまま寝ていた。起き上がるが足の痛みでベッドからは降りることが出来ず、少し待っているとクレンが起きて目が合った。でも開かれたままのカーテンに照らされた陽の光が眩し過ぎて、暖かくなる部屋と同時に合わせた目がずれた。
早めに行った方が良い、と思ってクレンはコトリをおんぶして病院に連れて行った。その道中、コトリにはどう見えているのかクレンは気になっていた。周りの風景が正常であっても、人が化け物として認識しているのなら、あまりにも悲惨な風景に変わっているのもしれなかった。病院で診てもらうと骨に異常はなかったが、棚の破片が残っていたらしく、それを取り除くのに時間がかかった。帰りも同じ道を通ったが、コトリは疲れたのかクレンの背で眠っていた。美術館に辿り着いても眠っていたからあのベッドで寝かせた。
朝の目覚めで合った瞳はいつもとは違う、人の目がある場所だった。気のせいなのか、本当に見えていたのかわからないが、見えていたとすれば少々化け物から人の姿へと認識が変わっているのかもしれない。しかし館長が中途半端な状態でそれ以上をこえないというのなら、醜い姿に見えているのかもしれない、とクレンは思った。
街外れの森にひっそりと建っている美術館。そこには多くの絵が展示されているが、イベントごとは少なく、静かな空間が広がっていた。内装のほとんどは展示品が飾られる場所となっているが、小さくして個室が用意されていた。その個室の一つに館長は今日も訪れていた。その部屋は壁にも床にも散乱した画材がいっぱいで足の踏み場はない。慎重に足を踏み入れながら一枚の絵に集中する少女の背後に立った。扉のノックにも開いた音にも気づかず、声をかけようと肩に手を乗せようとした。
「……邪魔しないで」
少女はそう言い、館長は何も言わずに部屋を出て行った。彼女はカーテンの方を向いて、その漏れ出す光で朝だと気づいた。天井につけられた電灯は自動で消えていた。パレットを持ったまま立ち上がり、少し遠くからその絵を眺めてみることにした。それはとある依頼品、懐かしい風景を描いてほしいと言うものだった。複数枚の写真が渡されて、そこから導かれた一枚の絵を描いていた。きれいな砂浜と輝く海が広がる、何の変哲もない絵だが、一つだけおかしな点があった。それは人がいるであろう場所に小さく化け物が描かれていた。
「見えない……あの人の手も同じだった」
呟きながらため息をつき、その絵を修正することなく依頼者に渡すことになる。疑問を持つかもしれないが、大抵の人は不思議な絵だとして片づける。少女の絵は他の画家とは違う何かを秘めていた。それに惹かれて多くの人が依頼をしていた。
一息つく間もなく次の依頼をこなすために、床に散らばった絵の具を一つ取った。それは白い絵の具のチューブ。中身は白いが、外側は他の絵の具の色が混ざって、文字がかろうじて見えるくらいまで汚れていた。ここには水彩も油性もあらゆる絵の具が散乱していた。けれどどこに散乱していようと少女には判断が出来て、拾って集めて机に並べて置いていた。しかしチューブのキャップを開けて中身を出そうとすると、もう空っぽになっていた絵の具が何個かあった。絵の具同士を混ぜることで出来上がる色はまだしも、絵の具単体で完結している色の代わりはどこにもなかった。
「どうしたのかな?」
気づけばまた館長が背後に立っていた。次は一枚の紙をひらひらさせながら少女を見ていた。空っぽになった絵の具を見せると理解したのか、すぐに部屋から出て行き、多くの絵の具と画材が入った箱を重そうにしながら持ってきた。そこには新品から使わなくなったからともらったものまでいろいろ入っていた。しかし肝心の白色は見つからなかった。
「ない」
「あ……切らしちゃったか。待っててね」
館長が再び部屋から出ようとした時、少女のおなかが鳴って「あっ」と呟いていた。絵を描いている時は集中しすぎて、食事を取ることも忘れてしまう。そういうことがしょっちゅう起きていた。
「ご飯も買ってこようかね。いつものでいいかい?」
少女は頷きつつ、紙の切れ端に鉛筆で必要なものを書いて渡した。館長はそれを持って部屋を出て、準備を済ませた後、街の方へと向かった。
あらゆる場所を結ぶようにその街はある。噴水を中心として東西南北に広がる街はそれぞれの分野に秀でていた。その奥に城があり、皆から愛される王が住んでいた。それを守る騎士団は毎年、多くの志願者が集まるもののその試験は厳しく倍率も高い。その合格者はその後の訓練でも不合格になり下がることがあり、それでも騎士として居続けられる者達のことを一握りの奇跡と言っていた。
その騎士団に所属している青年の騎士は困っていた。とある討伐の報告をしに団長室に向かった時だった。報告を済ませていつものように部屋から出ようとした時、珍しく呼び止められて恐怖を覚えて、ゆっくりと振り返って立ち止まりながら少し震えていた。
「ちょっと待て」
「え……はい」
「絵描きの話は聞いたことがあるか」
「絵描き?」
「知らないか。この街の外れにある美術館。そこにどんな絵も描く少女がいる。最近、私に隠れて依頼した者がいてね。その他にも噂として街に流れ着いている」
「えっとそれで……」
「真偽が気になって身分を隠して美術館に足を踏み入れた。飾られた絵のほとんどはその少女が描いたものだと館長は言っていた。その絵には惹かれる魅力があるが、すでに描かれた少女の絵はかなりの大金を払わなければならないほどの高値となっていた」
「……」
「だから私もその絵が欲しい。直接、館長に頼み込めばよかったのだが、かなりの依頼が立て込んでいてその時は引き受けてくれなかった」
「なら」
「行けない」
「あ……もしかして」
「君も知っているだろう。報告から巨大生物の討伐、それに向けて私は離れられない。だから君に任せたい。描いてほしいものはこの紙に記してある」
渡された紙にはかなりの種類の絵を希望した依頼が書かれていた。青年の騎士は団長室を出て街の方に向かったのだが、肝心の美術館までの道を聞くのを忘れていて、戻れに戻れなくなっていた。どうしたものかと思って、ひとまず画材店へと向かった。絵に関する知識は小さい頃の思い出しかないが、ふと懐かしくもなっていた。一つの絵の具を取ろうとした時、何か別の手に遮られた。
「あ……あった。あれ? 騎士の子が、珍しい」
「ごめんなさい」
青年は邪魔をしたと思って画材店から走って逃げようとしたが、呼び止められて手に持っていた紙が紛失していることに気づいた。それを拾い上げていたのはさっきの人で話を聞くとその人は美術館の館長だった。
「助かったよ……かなり荷物があってね」
「たくさんの絵の具……」
「切れちゃったものは補充しないといけないからね」
「あの……絵描きの」
「あーあの子か。今も絵を描いているだろうね。さっきその紙を拝見したけど一枚でいいかな、受けるのは」
「依頼ってどのくらいあるんですか?」
「それはあの子にしかわからない。忘れっぽいから覚えていなくてね。ただ複数枚をいっぺんに引き受けるほどの時間はないかな」
そんな会話をしているうちに街の外を出て美術館へと辿り着いていた。先に館長が入って、続いて青年の騎士が美術館へと足を進めた。青年の目に映ったいろいろな絵、重い荷物を持っている手はその感覚を忘れ、館長の足音の響きは耳に届かなくて一瞬で静寂を迎えた。その中でも一枚の絵が気になった。題名はどの絵にもついていないが、山に覆われた村、人一人いない自然を描いた絵。写真のようにも見えるが、異様な人影だけがそこに存在していた。
「騎士の子……こっちに荷物を」
「あっ」
そう言われて切り離された空間から呼び戻された。その絵は変わらず、緑に覆われた山の絵をしていた。しかし人影のようなものは見えなくなっていた。気のせいだったのか、と思いつつ、館長に呼ばれた場所に行くとそこには絵描きの少女がいた。
「おかえりなさい……?」
「あー、途中で手伝ってもらった騎士の子だよ」
「騎士……そう」
「それと新しい依頼だよ。ほらほら」
「えっ、あっ、あの……この紙に書いてあって」
少女がその紙を受け取って書かれた文字を目で追っていた。すると机の方に置いて鉛筆を持ち、その文を消すためか一つの線を引いていた。青年の手に戻ってきた時、消された文には『人物画』の文字があった。
「これって」
「『人物画』以外なら描けるから……一枚選んで」
紙を見ながら青年は少々困っていた。その『人物画』のところには一番に描いてほしかったのか、よくわからない印がたくさん書かれていた。それを拒まれ、依頼者でもない自分自身が選んでいいものかわからなかった。
「えっと『街の風景』でお願いします」
「……わかった。でもかなりの時間がかかるから、あとは館長に聞いて」
用が終わったと判断されて少女はイーゼルに立てかけられた絵の続きを描き始めた。あれもまた別の依頼で受けたものだろうと青年が思っていると、館長に肩を掴まれて部屋から連れ出された。
館長に連れられながら過ぎ去っていく先々で絵が飾られていた。どの絵も惹かれるものばかりだが『人物画』だけは一つもなかった。少し薄暗い部屋に辿り着いて明かりがつき、そこで紙とペンを渡されて、重要事項を書き記した。
「順番は……思ったよりかからないね」
「そうなんですか?」
「でも受け取るのは君じゃない方が良いね」
「あっ、気づいていたんですか」
「……君は依頼しないのかい」
「僕は絵に関して何もわかりませんし、団長に言われなければ訪れることもありませんでしたから」
「そうかい。ならここからは個人的な話になるんだが、聞いてくれるかい」
「?」
「美術館の……というか少女の護衛をしてくれないだろうか」
「……え?」
「私も歳だからね。何か来た時の対処が難しいのだよ」
「それなら僕よりも強い人がいいのでは」
「いや、私は君が良いと思っている。他の騎士が依頼をするために来たこともある。だが絵の思い入れというか、そういう感情の無い者が多すぎる。あの子の絵は高値で取引されるほどの価値がある。その価値でしか見ていないのだよ。しかし君からはそれを感じ取れなかった。むしろあの子の絵を大事にしてくれそうに見えた」
「そう見えますか?」
「見えたね。私は……私では」
言葉を詰まらせて静かになった館長に青年は追撃することはなかった。だけど護衛の話は一度持ち帰る形で、団長に相談することにした。
数日後、青年は美術館に訪れていた。あの日、団長に護衛の話を相談するとむしろ羨ましいと言われた。他の騎士にもそれが伝わり、少々の嫉妬はあったものの、興味がないものが大半だった。館長に連絡すると嬉しそうに答え、すぐに来てほしいと言った。
美術館に入って最初に言われたのは少女の邪魔をしないこと。集中を削ぐ行為はもちろんのことで、それ以外だと食事についてだった。少女は絵が完成するまで食事は取らないし、ましては集中しすぎて水を取ることすら忘れてしまうこともあった。それを少しでも回避するため、今まで館長はいろんなことをやっていたが、思うようにいかなかった。
「食べなくても描けるって……」
「依頼が立て込んでいる時はほとんど軽食で済ませていた。今は食料を備蓄している部屋から取っているようだ」
「ようだ……って知らないんですか?」
「気づかない時に取っていることもあってね。その多くが夜の時間帯で寝静まった頃」
「話では夜の時間は含まないと」
「そうだね……本当はいて欲しいのだけど、騎士の制度だったかな……ダメだと書いてあってね」
「いてもいいですか」
「え?」
「帰りたくないんです。なんかいづらくて……」
「いいのかい」
「はい」
「……それじゃ、私は少し外に出るからあの子のことを頼んだよ」
そう言い館長は外に出かけていった。今は昼時、話の過程であらゆる部屋の説明は受けた。食糧を備蓄している部屋を覗きに行くと巨大な冷蔵庫と棚が置かれていた。その棚から一つのパンを取って食べて、美術館に飾られた絵を見ていたが、静かすぎる空気に耐えられなくなって、いつの間にか少女の部屋の扉に手をかけていた。少しだけ扉を引いても漏れ出す絵の具の匂いが溢れ出して強烈だったが、少女は何事もなくその部屋で黙々と絵を描き続けていた。足の踏み場を失ったかのようにいろんな画材が散乱し、その多くは絵の具が占めていた。床を見つつ前を見つつで少女のもとに辿り着き、今描いている絵を覗くと白黒の水墨画だった。
「誰?」
青年が背後に立っていることに気づいたのか少女は振り返るが、騎士の格好をしているにもかかわらず、彼女は首を傾げて彼を見ていた。
「えっ……あの時の騎士で」
「そう。今日は依頼しに来たの」
「館長から聞いていないのか」
「あの人は何も話さないよ」
「君の護衛をすることになった、今日から」
「……」
「いらない?」
「わからないのに」
「へ?」
「私の瞳には化け物しか映ってないのに」
「……どういう」
「そのままの意味だよ。私の瞳にはあなたが化け物に見える」
「もしかして誰? って聞いたのは」
「うん」
「……ちなみにどう見えているか、描ける?」
「気分を害しないのなら描いてもいい」
「描いてほしい」
少し不安そうに少女は描いていた水墨画のイーゼルをずらして、新しい紙と色鉛筆を取り出して、青年の姿を見ながら描いていたが、その時間はあまり取られなかった。描き終わった絵を渡されて小さく「えっ」と呟いた。そこに描かれていたのは人よりも高く、黒色が特徴的な化け物だった。目や口の位置もまばらで恐怖ですぐに捨ててもおかしくない絵だった。
「……あれは気のせいじゃなかったんだ」
「あれ?」
「初めて美術館に来た時、見た絵なんだけど。人がいないのに影らしきものがあって」
「山に囲まれた村の絵?」
「そうだよ。あれは君にとって人だったんだね」
「……怖くないの? 自分の姿もそう見えているのに」
「最初見た時、怖い、恐ろしいは感じた。けど不安そうな君を見ていると、それを口に出すのはあまりにも可哀想だと思った」
「君じゃない。私はコトリ……それが名前」
「コトリ」
「うん。あなたなら教えてもいいかなって」
「……僕はクレン。でも名前を覚えたところで姿がわからないんじゃ」
「ううん。これからはわかるから大丈夫」
「……話し過ぎてしまったね。僕は部屋の外にいるから何かあったら」
それに対する返事は頷きだけで元の位置に振り返り、水墨画のイーゼルを近づけて、筆を取ると描き始めた。クレンは静かに部屋を出てゆっくりと扉を閉めた。絵の具に囲まれた部屋に居続けるのはかなりきつかった。
何事もなく日々は繰り返されていった。コトリの描く絵はさまざまで水墨画の他に切り絵も版画も、見たことないものまで依頼に沿って描いていた。しかしあの瞳の件で『人物画』を描くことが出来ないことを知り、クレンの姿でさえ人に見えない。そんな状態で外に出たいと思う方がおかしい。気にしないとは言っていたが、彼の方は気になって少し寝不足になっていた。
「……大丈夫?」
「心配はいらないよ。すぐに出て行くから」
「館長は元気?」
「会ってないのか」
「クレンがここに来てから話してない」
「元気だよ。僕が疲れるくらいに」
「……そう」
「どうかした」
「ううん、なんでもない。ただの親戚だから」
「親戚関係だったのか……でもコトリには化け物に見えているんだよな」
「少し違う」
「違うって」
「人と化け物が混ざった姿に見えている」
「そっちの方が恐ろしくないか……?」
「最初は怖かったけどもう慣れたから」
「慣れたでいいのか……ちょっと待て、人の姿……見えている」
「クレンも手は人と同じだよ」
「なんで」
「心を許すと本当の姿が見える。館長のことで考えてみたらそうかなって」
「でも混ざっているということはまだ完全には許していない」
「だって化け物に見えるって話はしてないから」
「……ならどうして僕に」
「クレンに説明するなら話すしかないかなって思って……思ったより納得されたけど」
「納得したわけじゃ」
「……そう」
悲しそうな顔をしたコトリの瞳には映っていたはずのクレンの手が化け物へと戻っていた。名前を告げたことも無意味に等しかったかもしれないと考えて、これ以上話そうとはしなかった。気分を害したと思ったクレンもまた何も言わずに部屋から出て行った。
しかしその数時間後の夜、昼間の長い休憩を取って復活していたクレンはコトリのいる部屋からものすごい大きな音がして何かあったのではないかと急いだ。扉が上手く開かなくて無理やり動かして壊して、コトリの名前を呼んだ。部屋を見ると複数の棚が不規則に倒れて、夜の暗さも相まってよく見えないが、かすかに彼女の声が、「助けて」という声が聞こえた。絵の具の匂いが濃くなり、手探りで彼女の気配を追った。するとクレンが気づく前にコトリが彼の手を掴んだ。
「……こっち」
「何があ……ちょっと待ってろ」
コトリに聞く前に辺りを見てみると棚が倒れて足が下敷きになっていた。棚を少し浮かせてコトリの足を動かした後、重さで手から落ちた棚からまたすごい音がした。近くにあったカーテンを開いて外灯の明かりが部屋を照らす。棚の破片が刺さっていたが、それが取れて足から血が出ていた。痛みで意識朦朧として倒れかけるコトリの体を支え、近くにあった紙で血を止めてみようとするも流れ続ける赤い液体は歪な形に染まった。
「……ひとまずこの部屋から出るか」
明かりのおかげで部屋全体が照らされ、棚が倒れたとて足の踏み場はまだあった。クレンはコトリをお姫様抱っこして、コトリは少し驚いていたが動く気力もなく静かにしていた。クレンは昼間、休憩に使っていた部屋にいってコトリを寝かせて、救急箱を取って戻ってきて、見よう見まねで手当てをした。
「これでいいはず」
「……ごめんね」
「気にしていない。それよりも何があった」
「絵の具が足りなくて棚から取ろうとしたら、突然倒れてきて……」
「棚の足を見てみたが、おそらく腐敗が原因だろう。それか棚を固定していた金具が経年劣化で壊れたか」
「……」
「朝になったら病院に行ってちゃんと見てもらおう。折れてはいないと思うが念のために」
「……一緒に来てくれる?」
「それが僕の役目だから一緒に行くよ。それまでここで寝ているといい」
「クレンは?」
「僕は起きて見張っている」
「怖い」
「え?」
「棚が近くにあって怖い……」
コトリは横を向いてクレンの方に左手を伸ばした。震える手を支えるようにクレンは座り込んで握る。不安そうなだった顔は安心した顔になってコトリは目を閉じ、クレンは座ったまま彼女を見守っていた。
朝になってコトリが目を覚ますとその手は離れていた。しかしクレンは疲れてベッドを枕にして座ったまま寝ていた。起き上がるが足の痛みでベッドからは降りることが出来ず、少し待っているとクレンが起きて目が合った。でも開かれたままのカーテンに照らされた陽の光が眩し過ぎて、暖かくなる部屋と同時に合わせた目がずれた。
早めに行った方が良い、と思ってクレンはコトリをおんぶして病院に連れて行った。その道中、コトリにはどう見えているのかクレンは気になっていた。周りの風景が正常であっても、人が化け物として認識しているのなら、あまりにも悲惨な風景に変わっているのもしれなかった。病院で診てもらうと骨に異常はなかったが、棚の破片が残っていたらしく、それを取り除くのに時間がかかった。帰りも同じ道を通ったが、コトリは疲れたのかクレンの背で眠っていた。美術館に辿り着いても眠っていたからあのベッドで寝かせた。
朝の目覚めで合った瞳はいつもとは違う、人の目がある場所だった。気のせいなのか、本当に見えていたのかわからないが、見えていたとすれば少々化け物から人の姿へと認識が変わっているのかもしれない。しかし館長が中途半端な状態でそれ以上をこえないというのなら、醜い姿に見えているのかもしれない、とクレンは思った。
桜詩凛の読みは「さくらしりん」で、由来は二つ。一つは元から使っていた桜子凛花が長いと思ったため、短くするために「桜」と「凛」を取り、その間に当時から書いていた「詩」をいれたもの。もう一つは『複雑な生き方をする少女』に登場する「さくら、黒蛇、シラ、理夏(りか)、ラナン」の頭文字を取ったものとなってい…
最近の記事
タグ
