喫茶店でのまったくもってなんでもない日常風景
公開 2026/01/26 00:25
最終更新
2026/01/26 00:25
「俺が言うのもなんだが、よく飽きないもんだな」
喫茶店・鬼ヶ島の店長が苦笑気味に呟く。
オレは今、他に客のいない店内のカウンター席で綺麗に飾り付けられたいちごパフェにスプーンを刺そうというところ。
今週はパフェウィークなので、連日ここでいちごパフェとチョコレートパフェを交互に食べている。
今日で五日目だ。
「それだけ店長のパフェは美味しいんだよ。
ミューリットも言ってただろ、店長の作るものは絶品だって」
お世辞抜きで、オレもミューリットと同意見だ。
絶品すぎてここのスイーツに飽きなんて来ない。
他の料理も美味しいけれど、オレの今週の目当てはパフェのみ。
「まあ、腕には自信あるけどな。
お前みたいに、美味いって面と向かって言ってくれんのはありがたいぜ」
店長は本当に嬉しそうだな。
こういうのを見ると、褒めるって大事だと思う。
これからも店長には頑張って続けてもらいたい。
今後の商品開発も楽しみだ。
さて、そろそろいちごパフェを食べないと。
我慢の限界が来てしまう。
うん、いちごの酸味とクリームの甘さが合わさって、相変わらずの美味!
「そういやルクス。
お前、なんか幻のスイーツとかいうのを探してるんだって?」
店長がふと、思い出したように聞いてきた。
オレも色々なところで話してるから、店長の耳に入っていてもなにも不思議じゃない。
どこかで限られた人間のみが食べられるという幻のスイーツ。
オレは甘党としてそれを食べてみたくて、探し回っていた。
「ああ、そうそう。
そうなんだよ。
噂を聞いてさ。
けっこう前から情報を追ってるんだけど、全然見つからないんだよなぁ。
実在することだけは確かなんだ」
実際、食べたことがある人間をひとり知っている。
知っているんだけど、食べる際の契約があるらしく、頑なに教えてくれなかった。
きっと、あまり多く作れない上に、ものすごい美味しさなのだろうな。
広まってしまって、殺到でもされては困るというわけだ。
だから多分、何らかの条件を設定して、それをクリアした人だけが味わえるようになっているのだと思う。
「どういうものなんだ、それ?」
「詳細はわからない。
けど、ちょうど今オレが食べてるみたいな、パフェ系スイーツらしいんだよな。
苦労して情報を仕入れたから、名前まではわかってるんだ。
その名もライジング・サンチョコレートパフェ」
名前だけでも一苦労なのだから、たどり着くのは相当難しいものと思われる。
しかし、もしたどり着けたのなら……。
もし、食べることが叶うのなら……。
オレはどうなってしまうのだろう。
美味しさのあまり他のスイーツを食べられなくなるのではないか。
そんな心配はちょっとだけしていたりする。
「変な名前だな」
店長が率直な感想を述べた。
そこに引っかかるか。
どれくらい美味しいんだろうとか、どんな見た目なんだとか、そういう感想は出てこないのか?
「まぁ、名前はどうでもいいよ」
「そりゃそうだ。
スイーツは名前じゃなく味や美味そうな見た目で勝負だからな」
結局、店長は名前に関してはどうでもいいという結論になったようだ。
店長と話しながら、オレはいちごパフェを存分に味わい、完食。
「いやぁ、いい食いっぷりだよな、毎回」
店長が感心するように言う。
どうやらオレの食べっぷりは見ていて気持ちがいいようだと、前に鬼ヶ島の店員のミューリットも教えてくれた。
「そりゃあ、こんなに美味しいものならな」
オレの食べっぷりがいいのは、ひとえに店長の腕のなせる技だ。
美味しいものを食べれば、自然と食も進むものだからな。
パフェを楽しみ終えたオレは、今日も大満足で会計を済ませる。
「明日もまた来んのか?」
「もちろん!
今週はパフェウィークだから」
「そうか。
じゃ、待ってるぜ」
オレは店長に見送られながら、鬼ヶ島をあとにした。
明日もまた楽しみだ。
明日はチョコレートパフェの日。
いちごパフェ同様、こっちもかなり美味しい。
店長が作るものに間違いはないのだ。
それはそれとして、いつか幻のライジング・サンチョコレートパフェにもたどり着けるといいな。
◆
「ルクスくらいの甘党なら、ライジング・サンチョコレートパフェを食うための仲介をしてもいいんだが……まだルクスに食わせるには早いとか言うんだよなぁ。
なにをもったいぶってるんだか。
しかし、誰があの幻のパフェを作ってるのか、ルクスが知ったら相当驚くだろうな。
そうなった時がちょっとだけ楽しみだぜ」
喫茶店・鬼ヶ島の店長が苦笑気味に呟く。
オレは今、他に客のいない店内のカウンター席で綺麗に飾り付けられたいちごパフェにスプーンを刺そうというところ。
今週はパフェウィークなので、連日ここでいちごパフェとチョコレートパフェを交互に食べている。
今日で五日目だ。
「それだけ店長のパフェは美味しいんだよ。
ミューリットも言ってただろ、店長の作るものは絶品だって」
お世辞抜きで、オレもミューリットと同意見だ。
絶品すぎてここのスイーツに飽きなんて来ない。
他の料理も美味しいけれど、オレの今週の目当てはパフェのみ。
「まあ、腕には自信あるけどな。
お前みたいに、美味いって面と向かって言ってくれんのはありがたいぜ」
店長は本当に嬉しそうだな。
こういうのを見ると、褒めるって大事だと思う。
これからも店長には頑張って続けてもらいたい。
今後の商品開発も楽しみだ。
さて、そろそろいちごパフェを食べないと。
我慢の限界が来てしまう。
うん、いちごの酸味とクリームの甘さが合わさって、相変わらずの美味!
「そういやルクス。
お前、なんか幻のスイーツとかいうのを探してるんだって?」
店長がふと、思い出したように聞いてきた。
オレも色々なところで話してるから、店長の耳に入っていてもなにも不思議じゃない。
どこかで限られた人間のみが食べられるという幻のスイーツ。
オレは甘党としてそれを食べてみたくて、探し回っていた。
「ああ、そうそう。
そうなんだよ。
噂を聞いてさ。
けっこう前から情報を追ってるんだけど、全然見つからないんだよなぁ。
実在することだけは確かなんだ」
実際、食べたことがある人間をひとり知っている。
知っているんだけど、食べる際の契約があるらしく、頑なに教えてくれなかった。
きっと、あまり多く作れない上に、ものすごい美味しさなのだろうな。
広まってしまって、殺到でもされては困るというわけだ。
だから多分、何らかの条件を設定して、それをクリアした人だけが味わえるようになっているのだと思う。
「どういうものなんだ、それ?」
「詳細はわからない。
けど、ちょうど今オレが食べてるみたいな、パフェ系スイーツらしいんだよな。
苦労して情報を仕入れたから、名前まではわかってるんだ。
その名もライジング・サンチョコレートパフェ」
名前だけでも一苦労なのだから、たどり着くのは相当難しいものと思われる。
しかし、もしたどり着けたのなら……。
もし、食べることが叶うのなら……。
オレはどうなってしまうのだろう。
美味しさのあまり他のスイーツを食べられなくなるのではないか。
そんな心配はちょっとだけしていたりする。
「変な名前だな」
店長が率直な感想を述べた。
そこに引っかかるか。
どれくらい美味しいんだろうとか、どんな見た目なんだとか、そういう感想は出てこないのか?
「まぁ、名前はどうでもいいよ」
「そりゃそうだ。
スイーツは名前じゃなく味や美味そうな見た目で勝負だからな」
結局、店長は名前に関してはどうでもいいという結論になったようだ。
店長と話しながら、オレはいちごパフェを存分に味わい、完食。
「いやぁ、いい食いっぷりだよな、毎回」
店長が感心するように言う。
どうやらオレの食べっぷりは見ていて気持ちがいいようだと、前に鬼ヶ島の店員のミューリットも教えてくれた。
「そりゃあ、こんなに美味しいものならな」
オレの食べっぷりがいいのは、ひとえに店長の腕のなせる技だ。
美味しいものを食べれば、自然と食も進むものだからな。
パフェを楽しみ終えたオレは、今日も大満足で会計を済ませる。
「明日もまた来んのか?」
「もちろん!
今週はパフェウィークだから」
「そうか。
じゃ、待ってるぜ」
オレは店長に見送られながら、鬼ヶ島をあとにした。
明日もまた楽しみだ。
明日はチョコレートパフェの日。
いちごパフェ同様、こっちもかなり美味しい。
店長が作るものに間違いはないのだ。
それはそれとして、いつか幻のライジング・サンチョコレートパフェにもたどり着けるといいな。
◆
「ルクスくらいの甘党なら、ライジング・サンチョコレートパフェを食うための仲介をしてもいいんだが……まだルクスに食わせるには早いとか言うんだよなぁ。
なにをもったいぶってるんだか。
しかし、誰があの幻のパフェを作ってるのか、ルクスが知ったら相当驚くだろうな。
そうなった時がちょっとだけ楽しみだぜ」
