短編小説っぽい何か(311~320)/それに関する説明つき
公開 2023/12/31 13:08
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▽短編小説311(2023/10/28)/再来の世界と忘れた終着点に運命の時計を
 終わった世界の記録を掘り起こし、知った者達は用済みに捨てられ、降り立つ神は封印されし化け物を解き放した。すべてはあの天使の復讐のために。けれど神は見つけられない、それはすでにここにはない。

 天使が贈り物として神から奪った懐中時計
 遺物の祝福は呪いに侵食されて支配された世界
 書き手が語る二つの世界の終着点
 運命を変える時計は少年を代償にして神を消した

 しかし数千年が経った世界に神の模造品は生み出され、新たな悪意はばら撒かれた。それを危惧した世界の意思は人々を通して能力を与えた。繰り返される未来が本当の終わりを告げる時、、彼の支えとなるように。

 暗闇が広がり続けるひとりぼっちの無の世界からいきなり外に追い出された少年は見知らぬ街と首にかけていた懐中時計を見て何も理解できなかった。そもそも自分が何者なのかさえ分からない。残された記憶は長い夢を見続けていただけ。何もかも分からないまま叫ぶ声は誰にも届かず、時間だけが止まっていた。

※短編小説311は疑似的能力(仮)の第三章に当たる内容であるが、まだ定まっていないので変わる可能性がある。

▽短編小説312(2023/11/4)/神より来たりて半死の終わり
 導かれた天使の羽に迷える子羊よ
 我がもとに願いを告げよ
 さすればそなたの未来を変えて
 幸福の海へ届けよう

 神の教えのままに祝福を
 願えば祈れば思いのままに
 定められた運命に従い
 動き始めた白き翼

 天に浮かぶ雪のように
 善なるすべての星の輝き
 迷いは断ち切られた奇跡とともに
 小さな箱の中で眠る世界

 伸ばされた手が命運の繋がり
 創造の未来に神の祈りは遠く
 澄(す)んだ声が風に靡(なび)いて止まる時
 無機質な瞳が真実を映す

 作られた世界の災いよ
 未来はとうに朽ち果てた死の箱
 迷える子羊を喰らう化け物は
 神に扮した奇跡をばら撒いた

▽短編小説313(2023/11/11)/天なる恵に凶悪と再生と目覚めを
 裏切りの天使 神を射て 混乱を招く者
 しかしそれは天界でもたらされた偽の記録
 清らかな雨が地上を濡らす時
 少年の涙と重なり懐中時計の針は動く

 悪意を打つために放たれた奇跡の遺物
 運命を変えるための時計は
 人々に与えられた最後の希望
 少年の存在を生贄に《能力》は失われた

 それを記録する『世界の観測者』と
 それを消去しない『永遠の機械人形』と
 それを記憶する『影の守護者の所有者』
 それ以外の者から少年は消え失せた

 眠りの境地 記録者の誕生と揺れ動く世界
 失われた《能力》が目覚める時
 かつての遺物 強力な能力達 記録は再生する
 不完全な神が無邪気に笑う時
 処罰の対象は何も知らない人々に当てられた

 目覚める悪魔 影の守護者にて新たな主
 疑似的に再現された能力は新たな未来を呼ぶ
 その手はかつての天使に繋がれて
 失われた少年の魂は懐中時計とともに蘇る

※少年は「遺物に侵食された世界」で運命を変えて存在ごと消えてしまったが、「疑似的能力(仮)」にて悪意の神が再び現れたこと、そして失われていたはずの《能力》が目覚めたことで、それを記憶していた『影の守護者』の《能力》が反応し、かつての遺物が次々と目覚めて、姿を変えて現れた。その遺物の一つである懐中時計もまた蘇り、繋がっていた天使が目覚めたことで少年の魂も復活した。

▽短編小説314(2023/11/18)/未来の終わりとはじまりの目覚め
 何度繰り返そうが、世界は過ちに落ちる
 回る人形が託された願いに答えず
 壊れていくのを見ていた

 もう見過ごすことはしたくない
 けれど救うべき力を彼女は持っていない
 堕ちた神では聖なる力を扱えない

 ならば「あの世界」で見たものを再現しよう
 そうすれば救われる……私という存在を代償にして
 記憶も姿もすべて、新しく生まれ変わる
 きっと彼はもう私を認識することすら叶わない
 それでも“あなた”は見つけてくれると信じている

 解き放たれた「二つの世界」の記憶
 新たな彼女が差し出すは「あの世界」の感情
 赤子に託された《能力》は人を超える

 自由自在に天候を変化させるその力
 強すぎるが故に使用者は皆短命だった
 数えきれないほどの人が死に
 その血をもって、世界は溺れていく

 求めた未来は新たな少年に引き継がれ
 彼女は「ティル」の目覚めに涙する

※彼女=私は「はじまりは絶望へ」、「終わりははじまりへ」に登場する堕ちた神 エミカのこと
 彼=“あなた”は「はじまりは絶望へ」、「終わりははじまりへ」に登場する堕天使 ティルのことで、少年はティルの魂を含んだ別の人物という扱いになっているが、失われたはずの記憶がほんのり蘇り、新たな女神となったエミカが涙している。
 「あの世界」は「二つの世界を行き来する幽霊達」の忘れられた世界のことを指す

▽短編小説315(2023/11/25)/記録から抹消された未来
 空を見上げるは月の影
 冷たく微笑んだ氷が照らす光
 反射する星々の鏡に
 暗闇の景色がすべてを包み込む

 消去の未来を願い 行動に移した永遠の機械人形
 記録の未来を写し 書き記し続けた世界の観測者
 見え隠れした少女の半身に二人の想いを乗せて
 すべての物語は書庫に仕舞われた

 一旦消えた《能力》と《十字架》
 呪いは解き放たれて少女は救われた
 けれど《悪意》は終わりを告げず溢れ出し
 新たな世界に干渉した半身は目覚める

 夜藍(よぞら)を見上げるは新月の奥
 『空』という概念が消えた水晶世界
 冷たく微笑んだ氷が溶ける水に落ち
 交わした約束を果たす時が来た

 妨げられた眠りは最後の役目へと
 『世界の観測者』の目には『少女』が映る

※『世界の観測者』は「光無くし水晶の謎」内での世界の観測者のことであり、『少女』は同じ世界の人型の水晶。「光無くし水晶の謎」の世界では『空』がなくなっているので、『空』を意味するすべての言葉が使用できなくなっている。

▽短編小説316(2023/12/2)/軽やかに飛ぶ風は何も知らず
 何も思うことはない
 遠く見えない世界を

 広がる未来が離れていようとも関係なく、その道を進みたければ、こんな任立ち向かうことなら本当の世界は切り開かれる。誰かの答えを鵜呑みにする考えは良きことも悪いことも呼び寄せた。だから見えた出来事がすべてではないことを理解し、誤った道を進まぬように注意するしかない。

 空に告げる時の音を
 動かすは鍵盤の黒

 その時を見据えて動き出す未来も、立ち止まって足を踏み出すことを拒んだ後悔も、何もかも失われた現在から過ぎ去ったもの。置き去りにした思考も行動も理解不能な答えも、本物に似つかない偽物の嘘もすべて間違いとは言えないが、正しいと言うにはあまりにも変だった。答えなど求められようが最初からそこにはないのだから仕方がない。

 無音の白鍵盤が導く
 道は遥か遠くの世界へ

▽短編小説317(2023/12/9)/奇跡からこぼれ落ちた届かぬ想い
 崩れ去った街の風景
 ともに歩んだはずの少年はもういない
 あの日を境に消えた運命の記録
 少女は一人 そのすべてを記憶する

 双子の演奏は死から切り離されて幸福に
 研究者の瞳は普通の日常だけを映す
 話すことのない影の声を過去にして
 司祭の魂は永遠の檻に閉じ込められた

 遺物に侵食された世界
 それを記録する者は最後の頁に
 「すべての呪いは解き放たれた」と書き記した
 そして寂しそうに世界を後にした

 少年の願いは運命を変える力によって叶えられた
 《能力》が最初から無かった世界へ
 すべては苦しむ少女を救うために
 それが最善だと信じて

 けれどそれによって残された少女は
 『大切な人』を失って悲しむ
 皆の日常は戻っていたが
 少女は空を見上げて 頬を伝う涙は地に落ちた

※この話は『遺物に侵食された世界』が終わり、運命が変わった後の世界の話
 少女=『影の守護者』の所有者で唯一(例外を除いて)運命が変わる前の記憶を持つ
 双子/研究者/司祭=それぞれ『詩の音色』/『死者の瞳』/『浄化の光』の所有者だったが、運命が変わったため、司祭以外は解放されている
 記録する者=『世界の観測者』
 『大切な人』=少年と『影の守護者』となる前の青年

▽短編小説318(2023/12/16)/四季の勾玉 冬の記憶と解放の時
 冬の記憶 偽りの声
 交わるは四季の始まり 最初の犠牲者
 優しき心は雨に打たれて血を流しても
 少女のそばを離れることはしなかった

 たらい回しに遭っていた幼子を引き取る青年
 勾玉を手にした幼子は巫女の力を宿し
 人の成長を遥かにこえていた
 「いつか死ぬ」

 救う方法を探り 一つにたどり着く
 能力を消すナイフ それで刺すことだけ
 死の代わりに能力が肩代わりすることで生きられる
 「解き放たないで」

 手に入れた青年 眠る少女に突き刺した
 『呪いは解き放たれ その死は囚われる』
 少女の死に絶望し 感情が支配されていると知らず
 青年は冷たい優しさに包まれて目を閉じた

 記憶は絶望の端に追い出され
 冬の勾玉は消え去った
 その目が開いた時
 青年はすべてを失っていた

※『四季の勾玉と修正される前の世界で』に登場する冬の勾玉の記憶。かなり前のもので思い出しながら書いたため、設定が変わっている可能性が高い。

▽短編小説319(2023/12/23)/四季の勾玉 秋の記憶と閉じた檻
 秋の記憶 微かな声
 交わるは四季の終わり 最後の犠牲者
 触れ合う心が雪に溶けて仕舞われても
 少女の願いを叶えることは出来なかった

 拾われの勾玉 かつての主失いて
 迷い子の少年 輝くは真実の色
 浄化の祈り 守られる前に
 「こわされた」

 旅人の少女 救いの手は彼女に
 赤子の時に奪われた勾玉
 生まれ落ちの厄災に 偽りを乗せて
「抗う未来に祝福を」

 出会いは突然に その手繋がれる時
『その浄化は世界を救い すべては終わりを告げる』
 何もかも生まれ変わる真実のような嘘の世界
 幸福の中にある悪しき心が少年を飲み込んだ

 記憶は呪詛の中に封じられ
 秋の勾玉は消え去った
 その目が開いた時
 少年は嫌悪感を覚えていた

※『四季の勾玉と修正される前の世界で』に登場する秋の勾玉の記憶。かなり前のもので思い出しながら書いたため、設定が変わっている可能性が高い。

▽短編小説320(2023/12/30)/紡がれる物語が開く 流れ着く詩とともに
 雪降る夢に少女の声が響く
 一つ目の神が見定める未来に
 新たな世界の始まりが告げる
 誰にも邪魔されない神々の楽園

 霧の森に流れ着く闇の香り
 死に誘われて沈んだ青に凍りつく
 紅に風の音が交わる複雑な世界
 少女の浄化が救う弱き心

 忘れられた二人の姿
 奪われた記憶と幼馴染の絆
 あの人の書庫に漂う幼き少女
 時間と空間の記録者の誕生

 終わらせることを拒み
 あったかもしれない未来を作り出す
 バグらせた不完全な世界は
 変える力を持つ記録者を閉じ込めた

 告げられた終わりは
 悪意の導きで解き放たれる
 二つの世界の終着点
 交わる魂が再来に輝く

※上から『失われし真実の名と少女の声 ~雪降る白に刺さる夢の跡~』、『霊の話 番外編 青い霊編』、『世界を見定める二人の存在と若き記録者達』、『不完全な世界』、『二つの世界の終着点』となっている。今年書いた話のうち、完結ないし未完成だけど思い入れがあるものを選んでいる。
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