二つの世界の終着点 第三章(2/5)
公開 2023/12/17 15:14
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入院しているランの容体が良くなりつつあって、フォルトは毎日のように病院に訪れていた。最初は心配で見てきていたけれど、長いこと入院するものだから少しばかり寂しくなってちょっかいをかけるようになっていた。一緒に行動する時間が長いために、何もない今があまりにも暇だった。
「……寝てた? ごめん」
「また来たのか」
「またって」
「新人達の訓練はちゃんとやっているのか? ガットから聞いたけど、疎かになってないだろうな」
「大丈夫だよ。エイルもクレハも手伝ってくれているし」
「それならいいけど」
「それよりスヌイは元気? 能力研究所に顔を出さなくなっちゃったからさ、どうなのかなって」
「元気かどうか知らないけど、忙しそうにやっているよ。俺のところに来るのは毎日一回だけだしな」
「そうなんだ? てっきり担当医だと思っていたんだけど」
「さぁ? それは知らん。てかスヌイに関しては昨日も一昨日も言っただろうが……なんかあっただろう」
「……リコレが行方不明なんだ。俺らが子供になっていた時、一回戻ってきていたらしいけど、また情報収集のためにどこかに行ったきり、今度は帰ってこなくなった」
「ふーん」
「ふーん……って、ランは心配じゃないの!?」
「心配って確かにそうだけどさ。どうしろと、探すにして何か掴んでいるのか?」
「テレさんが言っていたんだけど、神を信仰する邪教の所に行ったんじゃないかって」
「邪教か」
「そう……それで今調べてもらっている。何かあれば動けるように」
「……フォルトはマウムの話を聞いたか?」
「少しなら聞いたよ。エイルの話だっけ」
「まぁあの話が本当かどうか定かではないが、その贈り物とやらが神と何か関係あるとすれば、エイルをリコレ捜索達に連れて行くなよ。後クレハも」
「エイルは分かるけど、何でクレハも?」
「クレハはやつらから『天使の餌』と呼ばれていた。だからクレハも危ない」
「餌って言われていたの? 初耳なんだけど」
「誰にも言っていないからな」
「……重要なことじゃないか。あとでテレさんに伝えておこう」
ふとフォルトが腕時計を見ると少し長くいすぎたかなと思った。それを感じ取ったランは何かを言おうとした口を閉じた。しかしそれに気づいたフォルトは「何?」と問いかけた。
「テレさんに会うのか?」
「会うよ。一応、能力研究所に戻るから」
「じゃあ、伝言を頼むわ」
そう言いランはフォルトに伝えると、寝たふりをし始めた。フォルトはまったく、と思いながら病室を後にした。
病院を出て能力研究所に帰る途中の街、化け物の巣窟となっていた道は整備されていたが、まだすべて処理しきることが出来ず、その面影は残っていた。化け物の死体を調べたいからと言って、とある研究者がそれを運び込むと決めた時は一体何を考えているのか、フォルトにはわからなかった。しかし調べている途中でスヌイに見つかり、その研究者は追い出されていたのだが、ランの言う邪教に堕ちていないか、聞いた時思った。
化け物の死体から流れ落ちた液体によって腐敗した土地は再生するまでかなりの時間を必要とする関係で、未だキープアウトの線が張られたままのところもあった。そこから掘り起こされた疑似的能力のアクセサリーは破損していない限り、使用可能であると証明され、危険性がないと分かったものに関しては研究所に保管してあった。フォルトもそれを使ってみたかったから申請したけれど、元から持つ天候変化の能力と干渉しないと限らないために却下されていた。
色んなことを考えながら能力研究所に辿り着き、ランが言ったことを伝えるため、『図書室』にいると思われるテレイのもとへ向かった。
「テレさん……いる?」
入ってすぐに問いかけたが、彼の返事はなく代わりに職員がやってきた。職員曰く、数分前に出て行ってしまったらしく、当分戻ってこないということだった。そのやり取りをしていると本棚の隙間からクレハが見えて、職員との会話を切り上げて、彼女のもとへ向かった。
「よっ」
「わぁ! ……びっくりした」
「あれ? 一人なのか……」
「意外ですか?」
「いや、そういうわけではないが……エイルはどこ行った?」
「彼ならガットさんの所にいると思います。ただ何をするかまでは聞いてなくて」
「そうか」
「フォルトさんはどうして? 訓練が終わって病院に行くのは聞きましたけど」
「ちょっとランから伝言を預かってね。それをテレさんに伝えようと思ったんだけど」
「あー、ちょうど出てしまったから」
「クレハは何をやっているんだ?」
「私は……少し調べたいことがあって、テレイさんに頼んだら『ご自由に』と言ってくださったので」
「何を調べているんだ?」
「侵食と贈り物……かな。《能力》についても知りたい……うーん」
「結構、時間かかりそうだな。俺もじっとしているのつらいし、どうせ待たなきゃいけないから、一緒に調べてやろうか」
「いいんですか!」
「もちろん……どうせ暇だしな」
クレハは嬉しそうにして、椅子に乗せていた大量の本の一部をフォルトに渡した。一冊一冊が分厚い資料として、本として書かれた文章の頁をめくりながら、重要そうなものを同じように渡されたノートとペンに書き記していた。しかしフォルトはめんどくさくなって、ポケットから文字を写し取る機械を取り出して読み取ろうとしたが、何故か読み取ってくれなかった。
「なんだこれ」
「おかしいですよね」
「もう実証済みか」
「ええ、だから地道にこうやって書くしかないんです。故障しているわけでもなさそうですし……」
「あとでガットにでも聞くか」
「これってガットさんが作ったんですか?」
「そうだよ。知らなかったのか」
「初めて聞きました。てっきりスヌイ先生かと……その、フォルトさんの能力の制御装置も作っていたようなので」
「まぁ、スヌイも関わっていると言えばそうだけど、ほとんどはガットが作っている。はぁ……楽できると思ったのに……頑張るか」
ため息をつきつつ、関係ありそうなことを書き記していくフォルトと本を集め終わってそれをすべて机に置いてやっと席に着いたクレハはかなり集中していた。だからテレイが帰ってきていたことに気づけず、「あの……」というゆっくりした彼の声に何故か驚くという現象が起きてしまった。
「わっ」
「……驚かないでくださいよ」
「そりゃ驚くだろ」
「それはごめんなさい。ですが用件があったのでは」
「あるよ。ランからの伝言と初耳の情報があるけど」
「伝言はなんとなくわかりますが、初耳の情報とは一体?」
「クレハのことを『天使の餌』と呼んだらしい。ランとクレハが襲われた話の中で出てきた盗賊……テレさんは邪教って言っていたけど、そいつらがそう呼んでいたらしい」
「『天使の餌』ですか……なるほど」
「もしかして知っていた?」
「いえ、ただ天使に関しては何度か、話や資料で出てきていたので……」
「繋がっているかもしれないと」
「そういうことです。それで一つわかりました。クレハさんもまた贈り物と関わりがありそうですね」
「贈り物って確か……エイルに関係あるとかないとか」
「はい……現状でははっきりとしていませんが、邪教の連中が狙っていると思われる《能力》のうちでも強力とされる贈り物。マウムさんがおっしゃっていた『浄化の光』は神の贈り物。運命を変える力があると言われている『運命の歯車』は天使の贈り物。それ以外に三つの贈り物があって……」
「あって?」
「すみません。それ以上のことは……あっ、でも読み逃している箇所があるかもしれません。すべてを理解することは出来ませんから」
「確かに……あっ、伝言忘れていた」
「いいですよ。分かってますから」
「え? じゃあ、言ってみてよ」
「『今度飯行こうぜ』みたいな感じでしょうか」
「……だいたいあっている。なんか新しいお店見つけたんだってさ」
「そうでしたか。退院して色々片付いたら……ありがとうございます。少しだけホッとしました。入院が長引いていると聞いていましたので、大丈夫かと心配していましたが……彼に心配など必要なかったのかもしれません。さて調べものを再開しましょうか」
そう言ってテレイはフォルトのもとから離れていったが、すぐに一冊の本を手にして戻ってきた。その本には大量の付箋が伸びており、頁をめくるたびにその付箋が貼られていた。とある頁を開いた時、その本を机に置いてフォルトとクレハの目に映るようにした。
「テレさん、これ何?」
「これは私がいろんな本から書き出した……いわゆる自作の資料集です。ただ頁がかなり増えたので付箋で補おうとした結果、より見づらくなってしまったのですが……」
「なるほど……『浄化の光』、『運命の歯車』、『詩の音色』、『死者の瞳』、『影の守護者』……なんだこれ? 神と天使と……」
「堕天使と死神と悪魔」
「クレハ?」
「さっき……本から見つけたの。贈り物の話が出ていたから調べてみたらあったから」
「これが読み逃していた部分か」
「クレハさん……すごいです。これでやっと贈り物に関して調べられます」
「でも贈り物以外の《能力》……」
「それはどうでもいいんじゃないか? 今は贈り物だけに絞ろうぜ! それにさっきテレさんが言っていたクレハに関係する贈り物ってどれだ?」
「あー、えっと『影の守護者』と呼ばれる……その、悪魔の贈り物……」
「悪魔……」
「それってさ、疑似的能力のアクセサリーとなんか関係あるのか?」
「疑似的能力に関してはある程度の情報を得ました。もとより強力すぎる能力を一般的にも使用できるように改良したものが『疑似的能力』……ならば原点となる能力が存在するはずで……現在、その中でも属性を付与したものが大量に発見されました。それらは魔法に近く、能力というより魔法を弱体化させたようなものです」
「それってフォルトさんが使っている能力に似ている?」
「俺が使っているのは天候変化の応用で疑似的に魔法弾を撃っているだけなんだけど……ってことは完全に俺の下位互換か」
「そうなりますね。私やフォルトさんなど天性的に能力を得た者はおそらく突然変異だと思われます。そもそも能力の原点となる魔法の時点で、人が扱うにはあまりにも危険すぎると書かれていましたので、それを研究し使えるようにしたとて事故は多発していた」
「まぁ……俺も小さい頃は制御すら出来なかったしなぁ。スヌイとマウムがいてくれなきゃ、今頃どうなっていたか……しんみりしたな、悪い」
「大丈夫……私の指輪にそんな強力な能力があったなんて……でもどれのことを言っているんだろう。『光の天使』は置いといて、それ以外の三つの能力」
「流石、街の能力を制御するための核として作られた指輪ですね」
「それこそ『影の守護者』の説明文を読んだらいいんじゃないか? クレハは能力を使用してみて、俺らが判断すればいい」
「でも今の状態で使えるのは『光の天使』だけだよ。黒色は恐怖に、赤色は怒りに反応して、藍色は防衛システムだから……」
「そうか」
「ごめんなさい」
「謝ることはない。だがそれでは」
「いえ、一つだけ引き出す方法があります」
「テレさん? その方法ってなんだ?」
「贈り物の《能力》を持つ者と共鳴させることです」
「……つまりエイルに合わせるってことか。あいつも一応該当者だろう?」
「いいえ、彼はまだ確証がないので、別の使用者です。ただこれには問題がありまして、贈り物の《能力》の使用者は敵である可能性が高いんです」
「邪教のやつらってこと?」
「はい……なので」
「リコレ探しに行けと」
「邪教と接触しているのは彼だけでしょうし……ランさんやクレハさんも一応会ってはいますが」
「分かった……と言いたいところだけどランから止められていてさ。クレハをリコレ捜索に連れて行くなって」
「やはりランさんも気づいていましたか」
「あいつが何処まで気づいているか知らねぇーけど、『天使の餌』の感じから理解しているんじゃないかって」
「……聞こえる」
「クレハどうした? 聞こえるって何が」
「ピアノの音が聞こえる……すごく遠いけど」
「共鳴は始まっているのかもしれません」
「だからって連れて行かないからな! ランに怒られるのこっちなんだからな」
「大丈夫……勝手に……」
そう言いつつ、クレハの頭にはピアノの音が響き、フォルトやテレイの声をかき消していく。耳を塞いでもその音は直接頭に送られて、痛みは加速していた。そしてピアノの音以外の音が何もしなくなって、意識は少しずつ閉じていき、保てなくなった体は倒れていたが、とっさにフォルトが気づいて体を支えた。
「クレハ……おい! しっかりしろ!」
「スヌイさんに電話します」
騒がしい状態に職員達も気づいて慌てていた。何とか連絡がつき、テレイの運転でフォルトとクレハは病院に向かった。クレハが倒れたことを聞いて、近くの病室にいたランはゆっくりながら彼女の様子を見に来ていた。幸いなことに呼吸は止まっていなかったが、その息は徐々に弱くなっていた。急いでスヌイが対処して、なんとかなったが、クレハは目を覚まさなかった。
スヌイが連絡したのか定かではないが、クレハが倒れたことを聞いたエイルとガットが来て、エイルに至っては彼女に近づいてすぐに手を取り、その手が冷たくなりつつあるのを感じて、何で近くにいてやらなかったんだと後悔し、涙をこらえていた。
「エイル……」
「スヌイ先生、クレハは」
「今のところは安定している……だが」
「原因は……テレさん一緒にいたんだろう!」
「いました。原因は共鳴……贈り物の《能力》によるものだと思われます」
「つまり敵の攻撃ってことだ」
「ランもいたのか」
「入院しているんだからいるだろうが……まぁいい。フォルト」
「まさか一人で行けと……贈り物の《能力》ってかなり強力らしいぜ。それを対処する技量がねぇよ」
「だから俺も行く」
「おい、まだ入院中だろうが」
「緊急事態だ……だからなスヌイ」
「はいはい……でも二人だけではいかせない。ガットと……それからトランも」
「何故?」
「ガットは万が一のための救助要因で、トランは……こういう時の能力だろう」
「確かに……でもトランは承諾するのか?」
「もう承諾済みだ。ランの言う通り緊急事態だからな」
「トラン先生……」
「エイル、今度こそ守るんだ」
「はい!」
「ガットもすまないな」
「いえ、スヌイさんの頼みなら……それにクレハさんは大切な仲間ですから」
「作戦実行は明日! それまでゆっくり休んでいてくれ」
スヌイが皆をまとめて言い放った。病院では珍しい大声だったため、皆驚いていたが、頷いたり「おー!」と言ったりしていた。
それは切り離された命。光に包まれて生まれた子供は空の輝きを知っていた。人の形をした神の子、それが彼の姿だった。彼はその身を隠し、あらゆる世界を旅した。『浄化の光』を宿し、その祈りを人々のために捧げていた。過ちを繰り返さないために、ずっと探していた。
そしてやっと見つけたが、その力は《悪意》によって弱められていた。『影の守護者』は強力故に、偽りの神に歪められた人々の考えによって小さな守り手となった。しかし使い手は元の場所へ渡り、あの手の中に眠るなら、共鳴の日、覚醒するだろう。『詩の音色』は最後に残された善意の心さえ飲み込み、聞いた者の命を剥ぎ取るほど即死効果になっていた。かつての二つ名『死の音色』のように。一度でもその音色を聞いてしまえば、誰も生き残れはしないだろう。『死者の瞳』は偽りの神のそばに置かれ、《悪意》に歪められたその力は見るだけではとどまらない。その死は化け物に置き換わる恐ろしいものとなる。寿命はかの者の力となり、偽りの神はそれをもって姿を取り戻していくだろう。そして最初にして最後の《能力》、天使が運び失った少年の存在、『運命の歯車』。懐中時計は少年のもとへ、けれどあの時と同じように《記憶》は失われていた。
贈り物と呼ばれた五つの《能力》、しかし彼が宿す『浄化の光』は完全なものではなかった。その命が切り離されたのと同時に『浄化の光』もまた分離した。《悪意》が少年によって取り除かれた際に、《能力》は消滅した。だが再び目覚めた時、二つ名だった『悪意の光』だけが天界の神に残され、彼には純粋な『浄化の光』が宿った。あの時、司祭に残った優しき心が彼を生み出した。
翌日、ランとフォルトは一足早く行動を開始し、ガットはトランが遅れるという連絡を受けて病院で待っていた。病室では未だクレハは眠りにつき、エイルは座ったまま彼女の手を取って見続けていた。ガットは少し揺らつくエイルに気づいて声をかけたが、それに返事はなかった。
「間に合って……」
「トラン先生、遅いです」
「あっ」
「ランさんとフォルトさんは先に行かれました。一応、集合場所は決めているので、早く行きますよ」
「え? 何も聞いてな」
遅れてきたにもかかわらず謝りもせず、気分が悪くなったガットは何も言わずにトランに近づいて、強制転移させた。その叫び声もあの日のまま繰り返され、響いていたがエイルは振り向きもしなかった。ガットはそれを見て「行ってきます」と呟いて消えた。
数分が経って、病室に近づく足音が一つ。スヌイがカルテをもって、座り続け固まっているエイルの横に立った。それでも彼が気づかないため、スヌイは軽く肩を叩いてやるとビクッとしながらスヌイの方を見ていた。
「……寝てないのか」
「いつ目覚めるか分からないのでずっと起きていました」
「だからって……少し休め」
「ですが」
「せめて私がいる間は休んでくれ」
「……はい」
その返事は弱々しく、ふらつく頭はクレハの眠るベッドの端に落ちて、首を曲げて気絶したかのようにすぐに眠りについていた。「まったく」とスヌイは呟きつつ、少しでも長めに寝られるようにゆっくりクレハの様子を見ていた。弱々しかった呼吸は安定こそしているが、透明な宝石の指輪が異様に変化を繰り返すことに疑問を持っていた。テレイ曰く、贈り物の《能力》による共鳴が始まったとすれば、その影響を受けている可能性はあるが、だとしても何故、宝石にヒビが入り始めているのか分からなかった。
「白、黒、赤、藍……長いのは黒色か……共鳴は? 分からん。これだけでは何も……よし! 私にできることは悪い場所を見つけるくらいだ」
立ったままクレハの体の上に手をやり目を閉じた。しかし悪い場所は何も見つからなかった。外傷は元から存在していなかったし、内傷も異常はなかった。そもそも普通の傷ならクレハが持つ『光の天使』で治癒が可能だから治っていてもおかしくはなかった。
「何もない……と。何もないわけがないが、見つからなければどうしようもない」
一通り書き終わるともう一度、クレハの方を見ていた。眠り続ける彼女に寄り添うエイルの頭を撫でていた。静かな風が窓から入っていたが、呼び出し音が鳴り、ハッとして撫でていた手を戻し、心配そうに二人を見ながら病室から出て行った。
深い夢の香り、暗闇の底。落ち行く瞳にその影は映る。贈り物に秘められた願いと歪められた真実。身に付けた指輪は壊れて、少女の体は黒に包まれる。それは冷たく、けれど恐怖はなく、そこにあったのは約束。
入院しているランの容体が良くなりつつあって、フォルトは毎日のように病院に訪れていた。最初は心配で見てきていたけれど、長いこと入院するものだから少しばかり寂しくなってちょっかいをかけるようになっていた。一緒に行動する時間が長いために、何もない今があまりにも暇だった。
「……寝てた? ごめん」
「また来たのか」
「またって」
「新人達の訓練はちゃんとやっているのか? ガットから聞いたけど、疎かになってないだろうな」
「大丈夫だよ。エイルもクレハも手伝ってくれているし」
「それならいいけど」
「それよりスヌイは元気? 能力研究所に顔を出さなくなっちゃったからさ、どうなのかなって」
「元気かどうか知らないけど、忙しそうにやっているよ。俺のところに来るのは毎日一回だけだしな」
「そうなんだ? てっきり担当医だと思っていたんだけど」
「さぁ? それは知らん。てかスヌイに関しては昨日も一昨日も言っただろうが……なんかあっただろう」
「……リコレが行方不明なんだ。俺らが子供になっていた時、一回戻ってきていたらしいけど、また情報収集のためにどこかに行ったきり、今度は帰ってこなくなった」
「ふーん」
「ふーん……って、ランは心配じゃないの!?」
「心配って確かにそうだけどさ。どうしろと、探すにして何か掴んでいるのか?」
「テレさんが言っていたんだけど、神を信仰する邪教の所に行ったんじゃないかって」
「邪教か」
「そう……それで今調べてもらっている。何かあれば動けるように」
「……フォルトはマウムの話を聞いたか?」
「少しなら聞いたよ。エイルの話だっけ」
「まぁあの話が本当かどうか定かではないが、その贈り物とやらが神と何か関係あるとすれば、エイルをリコレ捜索達に連れて行くなよ。後クレハも」
「エイルは分かるけど、何でクレハも?」
「クレハはやつらから『天使の餌』と呼ばれていた。だからクレハも危ない」
「餌って言われていたの? 初耳なんだけど」
「誰にも言っていないからな」
「……重要なことじゃないか。あとでテレさんに伝えておこう」
ふとフォルトが腕時計を見ると少し長くいすぎたかなと思った。それを感じ取ったランは何かを言おうとした口を閉じた。しかしそれに気づいたフォルトは「何?」と問いかけた。
「テレさんに会うのか?」
「会うよ。一応、能力研究所に戻るから」
「じゃあ、伝言を頼むわ」
そう言いランはフォルトに伝えると、寝たふりをし始めた。フォルトはまったく、と思いながら病室を後にした。
病院を出て能力研究所に帰る途中の街、化け物の巣窟となっていた道は整備されていたが、まだすべて処理しきることが出来ず、その面影は残っていた。化け物の死体を調べたいからと言って、とある研究者がそれを運び込むと決めた時は一体何を考えているのか、フォルトにはわからなかった。しかし調べている途中でスヌイに見つかり、その研究者は追い出されていたのだが、ランの言う邪教に堕ちていないか、聞いた時思った。
化け物の死体から流れ落ちた液体によって腐敗した土地は再生するまでかなりの時間を必要とする関係で、未だキープアウトの線が張られたままのところもあった。そこから掘り起こされた疑似的能力のアクセサリーは破損していない限り、使用可能であると証明され、危険性がないと分かったものに関しては研究所に保管してあった。フォルトもそれを使ってみたかったから申請したけれど、元から持つ天候変化の能力と干渉しないと限らないために却下されていた。
色んなことを考えながら能力研究所に辿り着き、ランが言ったことを伝えるため、『図書室』にいると思われるテレイのもとへ向かった。
「テレさん……いる?」
入ってすぐに問いかけたが、彼の返事はなく代わりに職員がやってきた。職員曰く、数分前に出て行ってしまったらしく、当分戻ってこないということだった。そのやり取りをしていると本棚の隙間からクレハが見えて、職員との会話を切り上げて、彼女のもとへ向かった。
「よっ」
「わぁ! ……びっくりした」
「あれ? 一人なのか……」
「意外ですか?」
「いや、そういうわけではないが……エイルはどこ行った?」
「彼ならガットさんの所にいると思います。ただ何をするかまでは聞いてなくて」
「そうか」
「フォルトさんはどうして? 訓練が終わって病院に行くのは聞きましたけど」
「ちょっとランから伝言を預かってね。それをテレさんに伝えようと思ったんだけど」
「あー、ちょうど出てしまったから」
「クレハは何をやっているんだ?」
「私は……少し調べたいことがあって、テレイさんに頼んだら『ご自由に』と言ってくださったので」
「何を調べているんだ?」
「侵食と贈り物……かな。《能力》についても知りたい……うーん」
「結構、時間かかりそうだな。俺もじっとしているのつらいし、どうせ待たなきゃいけないから、一緒に調べてやろうか」
「いいんですか!」
「もちろん……どうせ暇だしな」
クレハは嬉しそうにして、椅子に乗せていた大量の本の一部をフォルトに渡した。一冊一冊が分厚い資料として、本として書かれた文章の頁をめくりながら、重要そうなものを同じように渡されたノートとペンに書き記していた。しかしフォルトはめんどくさくなって、ポケットから文字を写し取る機械を取り出して読み取ろうとしたが、何故か読み取ってくれなかった。
「なんだこれ」
「おかしいですよね」
「もう実証済みか」
「ええ、だから地道にこうやって書くしかないんです。故障しているわけでもなさそうですし……」
「あとでガットにでも聞くか」
「これってガットさんが作ったんですか?」
「そうだよ。知らなかったのか」
「初めて聞きました。てっきりスヌイ先生かと……その、フォルトさんの能力の制御装置も作っていたようなので」
「まぁ、スヌイも関わっていると言えばそうだけど、ほとんどはガットが作っている。はぁ……楽できると思ったのに……頑張るか」
ため息をつきつつ、関係ありそうなことを書き記していくフォルトと本を集め終わってそれをすべて机に置いてやっと席に着いたクレハはかなり集中していた。だからテレイが帰ってきていたことに気づけず、「あの……」というゆっくりした彼の声に何故か驚くという現象が起きてしまった。
「わっ」
「……驚かないでくださいよ」
「そりゃ驚くだろ」
「それはごめんなさい。ですが用件があったのでは」
「あるよ。ランからの伝言と初耳の情報があるけど」
「伝言はなんとなくわかりますが、初耳の情報とは一体?」
「クレハのことを『天使の餌』と呼んだらしい。ランとクレハが襲われた話の中で出てきた盗賊……テレさんは邪教って言っていたけど、そいつらがそう呼んでいたらしい」
「『天使の餌』ですか……なるほど」
「もしかして知っていた?」
「いえ、ただ天使に関しては何度か、話や資料で出てきていたので……」
「繋がっているかもしれないと」
「そういうことです。それで一つわかりました。クレハさんもまた贈り物と関わりがありそうですね」
「贈り物って確か……エイルに関係あるとかないとか」
「はい……現状でははっきりとしていませんが、邪教の連中が狙っていると思われる《能力》のうちでも強力とされる贈り物。マウムさんがおっしゃっていた『浄化の光』は神の贈り物。運命を変える力があると言われている『運命の歯車』は天使の贈り物。それ以外に三つの贈り物があって……」
「あって?」
「すみません。それ以上のことは……あっ、でも読み逃している箇所があるかもしれません。すべてを理解することは出来ませんから」
「確かに……あっ、伝言忘れていた」
「いいですよ。分かってますから」
「え? じゃあ、言ってみてよ」
「『今度飯行こうぜ』みたいな感じでしょうか」
「……だいたいあっている。なんか新しいお店見つけたんだってさ」
「そうでしたか。退院して色々片付いたら……ありがとうございます。少しだけホッとしました。入院が長引いていると聞いていましたので、大丈夫かと心配していましたが……彼に心配など必要なかったのかもしれません。さて調べものを再開しましょうか」
そう言ってテレイはフォルトのもとから離れていったが、すぐに一冊の本を手にして戻ってきた。その本には大量の付箋が伸びており、頁をめくるたびにその付箋が貼られていた。とある頁を開いた時、その本を机に置いてフォルトとクレハの目に映るようにした。
「テレさん、これ何?」
「これは私がいろんな本から書き出した……いわゆる自作の資料集です。ただ頁がかなり増えたので付箋で補おうとした結果、より見づらくなってしまったのですが……」
「なるほど……『浄化の光』、『運命の歯車』、『詩の音色』、『死者の瞳』、『影の守護者』……なんだこれ? 神と天使と……」
「堕天使と死神と悪魔」
「クレハ?」
「さっき……本から見つけたの。贈り物の話が出ていたから調べてみたらあったから」
「これが読み逃していた部分か」
「クレハさん……すごいです。これでやっと贈り物に関して調べられます」
「でも贈り物以外の《能力》……」
「それはどうでもいいんじゃないか? 今は贈り物だけに絞ろうぜ! それにさっきテレさんが言っていたクレハに関係する贈り物ってどれだ?」
「あー、えっと『影の守護者』と呼ばれる……その、悪魔の贈り物……」
「悪魔……」
「それってさ、疑似的能力のアクセサリーとなんか関係あるのか?」
「疑似的能力に関してはある程度の情報を得ました。もとより強力すぎる能力を一般的にも使用できるように改良したものが『疑似的能力』……ならば原点となる能力が存在するはずで……現在、その中でも属性を付与したものが大量に発見されました。それらは魔法に近く、能力というより魔法を弱体化させたようなものです」
「それってフォルトさんが使っている能力に似ている?」
「俺が使っているのは天候変化の応用で疑似的に魔法弾を撃っているだけなんだけど……ってことは完全に俺の下位互換か」
「そうなりますね。私やフォルトさんなど天性的に能力を得た者はおそらく突然変異だと思われます。そもそも能力の原点となる魔法の時点で、人が扱うにはあまりにも危険すぎると書かれていましたので、それを研究し使えるようにしたとて事故は多発していた」
「まぁ……俺も小さい頃は制御すら出来なかったしなぁ。スヌイとマウムがいてくれなきゃ、今頃どうなっていたか……しんみりしたな、悪い」
「大丈夫……私の指輪にそんな強力な能力があったなんて……でもどれのことを言っているんだろう。『光の天使』は置いといて、それ以外の三つの能力」
「流石、街の能力を制御するための核として作られた指輪ですね」
「それこそ『影の守護者』の説明文を読んだらいいんじゃないか? クレハは能力を使用してみて、俺らが判断すればいい」
「でも今の状態で使えるのは『光の天使』だけだよ。黒色は恐怖に、赤色は怒りに反応して、藍色は防衛システムだから……」
「そうか」
「ごめんなさい」
「謝ることはない。だがそれでは」
「いえ、一つだけ引き出す方法があります」
「テレさん? その方法ってなんだ?」
「贈り物の《能力》を持つ者と共鳴させることです」
「……つまりエイルに合わせるってことか。あいつも一応該当者だろう?」
「いいえ、彼はまだ確証がないので、別の使用者です。ただこれには問題がありまして、贈り物の《能力》の使用者は敵である可能性が高いんです」
「邪教のやつらってこと?」
「はい……なので」
「リコレ探しに行けと」
「邪教と接触しているのは彼だけでしょうし……ランさんやクレハさんも一応会ってはいますが」
「分かった……と言いたいところだけどランから止められていてさ。クレハをリコレ捜索に連れて行くなって」
「やはりランさんも気づいていましたか」
「あいつが何処まで気づいているか知らねぇーけど、『天使の餌』の感じから理解しているんじゃないかって」
「……聞こえる」
「クレハどうした? 聞こえるって何が」
「ピアノの音が聞こえる……すごく遠いけど」
「共鳴は始まっているのかもしれません」
「だからって連れて行かないからな! ランに怒られるのこっちなんだからな」
「大丈夫……勝手に……」
そう言いつつ、クレハの頭にはピアノの音が響き、フォルトやテレイの声をかき消していく。耳を塞いでもその音は直接頭に送られて、痛みは加速していた。そしてピアノの音以外の音が何もしなくなって、意識は少しずつ閉じていき、保てなくなった体は倒れていたが、とっさにフォルトが気づいて体を支えた。
「クレハ……おい! しっかりしろ!」
「スヌイさんに電話します」
騒がしい状態に職員達も気づいて慌てていた。何とか連絡がつき、テレイの運転でフォルトとクレハは病院に向かった。クレハが倒れたことを聞いて、近くの病室にいたランはゆっくりながら彼女の様子を見に来ていた。幸いなことに呼吸は止まっていなかったが、その息は徐々に弱くなっていた。急いでスヌイが対処して、なんとかなったが、クレハは目を覚まさなかった。
スヌイが連絡したのか定かではないが、クレハが倒れたことを聞いたエイルとガットが来て、エイルに至っては彼女に近づいてすぐに手を取り、その手が冷たくなりつつあるのを感じて、何で近くにいてやらなかったんだと後悔し、涙をこらえていた。
「エイル……」
「スヌイ先生、クレハは」
「今のところは安定している……だが」
「原因は……テレさん一緒にいたんだろう!」
「いました。原因は共鳴……贈り物の《能力》によるものだと思われます」
「つまり敵の攻撃ってことだ」
「ランもいたのか」
「入院しているんだからいるだろうが……まぁいい。フォルト」
「まさか一人で行けと……贈り物の《能力》ってかなり強力らしいぜ。それを対処する技量がねぇよ」
「だから俺も行く」
「おい、まだ入院中だろうが」
「緊急事態だ……だからなスヌイ」
「はいはい……でも二人だけではいかせない。ガットと……それからトランも」
「何故?」
「ガットは万が一のための救助要因で、トランは……こういう時の能力だろう」
「確かに……でもトランは承諾するのか?」
「もう承諾済みだ。ランの言う通り緊急事態だからな」
「トラン先生……」
「エイル、今度こそ守るんだ」
「はい!」
「ガットもすまないな」
「いえ、スヌイさんの頼みなら……それにクレハさんは大切な仲間ですから」
「作戦実行は明日! それまでゆっくり休んでいてくれ」
スヌイが皆をまとめて言い放った。病院では珍しい大声だったため、皆驚いていたが、頷いたり「おー!」と言ったりしていた。
それは切り離された命。光に包まれて生まれた子供は空の輝きを知っていた。人の形をした神の子、それが彼の姿だった。彼はその身を隠し、あらゆる世界を旅した。『浄化の光』を宿し、その祈りを人々のために捧げていた。過ちを繰り返さないために、ずっと探していた。
そしてやっと見つけたが、その力は《悪意》によって弱められていた。『影の守護者』は強力故に、偽りの神に歪められた人々の考えによって小さな守り手となった。しかし使い手は元の場所へ渡り、あの手の中に眠るなら、共鳴の日、覚醒するだろう。『詩の音色』は最後に残された善意の心さえ飲み込み、聞いた者の命を剥ぎ取るほど即死効果になっていた。かつての二つ名『死の音色』のように。一度でもその音色を聞いてしまえば、誰も生き残れはしないだろう。『死者の瞳』は偽りの神のそばに置かれ、《悪意》に歪められたその力は見るだけではとどまらない。その死は化け物に置き換わる恐ろしいものとなる。寿命はかの者の力となり、偽りの神はそれをもって姿を取り戻していくだろう。そして最初にして最後の《能力》、天使が運び失った少年の存在、『運命の歯車』。懐中時計は少年のもとへ、けれどあの時と同じように《記憶》は失われていた。
贈り物と呼ばれた五つの《能力》、しかし彼が宿す『浄化の光』は完全なものではなかった。その命が切り離されたのと同時に『浄化の光』もまた分離した。《悪意》が少年によって取り除かれた際に、《能力》は消滅した。だが再び目覚めた時、二つ名だった『悪意の光』だけが天界の神に残され、彼には純粋な『浄化の光』が宿った。あの時、司祭に残った優しき心が彼を生み出した。
翌日、ランとフォルトは一足早く行動を開始し、ガットはトランが遅れるという連絡を受けて病院で待っていた。病室では未だクレハは眠りにつき、エイルは座ったまま彼女の手を取って見続けていた。ガットは少し揺らつくエイルに気づいて声をかけたが、それに返事はなかった。
「間に合って……」
「トラン先生、遅いです」
「あっ」
「ランさんとフォルトさんは先に行かれました。一応、集合場所は決めているので、早く行きますよ」
「え? 何も聞いてな」
遅れてきたにもかかわらず謝りもせず、気分が悪くなったガットは何も言わずにトランに近づいて、強制転移させた。その叫び声もあの日のまま繰り返され、響いていたがエイルは振り向きもしなかった。ガットはそれを見て「行ってきます」と呟いて消えた。
数分が経って、病室に近づく足音が一つ。スヌイがカルテをもって、座り続け固まっているエイルの横に立った。それでも彼が気づかないため、スヌイは軽く肩を叩いてやるとビクッとしながらスヌイの方を見ていた。
「……寝てないのか」
「いつ目覚めるか分からないのでずっと起きていました」
「だからって……少し休め」
「ですが」
「せめて私がいる間は休んでくれ」
「……はい」
その返事は弱々しく、ふらつく頭はクレハの眠るベッドの端に落ちて、首を曲げて気絶したかのようにすぐに眠りについていた。「まったく」とスヌイは呟きつつ、少しでも長めに寝られるようにゆっくりクレハの様子を見ていた。弱々しかった呼吸は安定こそしているが、透明な宝石の指輪が異様に変化を繰り返すことに疑問を持っていた。テレイ曰く、贈り物の《能力》による共鳴が始まったとすれば、その影響を受けている可能性はあるが、だとしても何故、宝石にヒビが入り始めているのか分からなかった。
「白、黒、赤、藍……長いのは黒色か……共鳴は? 分からん。これだけでは何も……よし! 私にできることは悪い場所を見つけるくらいだ」
立ったままクレハの体の上に手をやり目を閉じた。しかし悪い場所は何も見つからなかった。外傷は元から存在していなかったし、内傷も異常はなかった。そもそも普通の傷ならクレハが持つ『光の天使』で治癒が可能だから治っていてもおかしくはなかった。
「何もない……と。何もないわけがないが、見つからなければどうしようもない」
一通り書き終わるともう一度、クレハの方を見ていた。眠り続ける彼女に寄り添うエイルの頭を撫でていた。静かな風が窓から入っていたが、呼び出し音が鳴り、ハッとして撫でていた手を戻し、心配そうに二人を見ながら病室から出て行った。
深い夢の香り、暗闇の底。落ち行く瞳にその影は映る。贈り物に秘められた願いと歪められた真実。身に付けた指輪は壊れて、少女の体は黒に包まれる。それは冷たく、けれど恐怖はなく、そこにあったのは約束。
桜詩凛の読みは「さくらしりん」で、由来は二つ。一つは元から使っていた桜子凛花が長いと思ったため、短くするために「桜」と「凛」を取り、その間に当時から書いていた「詩」をいれたもの。もう一つは『複雑な生き方をする少女』に登場する「さくら、黒蛇、シラ、理夏(りか)、ラナン」の頭文字を取ったものとなってい…
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