空っぽの砂時計
公開 2023/09/09 14:12
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考えることを忘れてしまったかのように頭に浮かぶ答えもなく、空っぽになった脳に問いかけても反応はない。一つの音が全てを壊してしまったかのように目に映る風景もなく、薄暗く歪む灰色の砂嵐が覆いつくしていた。
誰かの声もなく、残された音も静寂の中ではないに等しくて、落ちていた砂は枯れてしまった。触れた砂時計を回し、また砂が落ちていく。
一つの疑問があったかのように頭に浮かんだ答えはなかったものになって、否定された脳は見つけることをあきらめた。割れた音がどこかに刺さってしまったかのように体中に痛みが走って、立ち上がることができなくなってしまった。
誰かの声が聞こえたような気がしただけの部屋で、針の音が一定の間隔でなり続けていた。だけどその音を聞き取る耳は少しずつ感じ取れなくなっていった。
少しずつ考えることを思い出したかのように頭に浮かぶ答えは繰り返して、空っぽだった脳は記憶の液で満たされ始めていた。一つの音が欠けた何かを持ってきたかのように目に映る風景を修正し、薄暗く歪む灰色の砂嵐は水彩画のようにぼやけていた。
誰かの声もなく、残された音も静寂の中ではないに等しくて、落ちていた砂は枯れてしまった。触れた砂時計を回して、また砂が落ちていく。そしてまた忘れていく。
一つの疑問があったかのように頭に浮かんだ答えはもう一度繰り返して、否定される前に脳はその解答を封じ込めた。割れた音が聞こえて足にはガラスが刺さっていた。けれどその痛みはそれ以外の部位にも広がってしゃがみこむしかなかった。
誰かの声が聞こえたような気がしただけの部屋で、針の音は一定の間隔でなり続けていた。だけどその音を聞き取る耳は少しずつ感覚を失いつつも、声ははっきりし始めていた。
考えることを忘れてしまったかのように頭に浮かぶ答えもなく、空っぽになった脳に問いかけても反応はない。一つの音が全てを壊してしまったかのように目に映る風景もなく、薄暗く歪む灰色の砂嵐が覆いつくしていた。
誰かの声もなく、残された音も静寂の中ではないに等しくて、落ちていた砂は枯れてしまった。触れた砂時計を回し、また砂が落ちていく。
一つの疑問があったかのように頭に浮かんだ答えを繰り返した結果、否定の概念を脳は消し去った。割れた音が聞こえる前にその事象の問いを遡ろうとしても、聞こえた時には足に刺さって痛みを伴い、体の自由が利かなくなった。
誰かの声が聞こえたような気がしただけの部屋で、針の音は一定の間隔でなり続けていた。だけどその音を聞き取る耳は少しずつ感覚を失いつつも、声は近づき始めていた。
少しずつ考えることを思い出したかのように頭に浮かぶ答えは繰り返して、空っぽだった脳は記憶の液で満たされ始めていた。一つの音が欠けた何かを持ってきたかのように目に映る風景を修正し、薄暗く歪む灰色の砂嵐は水彩画のようにぼやけていた。
誰かの声もなく、残された音も静寂の中ではないに等しくて、落ちていた砂は枯れてしまった。触れた砂時計を回して、また砂が落ちていく。そしてまた忘れていく。
一つの疑問があったかのように頭に浮かんだ答えは肯定に導かれて、その真実を発見することに成功したかに見えたが、脳はまたそれを消し去ってしまった。割れた音が聞こえる前に遡ってその事象を見届けたが、痛みのかわりに得たのは無音であった。
誰かの声が聞こえたような気がしただけの部屋で、針の音は一定の間隔でなり続けていた。だけどその音を聞き取る耳は少しずつ感覚を失い、声はなくなってしまった。
砂時計が振り出しに戻るたびに残されていた記憶が消えた。誰かだったものは正体不明となった。刻まれた針の音が真実を隠そうとするように、感覚を奪うように誰かが仕向けた。その誰かも記憶の前では無意味であった。そしてこれもまた砂時計に触れて忘れていく。
誰かの声は発せられたが、その声を認識することは誰も出来ない。落ちていた砂は枯れてしまった。触れた砂時計を回すことは愚かだと気がついたが、その意志は否定された。
一つの疑問があったかのように頭に浮かんだ答えは真実に近づいていたが、脳はまたそれを消そうとした。しかし脳は何かを聞き取って考えることを放棄した。割れた音が聞こえる前に遡ってその事象を見届けると、そこに残されていたのは硝子の破片だった。
誰かの声が聞こえたような気がしただけの部屋で、針の音は一定の間隔でなり続けていた。だけどその音を聞き取る耳は少しずつ感覚を失い、声は発せられ消えた。
砂時計が振り出しに戻るたびに残されていた記憶が消えた。誰かだったものは正体不明となった。感覚を奪う針の音を遮断しようと試みても、誰かは笑い、誰かは悲しみ、誰かは苦しんだ。その誰かも記憶の前では無意味であった。そしてまた忘れていく。
誰かの声は発せられたが、その声を認識することは誰も出来ない。落ちていた砂は枯れてしまった。触れた砂時計を回すことは愚かだと気がついたが、その意志は否定された。
一つの疑問があったかのように頭に浮かんだ答えは真実に紐づけて、脳は聞いた声を繰り返し壊れてしまった。割れた音が聞こえる前に遡ってその事象を見届けると、痛みのかわりに消却を免れた気がしたが、それは嘘だったのかもしれない。
誰かの声が聞こえたような気がしただけの部屋で、針の音は一定の間隔でなり続けていた。だけどその音を聞き取る耳は感覚を失うことなく、誰かの声をはっきりとらえた。
砂時計が振り出しに戻るたびに残されていた記憶が消えた。誰かだったものは正体不明となった。感覚を奪う針の音を遮断しようと試みると、誰かは笑わなくなりかわりに怒っていた。無知な誰かに訴えるように怒鳴ったが、記憶の前では無意味であり、忘れていく。
誰かの声は発せられたが、その声を認識することは誰も出来ない。落ちていた砂は枯れてしまった。触れた砂時計を回すことは愚かだと気がついたが、その手は勝手に動いていた。
一つの疑問があったかのように頭に浮かんだ答えは真実だったが、壊れたはずの脳は再生していた。またその答えを消し去った。割れた音が聞こえる前に遡ってその事象を見届けたが、痛みは足のみではなくなっていた。
誰かの声が聞こえたような気がしただけの部屋で、針の音は一定の間隔でなり続けていた。だけどその音を聞き取る耳は少しずつ感覚を失いつつも、誰かのなき声が聞こえた。
砂時計が振り出しに戻るたびに残されていた記憶が消えた。誰かだったものは正体不明となった。感覚を奪う針の音を遮断しようと試みると、誰かは怒鳴りもしなくなった。無表情の誰かを不気味に思いつつ止めたが、その感情も記憶の前では無意味であり、忘れていく。
誰かの声は発せられたが、その声を認識することは誰も出来ない。落ちていた砂は枯れてしまった。触れた砂時計を回すことは愚かだと気がついたが、その手は誰かに押付けられた。
一つの疑問があったかのように頭に浮かんだ答えは真実を受け入れ、再生した脳は反応しなくなった。割れた音が聞こえる前に遡ってその事象を見届けて、痛みの原因を知った。それは死ぬ間際に恐怖した誰かの願いと――。
誰かの声が聞こえたような気がしただけの部屋で、針の音は一定の間隔でなり続けていた。だけど原因を知った時、針の音は聞こえなくなって折れて落ちていた。
砂時計が振り出しに戻るたびに残されていた記憶が消えた。誰かだったものは正体不明となった。感情を奪う針の音が止まって、誰かはいなくなってしまった。そのかわりに残されたのはさっきまで動いていた砂時計に似た何かだったが、それは壊れていた。
誰かの声は発せられたが、その声を認識することは誰も出来ない……はずだった。砂時計が壊れて溢れた砂が風に飛んでいった。残った硝子に触れた手は赤く染まっていた。
一つの疑問があったかのように頭に浮かんだ答えは見つかった。そしてもう割れた音が聞こえることもない。折れた針を手に取ったと思っていた認識は砂時計の硝子に変わっていた。赤く染まる手のひらが重なり揺らぎ、見えていたのは空だった。
誰かの声が聞こえたような気がしただけの部屋で、針の音は一定の間隔でなり続けていたが、それはもうない。そのかわりに聞こえた音は終わりの音だった。
砂時計が振り出しに戻るたびに残されていた記憶が消えていたのは過去の話。正体不明の誰かはもう繰り返すことはない。初期化した記憶は一つになって、健忘の心を満たしていた。
「―――――」
誰かの声は発せられたが、その声を認識することはもう出来ない。落ちていた砂は風に吹かれてもうない。触れた砂時計を回すことはもう出来ない。そして誰もいなくなった。
誰かの声もなく、残された音も静寂の中ではないに等しくて、落ちていた砂は枯れてしまった。触れた砂時計を回し、また砂が落ちていく。
一つの疑問があったかのように頭に浮かんだ答えはなかったものになって、否定された脳は見つけることをあきらめた。割れた音がどこかに刺さってしまったかのように体中に痛みが走って、立ち上がることができなくなってしまった。
誰かの声が聞こえたような気がしただけの部屋で、針の音が一定の間隔でなり続けていた。だけどその音を聞き取る耳は少しずつ感じ取れなくなっていった。
少しずつ考えることを思い出したかのように頭に浮かぶ答えは繰り返して、空っぽだった脳は記憶の液で満たされ始めていた。一つの音が欠けた何かを持ってきたかのように目に映る風景を修正し、薄暗く歪む灰色の砂嵐は水彩画のようにぼやけていた。
誰かの声もなく、残された音も静寂の中ではないに等しくて、落ちていた砂は枯れてしまった。触れた砂時計を回して、また砂が落ちていく。そしてまた忘れていく。
一つの疑問があったかのように頭に浮かんだ答えはもう一度繰り返して、否定される前に脳はその解答を封じ込めた。割れた音が聞こえて足にはガラスが刺さっていた。けれどその痛みはそれ以外の部位にも広がってしゃがみこむしかなかった。
誰かの声が聞こえたような気がしただけの部屋で、針の音は一定の間隔でなり続けていた。だけどその音を聞き取る耳は少しずつ感覚を失いつつも、声ははっきりし始めていた。
考えることを忘れてしまったかのように頭に浮かぶ答えもなく、空っぽになった脳に問いかけても反応はない。一つの音が全てを壊してしまったかのように目に映る風景もなく、薄暗く歪む灰色の砂嵐が覆いつくしていた。
誰かの声もなく、残された音も静寂の中ではないに等しくて、落ちていた砂は枯れてしまった。触れた砂時計を回し、また砂が落ちていく。
一つの疑問があったかのように頭に浮かんだ答えを繰り返した結果、否定の概念を脳は消し去った。割れた音が聞こえる前にその事象の問いを遡ろうとしても、聞こえた時には足に刺さって痛みを伴い、体の自由が利かなくなった。
誰かの声が聞こえたような気がしただけの部屋で、針の音は一定の間隔でなり続けていた。だけどその音を聞き取る耳は少しずつ感覚を失いつつも、声は近づき始めていた。
少しずつ考えることを思い出したかのように頭に浮かぶ答えは繰り返して、空っぽだった脳は記憶の液で満たされ始めていた。一つの音が欠けた何かを持ってきたかのように目に映る風景を修正し、薄暗く歪む灰色の砂嵐は水彩画のようにぼやけていた。
誰かの声もなく、残された音も静寂の中ではないに等しくて、落ちていた砂は枯れてしまった。触れた砂時計を回して、また砂が落ちていく。そしてまた忘れていく。
一つの疑問があったかのように頭に浮かんだ答えは肯定に導かれて、その真実を発見することに成功したかに見えたが、脳はまたそれを消し去ってしまった。割れた音が聞こえる前に遡ってその事象を見届けたが、痛みのかわりに得たのは無音であった。
誰かの声が聞こえたような気がしただけの部屋で、針の音は一定の間隔でなり続けていた。だけどその音を聞き取る耳は少しずつ感覚を失い、声はなくなってしまった。
砂時計が振り出しに戻るたびに残されていた記憶が消えた。誰かだったものは正体不明となった。刻まれた針の音が真実を隠そうとするように、感覚を奪うように誰かが仕向けた。その誰かも記憶の前では無意味であった。そしてこれもまた砂時計に触れて忘れていく。
誰かの声は発せられたが、その声を認識することは誰も出来ない。落ちていた砂は枯れてしまった。触れた砂時計を回すことは愚かだと気がついたが、その意志は否定された。
一つの疑問があったかのように頭に浮かんだ答えは真実に近づいていたが、脳はまたそれを消そうとした。しかし脳は何かを聞き取って考えることを放棄した。割れた音が聞こえる前に遡ってその事象を見届けると、そこに残されていたのは硝子の破片だった。
誰かの声が聞こえたような気がしただけの部屋で、針の音は一定の間隔でなり続けていた。だけどその音を聞き取る耳は少しずつ感覚を失い、声は発せられ消えた。
砂時計が振り出しに戻るたびに残されていた記憶が消えた。誰かだったものは正体不明となった。感覚を奪う針の音を遮断しようと試みても、誰かは笑い、誰かは悲しみ、誰かは苦しんだ。その誰かも記憶の前では無意味であった。そしてまた忘れていく。
誰かの声は発せられたが、その声を認識することは誰も出来ない。落ちていた砂は枯れてしまった。触れた砂時計を回すことは愚かだと気がついたが、その意志は否定された。
一つの疑問があったかのように頭に浮かんだ答えは真実に紐づけて、脳は聞いた声を繰り返し壊れてしまった。割れた音が聞こえる前に遡ってその事象を見届けると、痛みのかわりに消却を免れた気がしたが、それは嘘だったのかもしれない。
誰かの声が聞こえたような気がしただけの部屋で、針の音は一定の間隔でなり続けていた。だけどその音を聞き取る耳は感覚を失うことなく、誰かの声をはっきりとらえた。
砂時計が振り出しに戻るたびに残されていた記憶が消えた。誰かだったものは正体不明となった。感覚を奪う針の音を遮断しようと試みると、誰かは笑わなくなりかわりに怒っていた。無知な誰かに訴えるように怒鳴ったが、記憶の前では無意味であり、忘れていく。
誰かの声は発せられたが、その声を認識することは誰も出来ない。落ちていた砂は枯れてしまった。触れた砂時計を回すことは愚かだと気がついたが、その手は勝手に動いていた。
一つの疑問があったかのように頭に浮かんだ答えは真実だったが、壊れたはずの脳は再生していた。またその答えを消し去った。割れた音が聞こえる前に遡ってその事象を見届けたが、痛みは足のみではなくなっていた。
誰かの声が聞こえたような気がしただけの部屋で、針の音は一定の間隔でなり続けていた。だけどその音を聞き取る耳は少しずつ感覚を失いつつも、誰かのなき声が聞こえた。
砂時計が振り出しに戻るたびに残されていた記憶が消えた。誰かだったものは正体不明となった。感覚を奪う針の音を遮断しようと試みると、誰かは怒鳴りもしなくなった。無表情の誰かを不気味に思いつつ止めたが、その感情も記憶の前では無意味であり、忘れていく。
誰かの声は発せられたが、その声を認識することは誰も出来ない。落ちていた砂は枯れてしまった。触れた砂時計を回すことは愚かだと気がついたが、その手は誰かに押付けられた。
一つの疑問があったかのように頭に浮かんだ答えは真実を受け入れ、再生した脳は反応しなくなった。割れた音が聞こえる前に遡ってその事象を見届けて、痛みの原因を知った。それは死ぬ間際に恐怖した誰かの願いと――。
誰かの声が聞こえたような気がしただけの部屋で、針の音は一定の間隔でなり続けていた。だけど原因を知った時、針の音は聞こえなくなって折れて落ちていた。
砂時計が振り出しに戻るたびに残されていた記憶が消えた。誰かだったものは正体不明となった。感情を奪う針の音が止まって、誰かはいなくなってしまった。そのかわりに残されたのはさっきまで動いていた砂時計に似た何かだったが、それは壊れていた。
誰かの声は発せられたが、その声を認識することは誰も出来ない……はずだった。砂時計が壊れて溢れた砂が風に飛んでいった。残った硝子に触れた手は赤く染まっていた。
一つの疑問があったかのように頭に浮かんだ答えは見つかった。そしてもう割れた音が聞こえることもない。折れた針を手に取ったと思っていた認識は砂時計の硝子に変わっていた。赤く染まる手のひらが重なり揺らぎ、見えていたのは空だった。
誰かの声が聞こえたような気がしただけの部屋で、針の音は一定の間隔でなり続けていたが、それはもうない。そのかわりに聞こえた音は終わりの音だった。
砂時計が振り出しに戻るたびに残されていた記憶が消えていたのは過去の話。正体不明の誰かはもう繰り返すことはない。初期化した記憶は一つになって、健忘の心を満たしていた。
「―――――」
誰かの声は発せられたが、その声を認識することはもう出来ない。落ちていた砂は風に吹かれてもうない。触れた砂時計を回すことはもう出来ない。そして誰もいなくなった。
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