『壊れた人形と選別 ~夢でつなぐ終わりの世界~』に関する説明
公開 2023/09/03 12:02
最終更新 2023/09/03 12:33
今作は実際に見た夢を忘れないようにiPhoneのメモ帳に書き記し、それをもとにして書いています。2021年5月25日~6月13日の間に作られていますが、それに伴ってメモ帳版も存在し、それは同年5月15日に書き出されていました。

赤字に関して、「ボク、ヒト」は伏字で、その他の赤字は人格変化で使われています。主に少女に対して使われています。また題名の人形は「にんぎょう」と読み、本文は「ニンゲン」と読む。

『実際に見た夢』
今作の大本となる夢ですが、男が人ではないと理解し、赤い目の真実を知るまでが実際に見た夢で、それからは創作になります。そうです、ほとんどが夢なのです。物語のような夢を見ることは多々ありますが、どの夢も完結することはありません。また覚えているわけでもない。ただこれに関してはあまりにも鮮明に覚えていたため、小説として書きだしたいと思ったのでした。
なぜこのような夢を見たのか、理由は重なった記憶にあるでしょうか。詳しく語ろうとも思いましたが、少し怖いので簡単に。この夢には三つの要素がというか、おそらくそうじゃないかなって思っていることがあって、クトゥルフ神話TRPGと「NieR Replicant(リメイク前)」と「《選別》 ~ Refuge」かなと思います。すべて見ていた時期が違うのですが、夢の中で繋がってしまったのでしょう。

最後にメモ帳版を載せておきます。違いがあるかはちょっとわからないけど初期がこんなだった、と捉えてもらえればと思います。

『メモ帳版』
「壊れた人形と見えない者 ~夢で繋ぐ終わりの世界~」
 その世界は既に終わっていた。崩れ去る建物の形も忘れて、知っていた未来が訪れた。人々は恐れた事態をすんなり受け入れ、けれど少数は順応出来ずに死亡した。

 一つの事件
 誰もが予想した結末
 現実と幻想が混じる境界線
 赤く光る目は閉じて暗闇に
 目覚めて空に灰色の雲

 集合した複数の男女は廃墟の家に残された武器になりそうなものを持ちよって、使えそうな資材を固めていた。しかし彼らはそれぞれ疑心悪鬼だった。それは知らぬ間に目覚める殺人鬼の存在だった。

 神によって選ばれた人に与えられたと言われている赤い目の存在。人に隠れた殺人鬼と呼ばれ、それにやられた死体はなくなり、そのかわりに壊れた人形(ニンゲン)が暴れ出して人を殺す。


 その世界で生き続けた私は妹を守るために壊れた母を殺した。山から現れた人形を改造した草刈り鎌で切り裂いて、逃げていた先で隠れ家を見つけた。そこには人工的に作られたであろうものと一人の男が怯えていた。

 疑心悪鬼に陥った男女は信じられなくなり殺し合い、彼はその音に怯えながら隠れていた、と言った。壁に血のしみと奥に固まった腐敗物は、おそらく人だったものだろうと理解した。
 音がして外を見るとまた奴らがいた。妹を彼に託していつものように切り裂いて事なきを得た。

 私と妹、そして男は歩き続けて見つけた避難所は火葬場になっていた。生き残った者達はそれぞれ住処を与えられ干渉しないようにしていた。検査のためにいったん別れることになり、私は与えられたベッドで眠りについた。


 それは夢の中
 集まっていた人々に付き添う看護師や先生
 私の側には誰もいない
 椅子から立ち、歩き始める
 赤く染まった床とガラス張りの本棚
 本棚を覗き込むと本に紛れて写真があった
 けれどその顔は白や黒ののっぺらぼう
 は不思議そうにそれを見ていた

 ふとその場に曲が流れる
 私はその曲を知っていたから歌っていた
 けれど耳に届く歌詞は違うが、は歌っていた
 しかし少し経つと修正されて本来の歌詞に戻った
 誰もいないこの場所に私の声は響いていた
 夢の中の曖昧な感覚は現実に等しくなりつつあった。私は知らない人に出会い、暗闇に引きずられて気がつくと車の後部座席にいた。前では知らない人と誰かが喋っている。

 何かを忘れている
 何かを私は    守るために生きる
 その時、瞼は落ちて意識を失った。そして再び目覚めた時、は木の側に座っていた。

 車に残された化け物によって人は食われ、巨大なネズミは撃ち殺されたが、それが人間だった、と理解する目は誰も持ってはいない。


 検査を終えて男は気づく。彼女の姿がどこにも無いことに。妹を残して消えた少女。避難所の誰も知らない。いや、誰もが少女を記憶していなかった。覚えているのは男だけだった。

 男は一人、避難所を出て歩く。壊れた人形は彼を前にしても認識せずに通り過ぎた。崩れ去った建物の破片を踏み、軽い音が鳴り砂埃は風に舞う。

 あの日の悲鳴が聞こえる。疑心悪鬼の中に一刺しの刃と流れた血に反応した臆病者。本能に身を任せた行動は混乱を引き起こして最悪を呼ぶ。飛んだ返り血を浴びた男は気絶し、目覚めた時には全てが終わっていた。

 何もかも忘れていた。少女に合うまでの記憶が失われていた。けれど少女に殺される壊れた人形の声を聞くたびに、あの日の出来事が鮮明になってやっと気づく。

 あれはボクが殺した
 もうヒトではないのだとわかった


 世界を変えるため
 増えすぎた人間を選別するため
 無差別に決めて流した赤い涙
 雨に混ざった赤い雫が地面に当たり待ち続けた
 いらない者といる者が混ざる中、全てを取り込み選ばれた人間は赤い目となり、選ばれなかった残り滓(かす)は赤い目を守る壊れた人形となり、ただの道具になり果てる。

 男が赤い目になった時、誰も人形にならなかったのは、それに値する者がいない程に男以外のゴミが哀れであったため、赤い涙は全ての血と引き換えに男だった者を再構築した。だからかれもまた人間ではなくなっていた。

 しかし地面に当たらずとも直接赤い涙が浸透していたという場合も少なからず存在していたが、殆ど壊れた人形とかわらず、すぐに死亡していた。
 だが少女は例外だった。血に混じって浸透した雫は少しずつ少女の人格と記憶を奪い、夢と現実の境界線の果てに少女を殺し少女になりかわる。

 けれど赤い目は一度死んだことを覚えていない


 その世界は終わった。人間は生き残れはしなかった。壊れた人形は役目を終えて動かなくなり太陽の光で焼かれた。

 灰色の雲は風に流されて
 改正の空が見えた矢先に
 一部の赤い目の姿が爛(ただ)れて
 血の海と化して消えた

 選別に合格したとしても神はまだ多いと判断したのか殺した。そして数は減っていく。もがきながら懇願する姿はあまりにも滑稽に見えた。
 少女はその残酷な有様について何も思わない。今まで壊れた人形を殺していたのと変わらない。けれど何か忘れていることには気づいていた。でもそれは些細なことだと決めつけて諦めた。

 男は少女を見つけて今までのことを話そうとしたがすぐに何か違うと気づいた。少女であってそうでない者がいるとわかった。それは自分自身と同じ人間ではない何かになりつつあるのだと思った。
「大丈夫?」
 少女は男に言う。その声は彼女そのものだった。そして男は何かに考えを遮断されて、意味のないことだと理解した。

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