短編小説っぽい何か(233~250)/それに関する説明つき
公開 2023/08/27 15:00
最終更新
2023/08/27 15:06
▽短編小説233(2022/4/30)/少女と猫と不気味な影
それは止まっていた。小さな音が鳴り響いていた時の鐘は何も聞こえなかった。一台のピアノの上に眠る猫が起きた時にはもう終わっていた。少女の姿は何処にもなかった。
猫の足が鍵盤を踏み、重なった音が響いて着地した。冷たい光が猫を包み込み、また眠りに誘う。けれど猫はその場を離れて、遠く階段の方へ進んだ。少女の行方を追って、猫は歩き出した。
暖かな春の陽気に包まれたあの日々
疲れて眠りについた猫を撫でた少女
しかし長くは続かないと知っていた
音色が集まっていく……なら
「別れを告げなければならない」
少女が閉じた本に綴られた楽譜
「もうすぐ“彼女”が来る」
暗闇に落ちる本当の心の答え
「さよなら』
その目は涙を流し、少女の光は失われた
▽短編小説234(2022/05/08)/不明瞭な輝きの中に眠る者達
遠くから見ていた
誰かもわからないその姿
きっと知らない方がよかった
でも触れてしまったから繋がった
光に包まれたその星を遠くから眺めたその姿は、認識の阻害を受けて触れることを拒んだ。そのままの姿を示すようにその目は映らない。
形を失った者
溶けた風景の中で漂う姿
きっと見えない方がよかった
でも触れられてしまったから捕まった
何もなかったその世界を何処から見ていたその形は、不明な色を重ねて来ることを待っていた。しかしそのままの形を示すようにその色は隠れた。
その姿を見た形は待っていた
その形を見た姿は逃げ出した
光に残された最後の奇跡は
対立の手によって終わらない未来を描く
▽短編小説235(2022/05/14)/閉じた本と新たな旅
失われた世界、暗闇に眠る星空。舞う本はページを開いて新しく書き記す。けれどその筆の字は見えないまま、破かれて落ちて閉じた。
いろんな世界を書き記していた筆のインクが切れた時を覚えていなくて、乾いて固まった黒は何も書かれないまま、積み上がっていた。
閉じられた記録は何度目の木のように
成長した日々を繰り返す
離れ離れの悲しみを乗り越えずに
またあの世界を求め続けた
止まない雨、白い花に散る命。彼女の残した音は紙に書かれた楽譜。ピアノの音色が響く時、灰色の雲から降り落ちた紙は違う世界の記憶。
奏でた音色を諦めて置かれた筆は書きかけの音。拾い上げた重なりを落とし込んだ楽譜はかの者へ渡り、けれど何も知らない。
新しい旅の始まりは
すれ違いの世界の記録を置いて
残した彼女の音色と
少女の切なる願いに委ねられた
▽短編小説236(2022/05/21)/繰り返す歴史と邪悪な塵(ちり)
それは繋がれた未来、それは壊された未来。二つの世界は分岐を繰り返して分たれても、すぐに一本の道となって戻っていく。
そうやって創り上げた世界は何度かの破滅を受け入れて成長していく。誰かの思惑(おもわく)が入らない程に詰め込まれた歯車が狂うことなく動き続けた。
けれど破壊を求める者は長い年月の中に、無知は入り込み未来を壊した。築き上げた過去を蔑(ないがし)ろにして、他者の想いを踏み躙(にじ)って歩いていた。
そして気付かないうちに入り込んだ愚か者は、なりすましを繰り返して本性を現し、目論みを実行したが、すでに袋小路だった。
『何度繰り返したことか』
砂時計を抱えた少女は頭の中で思い
壊れた未来は隔離されて記録に残した
遠い未来へ 忘れなき様
創り上げた世界に蔓延る邪鬼
またおいでの際は覚悟して
『あなたの居場所はないから』
▽短編小説237(2022/05/28)/精霊の力と救われない世界
分たれた四つの力、巫女と呼ばれた精霊の力を宿した少女達はそれぞれの道を進み、けれどそこに希望はなく、絶望の死しかなかった。託された聖女はどうすることも出来ず、世界は灰になった。
神はその姿に笑い、何かを回収した。
救いの手は既になく
最初から世界は終わっていた
引き継ぐ四つの力、巫女と呼ばれる前の幼き少女達はそれぞれの思惑にのまれて、その姿は変わっていた。理想の形は誰かの投影に、最愛の心は選別の火に捨てられて、混乱の渦はそこにあった。
運命は定められて、信仰は妨げられることなく
広がった狂乱は誰も気付かない
本能のまま突き進み、逃避も許さないほどに
破滅の未来は少しずつ見えていた。
しかしそれは過去の少女達には知る術がない未来の話
計画の実行と意図せず流れ込んだ精霊の力
失われた力とその力を宿していた者は死に至り
箱庭の世界は狂い始めた。
▽短編小説238(2022/06/04)/天気の名を持つ幽霊と迷い少女
その魂は忘れられた者、認識を歪められた者
新しい世界へ渡る扉に遮られた者達
修正される前の未来と修正された後の過去
二つの世界を渡る者達は天気の名を得て目覚める
時を同じくして、虚ろな目をした少女
離れていく手と定まらない視線
彼らとの思い出は最初からない記憶
扉は少女を招き、他は排除した
一つの魂は何も覚えてないまま
静かな悲しみに触れた彼は雨の霊となった
一つの魂は何も聞こえないまま
孤独な寂しさに触れた彼は雪の霊となった
一つの魂は何も見えないまま
暗闇の不安に包まれた彼は雲の霊となった
一つの魂は何も知らないまま
侵食の怒りに囚われた彼は雷の霊となった
そして招かれた虚ろな目をした少女は
忘れられた世界の中に迷い込んでいく
▽短編小説239(2022/06/11)/止まった世界と水晶に映る迷い人
時に迷い人、忘れられた記憶。静かに降っている雨の中、死に晒された地。今にも沈みそうな土瀝青(どれきせい)、砂埃舞う崩れかけの建物、正気を奪われて枯れた自然。それらが残る地を空は何も語らずに、迷い人を濡らした。
その瞳は迷い人と変わらず、虚ろのまま、雨の霊は少女の先を行き、少女は追いかけた。しかし踏み外した道は転落して、変わり、少女を受け止めたのは、音を無くした柔らかな雪だった。
その姿を一瞬でも目にした雪の霊は、冷気纏(まと)う白い霧が強まる前に少女を追いかけた。しかし少女は聞こえた謎の音に恐怖して、重くなった体を無理やり動かして逃げた。
その音は進む足を止めて、遠くで響く音を拾い集めて振り返った。近づいてくるのを知り、雲の霊は声をかけようとして口を開いた。
「君は誰なの?」
しかし答えが返ってくることなく、風が吹いた。
時に迷い人、忘れられた世界。何もかも失われた想いは深く刻まれた一部となり、雷の霊は少女を認識しない。けれど全てを知った時、世界が少女を認識した時、交わらない世界は動き出す。
▽短編小説240(2022/06/17)/遠く離れた空と記憶 小雨と曇りの境界線
それは遠く離れた記憶、感情の下敷きになる前の生者の記録。残された欠片が砕け散り、全てが無になっても置き去りにされた最後の息は止まっていた。
氷の扉が現れて開かれる前の世界で彼らはそれぞれ生きていた。繋がりなど全くなく、あの出来事がなければ死しても知らなかった。しかし代わりより酷い結果は誰からも認識されなくなる地獄だった。
忘れられた世界、天候に左右されて現れる霊達はそれぞれ面識がなく、それが世界の理だった。
しかしある日の雨は雫の線が見えないほどに細かった。腐敗する道は変わらないまま、何かが折れる音がした。重さに耐えきれず、いつか倒れるそれに構わず歩いていると、いきなり雨粒が酷くなって、建物で雨宿りすることにした。
「誰?」
その声に雨の霊は驚き、辺りを見渡すと一点を見つめる彼に似た人物が座っていた。その目に光はなく、まるで目が見えていないような気がした。
「雨の霊。君は……雲の霊?」
雲の霊と言われた者は首を傾げて少し考えた後、ゆっくりと頷いてまた一点を見つめていた。
▽短編小説241(2022/6/25)/未来を忘れた空と記憶 白雪と雷光の境界線
それは未来を忘れた記憶、掠め取られた過去の記録。生前に見た最後の日、氷の扉に記された感情の音色。飛び去る蝶が通り過ぎる前にその命は刈り取られて、霊の姿は理を知らぬ透明な心。
忘れられた世界、感情と分たれた魂は変わらなかった空を歪めて、すれ違いをなくして止まることを許さない。天候に左右された彼らはその世界で絶たれた手を取り合うことも叶わない。
雪に埋もれて目を覚ました彼は遠くに見えた少女を追っていた。聞こえない世界の中、白い風景は少しずつ穢されて黒くなった。冷たい雪の結晶が止まって見上げた空は灰色と光が交差する轟音が鳴っていた。しかし境界線を越えても姿が消えることなく、不思議に思う頭は雷の光に驚いて考えごと消える。
「いなくなれ……この世界も……」
雷の光の後に落ちた音の間、彼の頭に横切った口の動きで聞こえない音を補った。それを感じて彼の足は雷の方へ進んでいた。
「来るな……来ないで……誰も」
殺したくないよ、とその声が聞こえなくても彼は補いつつ、変化する口調に感情の揺らぎを感じながら、危険だと分かっていても近づいていた。
次の雷が落ちた時、二人の手は触れていた。
▽短編小説242(2022/7/2)/『七つの書』と本来の世界
中和された「のろい」と「まじない」
忌み子と迷い子の安らかな眠りを妨げる者
二人の祝福により、再生の命は目覚める
影の霊と光の霊の約束を闇に染め上げる者
その目、解放の時 死して新たな主を喰らう
少女と悪魔の平穏な生活の願いを嫌う者
その願いは叶うことのない、生まれ変わりの心
少女と蛇の妖怪は何度も繰り返す渦の中
救済の想いが届くことなく、その命は闇に消える
姫と幼馴染の運命は生贄によって引き裂かれる
流れ着いた巫女の力 神の使いは再び暴走する
巫女と使いの契約は失われた世界に壊れて現れる
分岐したこの世に存在しない世界
“十字架”と“新たな未来”は扉を開く
これにて『七つの書』
十字架を封じる為に集められた七つの魂
しかしもう意味をなさない
封印は何者かに解かれて 世界は壊れてしまった
▽短編小説243(2022/7/9・10)/永遠(とわ)の機械少女、警告の赤と旅立ち
空から見下ろす影が一つ、繋がれた鎖の少女
行動を制御された彼女の手、剣の刃から流れる血
鏡に映る知らぬ世界、遠い未来の過去と現在
鏡の先に平和な空、快晴の暗闇と不安な雲行き
静かな気配は響く声に弾かれて目は赤く染まる。遠くを眺めたその目が獲物を捉えたのと同時に、その赤は瞬きの後に消えていた。
空から見下ろす影が一つ、繋がれた鎖の少女
その目は赤く鏡を見つめ、流れた血は止まる
「データは破損状態、記録が不十分……」
内部に不具合が起きて、警告は繰り返す
空から見下ろす影が一つ、解き放たれた少女
警告を断ち切り静かな旅立ち、変わらぬ目の色
『私はここにいる だから思い出したの』
生身と引き換えに手に入れた機械人形の体
長い年月、忘れていた平和と争いの記憶
『私はここにいる 今から使命を果たす』
握られた剣は血の雫を最後に振り下ろされた
▽短編小説244(2022/7/16)/ヴァイオリンの音色に誘われて牡丹一華(アネモネ)は咲く
軽やかに交わるピアノに合わせて
響くヴァイオリンの音色に惹かれて止まる足
その足が再び動き出すことを忘れて
引き込まれた魂はずっと聞いている
ヴァイオリンを弾く女性以外の姿は見えず
心地よいピアノと重なる副旋律のヴィオラ
リズムを刻むスネアドラムの音がかすかに聞こえ
奏でられた曲は繰り返し引き続ける
女性の頭についた赤い花の飾りが
萎むことなくきれいに咲いていた
しかしその事実に誰も気づかない
響いた音色は思考を鈍らせていた
それはヴァイオリンに隠された秘密
引き込まれた魂は少しずつ奪われる
存在ごと最後の音色とともに
白い花は赤く染まり咲き続けて
小さな演奏会は今日も開かれる
▽短編小説245(2022/7/24)/罪なき者と不安定と再会の火種
遠く離れた誰にも見えない場所。滴る血のみが斑(まだら)な地面に浮き出て染み込むことを忘れる。立ち尽くす人影がゆらゆらと揺れている。その頭はもうないのに体は揺れている。
『どうか眠りを もう二度と現れないで』
遠く離れた誰にも見えない場所。大雨降り続いて地面に雷の亀裂が入り始める。嵐に打たれる人影が近づいて触れる前に腕は切られる。噴き出す血に奪われた視界はいつの間にか地に落ちた。
『どうか眠りを あなたは何度繰り返すの?』
遠く離れた誰にも見えない場所。木々茂る森と広がる暗闇。迷い込んだ人影が光を辿って着く。小さな墓と大きな湖、そして……。壊れゆく記憶、一瞬の瞬きはすべてを暗転させる。
『どうか眠りを もうやめて 罪なき者』
それは存在を拒んだ空間
墓の持ち主は今も“誰か”を守り
人影は引き寄せられた罪なき者
『どうか眠りを 終わりはとうに枯れ果てた』
▽短編小説246(2022/7/29)/修正と分岐、壊れた未来に出口はなく
修正を免れた者、勇者の名を持つ少年よ消える
切り捨てられた世界、その名は必要なく壊れる
修正に置かれた者、終焉の端眠る少年の影
切り捨てられた世界、その名と姿は失われる
修正を重ねた者、妖精の名を持つ少女と悪心
切り捨てられた世界、その名は消滅の記憶
修正を忘れた者、感情の生贄と死の概念
切り捨てられた世界、その名は必要とした姿
修正に取り込まれた者、青き目は沈んだ紺色の闇
書き記した死を繰り返して、その名を変えた
修正に閉じた者、清き湖(みず)は見知らぬ地獄の道
今は亡き世界、その名は祈りとともに伏せられた
その世界は変わり続けて
交わる出来事は一方ももう一方も破壊した
分岐した世界は観測者によって記録されて
繋がる未来は“ひとり”に託されていた
▽短編小説247(2022/8/6)/あの日の語り手、繰り返す夏と再開の霊
あの日の光を消えゆく体とともに見届けていた。惨状で散った命が最後に見せた悲劇、忘却許されぬ黒い物体が地面に接触した恐怖の象徴、鮮やかな色を一瞬にして奪った死の光。
紅(あか)色の影に隠された緋(あか)色の真実。鍵をかけて話を拒んだ霊。
遠い空、交わされた約束は彼を消した
けれど聞き手の導きに目覚めた
あの日、空は曇っていた。けれど一筋の光は日食のように重なり、原子爆弾は落とされた。放たれた光を直視した者は痛みを感じる前に蒸発した。そして距離があったために死を彷徨い続ける血塗られた体がゆらゆらと動いていた。
水色の影に隠された湖(みず)色の真実。氷に穢される前に封じられた霊。
遠い空、交わされた約束は彼を消した
けれど聞き手の願いに応えた
それは切り取られた世界
聞き手の少女と座る緋(あか)い霊と現れた湖(みず)の霊
今宵語られるのは悲劇の記憶
▽短編小説248(2022/8/13)/残された鏡の記憶と不可解な“二つ”の音
それは最初から失われたもの
誰かの手によって切り離されたもの
彼らの記憶から抜き出されたもの
けれど僅かに残された願いは繋がる
幽霊通う図書館、紅い霊は一冊の本を開いた。この世界と違う彼らの物語を紡いだ本。修正されていると気づいた時から本当のことを知りたくて調べていた。曖昧な生前の記憶を紐解くように、紅い霊は思い出した。
しかし不可解な存在は紅い霊を捉えて消える
霧の森、奥に凍る湖。水の霊は一人、空を見上げていた。白い雲から現れた飛行機、見慣れたいつもの風景。それなのに暑さのせいか目が眩んだ。眩む星空の後に一瞬見える墜落する飛行機、そして辺り一面の炎と灰色の雲。生前にはない記憶に水の霊は困惑したが、いらないと切り捨てた。
しかし不可解な存在は水の霊を捉えて消える
※不可解な存在=緋い霊、湖の霊
▽短編小説249(2022/8/20)/祝福の色彩、そして続く未来へ
灰色の空が照らされたように、温かな日差しが暑さを蒸し返した。彼は手紙を読んでいた。差出人不明の手紙だが、彼には誰が書いたのかわかっていた。手紙とともに送られてきた桃色の袋には紅茶の茶葉が、青色の袋には写真が入っていた。写真にはこの前の宴会の様子が写っていた。
さっそく紅茶を飲もうとポットに水を入れていた時だった。扉の叩く音がして開くと友人が立っていた。珍しいこともあるのだと驚きつつ、部屋に案内した。友人はお土産と言って、バームクーヘンを持ってきた。それを切って二人は紅茶を飲みながら、机に散らばった写真を眺めていた。
心地よい風が吹いて白い雲が流れていた。葉の緑が太陽の光で枯れ落ちた。写真を見ていると宴会以外も含まれていた。そういえば現像(げんぞう)出来なかった写真があると言っていたのを思い出した。それは仲間が集まって撮った最後の写真。二度と撮れない彼らとの記録。そう思っていたが、それを見ているとなんだかまた会える気がした。
紫のユリ靡(なび)く、橙の鬼灯(ほおずき)の影
黄の夕菅(ユウスゲ)咲く、導く夜の半月
再び扉の叩く音が響いて、彼は笑っていた
▽短編小説250(2022/8/27)/進化と衰退を運ぶ毒、遺物に侵食された世界
飛来した遺物、広がる裏世界
止まることを知らない侵食が作り替えていく
能力蔓延る世界、人ならざる者
紛れ込んだ闇が光の中に隠れて時は進む
危険区域、罠を仕掛けた少年は爆弾を手に
裏路地、見張りの少年は地面に絵を描き
廃墟、見えない少年は迷子の敵の背後から
受話器、声を聞く少年は初任務の少女に告げる
晴れた空がこの世界を覗かなくなって
生い茂る山も透明な川もいつの間にか干からびた
心地よい風は毒になって、人間の数は減っていた
しかし遺物だけは彼らを救い出した
輩に囲まれた少女は忠告する
しかし言うこと聞かず、少女を連れ去る愚か者達
「本当に良いの?」
少女は告げて、見張りの少年に合図する
最後の線が引かれて結界が張られた
愚か者達の声が少なくなっていく
地面を覆う影が人間を喰らい尽くす
「みんな消えちゃったね」
少女の近くに四人の少年が集まっていた
それは止まっていた。小さな音が鳴り響いていた時の鐘は何も聞こえなかった。一台のピアノの上に眠る猫が起きた時にはもう終わっていた。少女の姿は何処にもなかった。
猫の足が鍵盤を踏み、重なった音が響いて着地した。冷たい光が猫を包み込み、また眠りに誘う。けれど猫はその場を離れて、遠く階段の方へ進んだ。少女の行方を追って、猫は歩き出した。
暖かな春の陽気に包まれたあの日々
疲れて眠りについた猫を撫でた少女
しかし長くは続かないと知っていた
音色が集まっていく……なら
「別れを告げなければならない」
少女が閉じた本に綴られた楽譜
「もうすぐ“彼女”が来る」
暗闇に落ちる本当の心の答え
「さよなら』
その目は涙を流し、少女の光は失われた
▽短編小説234(2022/05/08)/不明瞭な輝きの中に眠る者達
遠くから見ていた
誰かもわからないその姿
きっと知らない方がよかった
でも触れてしまったから繋がった
光に包まれたその星を遠くから眺めたその姿は、認識の阻害を受けて触れることを拒んだ。そのままの姿を示すようにその目は映らない。
形を失った者
溶けた風景の中で漂う姿
きっと見えない方がよかった
でも触れられてしまったから捕まった
何もなかったその世界を何処から見ていたその形は、不明な色を重ねて来ることを待っていた。しかしそのままの形を示すようにその色は隠れた。
その姿を見た形は待っていた
その形を見た姿は逃げ出した
光に残された最後の奇跡は
対立の手によって終わらない未来を描く
▽短編小説235(2022/05/14)/閉じた本と新たな旅
失われた世界、暗闇に眠る星空。舞う本はページを開いて新しく書き記す。けれどその筆の字は見えないまま、破かれて落ちて閉じた。
いろんな世界を書き記していた筆のインクが切れた時を覚えていなくて、乾いて固まった黒は何も書かれないまま、積み上がっていた。
閉じられた記録は何度目の木のように
成長した日々を繰り返す
離れ離れの悲しみを乗り越えずに
またあの世界を求め続けた
止まない雨、白い花に散る命。彼女の残した音は紙に書かれた楽譜。ピアノの音色が響く時、灰色の雲から降り落ちた紙は違う世界の記憶。
奏でた音色を諦めて置かれた筆は書きかけの音。拾い上げた重なりを落とし込んだ楽譜はかの者へ渡り、けれど何も知らない。
新しい旅の始まりは
すれ違いの世界の記録を置いて
残した彼女の音色と
少女の切なる願いに委ねられた
▽短編小説236(2022/05/21)/繰り返す歴史と邪悪な塵(ちり)
それは繋がれた未来、それは壊された未来。二つの世界は分岐を繰り返して分たれても、すぐに一本の道となって戻っていく。
そうやって創り上げた世界は何度かの破滅を受け入れて成長していく。誰かの思惑(おもわく)が入らない程に詰め込まれた歯車が狂うことなく動き続けた。
けれど破壊を求める者は長い年月の中に、無知は入り込み未来を壊した。築き上げた過去を蔑(ないがし)ろにして、他者の想いを踏み躙(にじ)って歩いていた。
そして気付かないうちに入り込んだ愚か者は、なりすましを繰り返して本性を現し、目論みを実行したが、すでに袋小路だった。
『何度繰り返したことか』
砂時計を抱えた少女は頭の中で思い
壊れた未来は隔離されて記録に残した
遠い未来へ 忘れなき様
創り上げた世界に蔓延る邪鬼
またおいでの際は覚悟して
『あなたの居場所はないから』
▽短編小説237(2022/05/28)/精霊の力と救われない世界
分たれた四つの力、巫女と呼ばれた精霊の力を宿した少女達はそれぞれの道を進み、けれどそこに希望はなく、絶望の死しかなかった。託された聖女はどうすることも出来ず、世界は灰になった。
神はその姿に笑い、何かを回収した。
救いの手は既になく
最初から世界は終わっていた
引き継ぐ四つの力、巫女と呼ばれる前の幼き少女達はそれぞれの思惑にのまれて、その姿は変わっていた。理想の形は誰かの投影に、最愛の心は選別の火に捨てられて、混乱の渦はそこにあった。
運命は定められて、信仰は妨げられることなく
広がった狂乱は誰も気付かない
本能のまま突き進み、逃避も許さないほどに
破滅の未来は少しずつ見えていた。
しかしそれは過去の少女達には知る術がない未来の話
計画の実行と意図せず流れ込んだ精霊の力
失われた力とその力を宿していた者は死に至り
箱庭の世界は狂い始めた。
▽短編小説238(2022/06/04)/天気の名を持つ幽霊と迷い少女
その魂は忘れられた者、認識を歪められた者
新しい世界へ渡る扉に遮られた者達
修正される前の未来と修正された後の過去
二つの世界を渡る者達は天気の名を得て目覚める
時を同じくして、虚ろな目をした少女
離れていく手と定まらない視線
彼らとの思い出は最初からない記憶
扉は少女を招き、他は排除した
一つの魂は何も覚えてないまま
静かな悲しみに触れた彼は雨の霊となった
一つの魂は何も聞こえないまま
孤独な寂しさに触れた彼は雪の霊となった
一つの魂は何も見えないまま
暗闇の不安に包まれた彼は雲の霊となった
一つの魂は何も知らないまま
侵食の怒りに囚われた彼は雷の霊となった
そして招かれた虚ろな目をした少女は
忘れられた世界の中に迷い込んでいく
▽短編小説239(2022/06/11)/止まった世界と水晶に映る迷い人
時に迷い人、忘れられた記憶。静かに降っている雨の中、死に晒された地。今にも沈みそうな土瀝青(どれきせい)、砂埃舞う崩れかけの建物、正気を奪われて枯れた自然。それらが残る地を空は何も語らずに、迷い人を濡らした。
その瞳は迷い人と変わらず、虚ろのまま、雨の霊は少女の先を行き、少女は追いかけた。しかし踏み外した道は転落して、変わり、少女を受け止めたのは、音を無くした柔らかな雪だった。
その姿を一瞬でも目にした雪の霊は、冷気纏(まと)う白い霧が強まる前に少女を追いかけた。しかし少女は聞こえた謎の音に恐怖して、重くなった体を無理やり動かして逃げた。
その音は進む足を止めて、遠くで響く音を拾い集めて振り返った。近づいてくるのを知り、雲の霊は声をかけようとして口を開いた。
「君は誰なの?」
しかし答えが返ってくることなく、風が吹いた。
時に迷い人、忘れられた世界。何もかも失われた想いは深く刻まれた一部となり、雷の霊は少女を認識しない。けれど全てを知った時、世界が少女を認識した時、交わらない世界は動き出す。
▽短編小説240(2022/06/17)/遠く離れた空と記憶 小雨と曇りの境界線
それは遠く離れた記憶、感情の下敷きになる前の生者の記録。残された欠片が砕け散り、全てが無になっても置き去りにされた最後の息は止まっていた。
氷の扉が現れて開かれる前の世界で彼らはそれぞれ生きていた。繋がりなど全くなく、あの出来事がなければ死しても知らなかった。しかし代わりより酷い結果は誰からも認識されなくなる地獄だった。
忘れられた世界、天候に左右されて現れる霊達はそれぞれ面識がなく、それが世界の理だった。
しかしある日の雨は雫の線が見えないほどに細かった。腐敗する道は変わらないまま、何かが折れる音がした。重さに耐えきれず、いつか倒れるそれに構わず歩いていると、いきなり雨粒が酷くなって、建物で雨宿りすることにした。
「誰?」
その声に雨の霊は驚き、辺りを見渡すと一点を見つめる彼に似た人物が座っていた。その目に光はなく、まるで目が見えていないような気がした。
「雨の霊。君は……雲の霊?」
雲の霊と言われた者は首を傾げて少し考えた後、ゆっくりと頷いてまた一点を見つめていた。
▽短編小説241(2022/6/25)/未来を忘れた空と記憶 白雪と雷光の境界線
それは未来を忘れた記憶、掠め取られた過去の記録。生前に見た最後の日、氷の扉に記された感情の音色。飛び去る蝶が通り過ぎる前にその命は刈り取られて、霊の姿は理を知らぬ透明な心。
忘れられた世界、感情と分たれた魂は変わらなかった空を歪めて、すれ違いをなくして止まることを許さない。天候に左右された彼らはその世界で絶たれた手を取り合うことも叶わない。
雪に埋もれて目を覚ました彼は遠くに見えた少女を追っていた。聞こえない世界の中、白い風景は少しずつ穢されて黒くなった。冷たい雪の結晶が止まって見上げた空は灰色と光が交差する轟音が鳴っていた。しかし境界線を越えても姿が消えることなく、不思議に思う頭は雷の光に驚いて考えごと消える。
「いなくなれ……この世界も……」
雷の光の後に落ちた音の間、彼の頭に横切った口の動きで聞こえない音を補った。それを感じて彼の足は雷の方へ進んでいた。
「来るな……来ないで……誰も」
殺したくないよ、とその声が聞こえなくても彼は補いつつ、変化する口調に感情の揺らぎを感じながら、危険だと分かっていても近づいていた。
次の雷が落ちた時、二人の手は触れていた。
▽短編小説242(2022/7/2)/『七つの書』と本来の世界
中和された「のろい」と「まじない」
忌み子と迷い子の安らかな眠りを妨げる者
二人の祝福により、再生の命は目覚める
影の霊と光の霊の約束を闇に染め上げる者
その目、解放の時 死して新たな主を喰らう
少女と悪魔の平穏な生活の願いを嫌う者
その願いは叶うことのない、生まれ変わりの心
少女と蛇の妖怪は何度も繰り返す渦の中
救済の想いが届くことなく、その命は闇に消える
姫と幼馴染の運命は生贄によって引き裂かれる
流れ着いた巫女の力 神の使いは再び暴走する
巫女と使いの契約は失われた世界に壊れて現れる
分岐したこの世に存在しない世界
“十字架”と“新たな未来”は扉を開く
これにて『七つの書』
十字架を封じる為に集められた七つの魂
しかしもう意味をなさない
封印は何者かに解かれて 世界は壊れてしまった
▽短編小説243(2022/7/9・10)/永遠(とわ)の機械少女、警告の赤と旅立ち
空から見下ろす影が一つ、繋がれた鎖の少女
行動を制御された彼女の手、剣の刃から流れる血
鏡に映る知らぬ世界、遠い未来の過去と現在
鏡の先に平和な空、快晴の暗闇と不安な雲行き
静かな気配は響く声に弾かれて目は赤く染まる。遠くを眺めたその目が獲物を捉えたのと同時に、その赤は瞬きの後に消えていた。
空から見下ろす影が一つ、繋がれた鎖の少女
その目は赤く鏡を見つめ、流れた血は止まる
「データは破損状態、記録が不十分……」
内部に不具合が起きて、警告は繰り返す
空から見下ろす影が一つ、解き放たれた少女
警告を断ち切り静かな旅立ち、変わらぬ目の色
『私はここにいる だから思い出したの』
生身と引き換えに手に入れた機械人形の体
長い年月、忘れていた平和と争いの記憶
『私はここにいる 今から使命を果たす』
握られた剣は血の雫を最後に振り下ろされた
▽短編小説244(2022/7/16)/ヴァイオリンの音色に誘われて牡丹一華(アネモネ)は咲く
軽やかに交わるピアノに合わせて
響くヴァイオリンの音色に惹かれて止まる足
その足が再び動き出すことを忘れて
引き込まれた魂はずっと聞いている
ヴァイオリンを弾く女性以外の姿は見えず
心地よいピアノと重なる副旋律のヴィオラ
リズムを刻むスネアドラムの音がかすかに聞こえ
奏でられた曲は繰り返し引き続ける
女性の頭についた赤い花の飾りが
萎むことなくきれいに咲いていた
しかしその事実に誰も気づかない
響いた音色は思考を鈍らせていた
それはヴァイオリンに隠された秘密
引き込まれた魂は少しずつ奪われる
存在ごと最後の音色とともに
白い花は赤く染まり咲き続けて
小さな演奏会は今日も開かれる
▽短編小説245(2022/7/24)/罪なき者と不安定と再会の火種
遠く離れた誰にも見えない場所。滴る血のみが斑(まだら)な地面に浮き出て染み込むことを忘れる。立ち尽くす人影がゆらゆらと揺れている。その頭はもうないのに体は揺れている。
『どうか眠りを もう二度と現れないで』
遠く離れた誰にも見えない場所。大雨降り続いて地面に雷の亀裂が入り始める。嵐に打たれる人影が近づいて触れる前に腕は切られる。噴き出す血に奪われた視界はいつの間にか地に落ちた。
『どうか眠りを あなたは何度繰り返すの?』
遠く離れた誰にも見えない場所。木々茂る森と広がる暗闇。迷い込んだ人影が光を辿って着く。小さな墓と大きな湖、そして……。壊れゆく記憶、一瞬の瞬きはすべてを暗転させる。
『どうか眠りを もうやめて 罪なき者』
それは存在を拒んだ空間
墓の持ち主は今も“誰か”を守り
人影は引き寄せられた罪なき者
『どうか眠りを 終わりはとうに枯れ果てた』
▽短編小説246(2022/7/29)/修正と分岐、壊れた未来に出口はなく
修正を免れた者、勇者の名を持つ少年よ消える
切り捨てられた世界、その名は必要なく壊れる
修正に置かれた者、終焉の端眠る少年の影
切り捨てられた世界、その名と姿は失われる
修正を重ねた者、妖精の名を持つ少女と悪心
切り捨てられた世界、その名は消滅の記憶
修正を忘れた者、感情の生贄と死の概念
切り捨てられた世界、その名は必要とした姿
修正に取り込まれた者、青き目は沈んだ紺色の闇
書き記した死を繰り返して、その名を変えた
修正に閉じた者、清き湖(みず)は見知らぬ地獄の道
今は亡き世界、その名は祈りとともに伏せられた
その世界は変わり続けて
交わる出来事は一方ももう一方も破壊した
分岐した世界は観測者によって記録されて
繋がる未来は“ひとり”に託されていた
▽短編小説247(2022/8/6)/あの日の語り手、繰り返す夏と再開の霊
あの日の光を消えゆく体とともに見届けていた。惨状で散った命が最後に見せた悲劇、忘却許されぬ黒い物体が地面に接触した恐怖の象徴、鮮やかな色を一瞬にして奪った死の光。
紅(あか)色の影に隠された緋(あか)色の真実。鍵をかけて話を拒んだ霊。
遠い空、交わされた約束は彼を消した
けれど聞き手の導きに目覚めた
あの日、空は曇っていた。けれど一筋の光は日食のように重なり、原子爆弾は落とされた。放たれた光を直視した者は痛みを感じる前に蒸発した。そして距離があったために死を彷徨い続ける血塗られた体がゆらゆらと動いていた。
水色の影に隠された湖(みず)色の真実。氷に穢される前に封じられた霊。
遠い空、交わされた約束は彼を消した
けれど聞き手の願いに応えた
それは切り取られた世界
聞き手の少女と座る緋(あか)い霊と現れた湖(みず)の霊
今宵語られるのは悲劇の記憶
▽短編小説248(2022/8/13)/残された鏡の記憶と不可解な“二つ”の音
それは最初から失われたもの
誰かの手によって切り離されたもの
彼らの記憶から抜き出されたもの
けれど僅かに残された願いは繋がる
幽霊通う図書館、紅い霊は一冊の本を開いた。この世界と違う彼らの物語を紡いだ本。修正されていると気づいた時から本当のことを知りたくて調べていた。曖昧な生前の記憶を紐解くように、紅い霊は思い出した。
しかし不可解な存在は紅い霊を捉えて消える
霧の森、奥に凍る湖。水の霊は一人、空を見上げていた。白い雲から現れた飛行機、見慣れたいつもの風景。それなのに暑さのせいか目が眩んだ。眩む星空の後に一瞬見える墜落する飛行機、そして辺り一面の炎と灰色の雲。生前にはない記憶に水の霊は困惑したが、いらないと切り捨てた。
しかし不可解な存在は水の霊を捉えて消える
※不可解な存在=緋い霊、湖の霊
▽短編小説249(2022/8/20)/祝福の色彩、そして続く未来へ
灰色の空が照らされたように、温かな日差しが暑さを蒸し返した。彼は手紙を読んでいた。差出人不明の手紙だが、彼には誰が書いたのかわかっていた。手紙とともに送られてきた桃色の袋には紅茶の茶葉が、青色の袋には写真が入っていた。写真にはこの前の宴会の様子が写っていた。
さっそく紅茶を飲もうとポットに水を入れていた時だった。扉の叩く音がして開くと友人が立っていた。珍しいこともあるのだと驚きつつ、部屋に案内した。友人はお土産と言って、バームクーヘンを持ってきた。それを切って二人は紅茶を飲みながら、机に散らばった写真を眺めていた。
心地よい風が吹いて白い雲が流れていた。葉の緑が太陽の光で枯れ落ちた。写真を見ていると宴会以外も含まれていた。そういえば現像(げんぞう)出来なかった写真があると言っていたのを思い出した。それは仲間が集まって撮った最後の写真。二度と撮れない彼らとの記録。そう思っていたが、それを見ているとなんだかまた会える気がした。
紫のユリ靡(なび)く、橙の鬼灯(ほおずき)の影
黄の夕菅(ユウスゲ)咲く、導く夜の半月
再び扉の叩く音が響いて、彼は笑っていた
▽短編小説250(2022/8/27)/進化と衰退を運ぶ毒、遺物に侵食された世界
飛来した遺物、広がる裏世界
止まることを知らない侵食が作り替えていく
能力蔓延る世界、人ならざる者
紛れ込んだ闇が光の中に隠れて時は進む
危険区域、罠を仕掛けた少年は爆弾を手に
裏路地、見張りの少年は地面に絵を描き
廃墟、見えない少年は迷子の敵の背後から
受話器、声を聞く少年は初任務の少女に告げる
晴れた空がこの世界を覗かなくなって
生い茂る山も透明な川もいつの間にか干からびた
心地よい風は毒になって、人間の数は減っていた
しかし遺物だけは彼らを救い出した
輩に囲まれた少女は忠告する
しかし言うこと聞かず、少女を連れ去る愚か者達
「本当に良いの?」
少女は告げて、見張りの少年に合図する
最後の線が引かれて結界が張られた
愚か者達の声が少なくなっていく
地面を覆う影が人間を喰らい尽くす
「みんな消えちゃったね」
少女の近くに四人の少年が集まっていた
桜詩凛の読みは「さくらしりん」で、由来は二つ。一つは元から使っていた桜子凛花が長いと思ったため、短くするために「桜」と「凛」を取り、その間に当時から書いていた「詩」をいれたもの。もう一つは『複雑な生き方をする少女』に登場する「さくら、黒蛇、シラ、理夏(りか)、ラナン」の頭文字を取ったものとなってい…
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