【宇治拾遺】白河院御寝のとき、ものにおそはれさせ給ふ事。
公開 2024/01/01 12:13
最終更新
2024/01/29 17:38
むかしむかしのことである。あるとき白河院がご就寝中に、物の怪に襲われたことがあった。
「魔を打ち払う強い武具を御枕元に置いてください。」という陰陽師の見立てにより、武勇で知られた源義家朝臣が召された。
「それならばこちらを」と義家朝臣は漆塗りの檀弓を一張献上し、それを枕元に立ててからは二度と物の怪に襲われることはなかった。これに感心された白河院は義家朝臣に、
「あの弓は、かの前九年の役の時に持っていた弓か。」
とお尋ねになったが、義家朝臣は
「さて…数え切れぬほど戦に用いましたから憶えておりませぬ。」
と答え、なるほど魔を寄せ付けぬ訳だと、院は尚のこと感心なさったのだそうである。
「魔を打ち払う強い武具を御枕元に置いてください。」という陰陽師の見立てにより、武勇で知られた源義家朝臣が召された。
「それならばこちらを」と義家朝臣は漆塗りの檀弓を一張献上し、それを枕元に立ててからは二度と物の怪に襲われることはなかった。これに感心された白河院は義家朝臣に、
「あの弓は、かの前九年の役の時に持っていた弓か。」
とお尋ねになったが、義家朝臣は
「さて…数え切れぬほど戦に用いましたから憶えておりませぬ。」
と答え、なるほど魔を寄せ付けぬ訳だと、院は尚のこと感心なさったのだそうである。
