【平家公達草紙】花影の鞠
公開 2024/11/27 21:39
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治承二年の三月ごろだったでしょうか。少将であった私…隆房は内裏を辞した夕方、内大臣の小松殿…重盛殿の御屋敷へ伺いました。
お屋敷に通されますと、庭の桜の木陰に小松家の若君たちが佇んでいるのが見えました。薄桃色の花影に色とりどりの直衣姿を艶やかに着こぼして、どうやら若君たちは蹴鞠に興じていたようです。父である重盛殿は烏帽子に直衣という気楽な日常着姿で高欄に寄りかかり、若君たちの鞠遊びを面白そうに眺めていらっしゃいました。夕映えの庭、桜の花影、鞠遊びに興じる若君たち、楽しげに見守る重盛殿…何もかも欠けることのない美しさに胸が迫るようでした。
思わず惹き寄せられるように私も同じ花影に加わりますと、重盛殿も「隆房殿、ちょうど良いところへ」と仰せになって。梢も見えなくなるほど、すっかり日が暮れるまで鞠遊びに興じたのでした。
お屋敷に通されますと、庭の桜の木陰に小松家の若君たちが佇んでいるのが見えました。薄桃色の花影に色とりどりの直衣姿を艶やかに着こぼして、どうやら若君たちは蹴鞠に興じていたようです。父である重盛殿は烏帽子に直衣という気楽な日常着姿で高欄に寄りかかり、若君たちの鞠遊びを面白そうに眺めていらっしゃいました。夕映えの庭、桜の花影、鞠遊びに興じる若君たち、楽しげに見守る重盛殿…何もかも欠けることのない美しさに胸が迫るようでした。
思わず惹き寄せられるように私も同じ花影に加わりますと、重盛殿も「隆房殿、ちょうど良いところへ」と仰せになって。梢も見えなくなるほど、すっかり日が暮れるまで鞠遊びに興じたのでした。
