【宇治拾遺】宇治殿倒れさせ給ひて、実相房僧正験者に召さるる事。
公開 2024/01/01 12:08
最終更新
2024/01/29 17:40
これもまた昔々の話である。高陽院…かつて賀陽親王の御屋敷だった場所に宇治殿…藤原頼通殿が御屋敷を作っている頃のことである。
進捗を見ようと騎馬にて高陽院へ向かっている途中、急に具合が悪くなり落馬されてそのまま意識がなくなってしまった。
邸宅に頼通殿を運び込み、心誉僧正の元へ回復の祈祷をさせようと遣いを出し、邸宅は上から下までてんやわんやの騒ぎであったが…そんな騒ぎの最中。
「……っ…、」
女房の局に仕える小女の様子が突然おかしくなった。目を見開いて棒立ちになったと思えば嗄れた男の声で、
「なに、ご心配には及びません。頼通様は些か良くないモノに魅入られただけでございます。僧正めに先だって参りました護法童子が追い払いましたので、件の魔は逃げていきました。」
そう言うと、小女は前後不覚になってその場にへたり込んでしまった。小女の言う通り、頼通殿はすぐに意識を取り戻したという。心誉僧正は大変優れた法力を持っていたようである。
進捗を見ようと騎馬にて高陽院へ向かっている途中、急に具合が悪くなり落馬されてそのまま意識がなくなってしまった。
邸宅に頼通殿を運び込み、心誉僧正の元へ回復の祈祷をさせようと遣いを出し、邸宅は上から下までてんやわんやの騒ぎであったが…そんな騒ぎの最中。
「……っ…、」
女房の局に仕える小女の様子が突然おかしくなった。目を見開いて棒立ちになったと思えば嗄れた男の声で、
「なに、ご心配には及びません。頼通様は些か良くないモノに魅入られただけでございます。僧正めに先だって参りました護法童子が追い払いましたので、件の魔は逃げていきました。」
そう言うと、小女は前後不覚になってその場にへたり込んでしまった。小女の言う通り、頼通殿はすぐに意識を取り戻したという。心誉僧正は大変優れた法力を持っていたようである。
