【古今著聞集】伊勢国別保の浦人、人魚を獲て、前刑部少輔忠盛に献上の事。
公開 2023/11/29 00:08
最終更新
2024/05/24 17:41
※まいたけがいい加減に訳して脳内補完をいれたものです。
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前の刑部の少輔忠盛朝臣が伊勢国別保というところへ下向したときのこと。
浦に住む者たちは毎日海に網を入れて漁をしているのだが、ある日奇妙な魚が網にかかった。体は普通の魚の形をしているのに、頭は人間のようであり、細かいギザギザした歯は魚に違いなく、口は前に突き出して猿のようである。網を引き上げると、そんな奇妙な魚が三匹もかかっていたという。その魚の大きさたるや、浦人二人がかりで背負って運んでもまだ尾が浜の砂に埋もれるような大きさである。また野次馬がひと目見ようと近寄ると、大きな鳴き声を発して喚くがそれもまるで人の声のようで。ぽろぽろと涙を流す様も人間とまったく変わらない様子である。
「こりゃあ珍しい、妙なモンが上がったなぁ…どうだい、せっかくだから忠盛様に献上しようじゃないか。」
誰ともなしに言い出して、一匹を浦人の取り分にし、残り二匹を忠盛殿の元へ献上した。しかし忠盛殿は薄気味悪く思われたのだろうか、直ぐに浦人へ魚を返してしまわれた。結局奇妙な魚は三匹とも全て浦人が切って食べてしまったという。しかし食べても特に変わったこともなく、むしろ味はとても良かったという。『人魚』というものは、このような物なのであろうか。
※前刑部少輔忠盛…平忠盛。清盛の父
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前の刑部の少輔忠盛朝臣が伊勢国別保というところへ下向したときのこと。
浦に住む者たちは毎日海に網を入れて漁をしているのだが、ある日奇妙な魚が網にかかった。体は普通の魚の形をしているのに、頭は人間のようであり、細かいギザギザした歯は魚に違いなく、口は前に突き出して猿のようである。網を引き上げると、そんな奇妙な魚が三匹もかかっていたという。その魚の大きさたるや、浦人二人がかりで背負って運んでもまだ尾が浜の砂に埋もれるような大きさである。また野次馬がひと目見ようと近寄ると、大きな鳴き声を発して喚くがそれもまるで人の声のようで。ぽろぽろと涙を流す様も人間とまったく変わらない様子である。
「こりゃあ珍しい、妙なモンが上がったなぁ…どうだい、せっかくだから忠盛様に献上しようじゃないか。」
誰ともなしに言い出して、一匹を浦人の取り分にし、残り二匹を忠盛殿の元へ献上した。しかし忠盛殿は薄気味悪く思われたのだろうか、直ぐに浦人へ魚を返してしまわれた。結局奇妙な魚は三匹とも全て浦人が切って食べてしまったという。しかし食べても特に変わったこともなく、むしろ味はとても良かったという。『人魚』というものは、このような物なのであろうか。
※前刑部少輔忠盛…平忠盛。清盛の父
