【古今著聞集】近江国勝覚阿闍梨が父の飼ひ牛、阿弥陀経を呻く事。
公開 2023/11/28 21:43
最終更新
2024/05/24 17:42
※まいたけがいい加減に訳して脳内補完をいれたものです。
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近江の国高島郡は平等院領河上の庄というところに、武蔵阿闍梨勝覚という僧がいた。件の勝覚の父は牛を飼っていたが、この牛が夜ごとに必ず呻くのだという。
その呻き声は普通の鳴き声ではなく、なんだか人の言葉を喋っているようで。訝しんだ父親がじっと聞き耳を立ててみると、どうもそれは「阿弥陀経」のように聞こえるのである。いやいや…さすがに聞き間違いか、と他の人にもこの呻き声を聞かせてみたが、やっぱり誰の耳にも「阿弥陀経」に聞こえる。試しに呻き声に合わせて「阿弥陀経」を読み上げてみたところ、「如是我聞…」という最初から「…仏説阿弥陀経」という最後まで一語一句違わず読み終えたのでもはや疑いようもなかった。
この飼い牛は、毎晩必ず一度はこのように呻くのだという。前世では「阿弥陀経」を読誦していた行者が、今生では畜生道に落ちたということなのだろう。いったいどれほどの非道を働いたのか…哀れなことである。
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近江の国高島郡は平等院領河上の庄というところに、武蔵阿闍梨勝覚という僧がいた。件の勝覚の父は牛を飼っていたが、この牛が夜ごとに必ず呻くのだという。
その呻き声は普通の鳴き声ではなく、なんだか人の言葉を喋っているようで。訝しんだ父親がじっと聞き耳を立ててみると、どうもそれは「阿弥陀経」のように聞こえるのである。いやいや…さすがに聞き間違いか、と他の人にもこの呻き声を聞かせてみたが、やっぱり誰の耳にも「阿弥陀経」に聞こえる。試しに呻き声に合わせて「阿弥陀経」を読み上げてみたところ、「如是我聞…」という最初から「…仏説阿弥陀経」という最後まで一語一句違わず読み終えたのでもはや疑いようもなかった。
この飼い牛は、毎晩必ず一度はこのように呻くのだという。前世では「阿弥陀経」を読誦していた行者が、今生では畜生道に落ちたということなのだろう。いったいどれほどの非道を働いたのか…哀れなことである。
