【古今著聞集】庄田頼度八条殿の変化を捕縛する事。
公開 2023/11/25 20:13
最終更新
2024/05/24 17:46
※まいたけがいい加減に訳して脳内補完をいれたものです。
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後鳥羽院の治世のこと。八条大路の北に、大伯母にあたる八条女院がお住いになっていた。ところが八条殿と呼ばれるその御所には当時化け物が出たという。これをお聞きになった後鳥羽院は、女院の御所に仕える庄田若狭の前司・頼度という者…本来であれば昇殿を許される身分ではないのだが…を特別にお召になり、「件の化け物の正体を暴いてまいれ」とお命じになり八条殿へ遣わされた。
さっそく八条殿へ参上した頼度は、屋根裏に上がり破風の狐戸あたりに身を潜めると化け物が現れるのを待った。何事もなくその晩も更け、二夜、三夜…六夜まで待ったが何も起こらない。御所様ほか女房たちの身にもその間は何も変わったことはなかった。ところが七夜目のことである。その夜も何事もなく更けてゆき、待ちくたびれた頼度がついこっくりこっくりと船を漕いでいると…ばらばらっ!と頭の上からかわらけの欠片のようなものを投げつけられた。
「…っ…出たか!」
頼度が腰を上げかけたところへ、また先ほどのようにばらばらとかわらけの欠片を振りかけられる。しかしここかと思うあたりに目を凝らしても、何の影も見当たらない。
「……。」
しばらくじっと息を潜めて伺っていると、頼度の上を黒い何かがさっと横切った。あっ!と咄嗟にその影に向かって伸ばした手がむんずと何かを捕える。狐戸から差し込む明かりで見てみれば、押さえつけたそれは毛がまったく生えていない年を経たタヌキのようなモノであった。奇妙な見た目に一瞬呆気にとられた頼度だが、とにかく指貫袴の括り紐を引き抜いて化け物の手足をきつく縛り上げた。夜明けを待って生け捕りにした化け物を院の御所へ連れていくと、頼度の働きに大いに感心した後鳥羽院は、御太刀を一腰、宿直衣を一領下賜されたという。その後は女院の御所に化け物が現れることはなかったそうである。
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後鳥羽院の治世のこと。八条大路の北に、大伯母にあたる八条女院がお住いになっていた。ところが八条殿と呼ばれるその御所には当時化け物が出たという。これをお聞きになった後鳥羽院は、女院の御所に仕える庄田若狭の前司・頼度という者…本来であれば昇殿を許される身分ではないのだが…を特別にお召になり、「件の化け物の正体を暴いてまいれ」とお命じになり八条殿へ遣わされた。
さっそく八条殿へ参上した頼度は、屋根裏に上がり破風の狐戸あたりに身を潜めると化け物が現れるのを待った。何事もなくその晩も更け、二夜、三夜…六夜まで待ったが何も起こらない。御所様ほか女房たちの身にもその間は何も変わったことはなかった。ところが七夜目のことである。その夜も何事もなく更けてゆき、待ちくたびれた頼度がついこっくりこっくりと船を漕いでいると…ばらばらっ!と頭の上からかわらけの欠片のようなものを投げつけられた。
「…っ…出たか!」
頼度が腰を上げかけたところへ、また先ほどのようにばらばらとかわらけの欠片を振りかけられる。しかしここかと思うあたりに目を凝らしても、何の影も見当たらない。
「……。」
しばらくじっと息を潜めて伺っていると、頼度の上を黒い何かがさっと横切った。あっ!と咄嗟にその影に向かって伸ばした手がむんずと何かを捕える。狐戸から差し込む明かりで見てみれば、押さえつけたそれは毛がまったく生えていない年を経たタヌキのようなモノであった。奇妙な見た目に一瞬呆気にとられた頼度だが、とにかく指貫袴の括り紐を引き抜いて化け物の手足をきつく縛り上げた。夜明けを待って生け捕りにした化け物を院の御所へ連れていくと、頼度の働きに大いに感心した後鳥羽院は、御太刀を一腰、宿直衣を一領下賜されたという。その後は女院の御所に化け物が現れることはなかったそうである。
