【古今著聞集】延長八年七月、下野長用殷富門武徳殿の間にて鬼神と出会ふ事。
公開 2023/11/23 17:56
最終更新
2024/05/24 17:53
※まいたけがいい加減に訳して脳内補完をいれたものです。
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同じく延長八年七月五日の夜のこと。右近衛府に属する下野長用は、殷富門より詰所がある内裏の方へ向かって歩いていた。すると武徳殿のあたりで、先を歩く不審な者に気づいた。黒い着物を着て太刀を佩き、供もつけずに歩く男は何故か小脇に人を抱えている。長用はその男を追い、宣秋門のあたりで「もし、失礼ですが…」と声をかけた。
「………。」
振り向いた男は、束帯を着て手には白い笏を持つ正装姿であった。と、そこへ宣秋門にある右衛門府の詰所からまた何者かが松明を灯してこちらへ近づいてくる。今度はいったい何者だ…と長用が目を凝らしていると、それは供を連れた三位の公卿とおぼしき人であった。公卿は束帯姿の男に「お待ちしておりましたよ。」と恭しく声をかけ、束帯の男が小脇に人間を抱えているというのに動じる様子もなく、あまつさえ和やかに話までしている。異様な状況に一瞬呆気にとられていた長用であったが、供の者の摺り衣に目をやるとゾッと背筋に冷たい物が走った。赤黒い模様は摺り衣などではなく…。
(…!!…ッこれは鬼神の類に違いない…!)
長用は殷富門まで一気に駆け戻り、息を切らせて振り返ると、
「…なんだあれは…。」
先ほどまでいた辺りに、松明なのか炎が百ほども煌々と燃えていたという。その火はしばらく燃えていたが、呆然と眺めるうちに消えてしまったという。
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同じく延長八年七月五日の夜のこと。右近衛府に属する下野長用は、殷富門より詰所がある内裏の方へ向かって歩いていた。すると武徳殿のあたりで、先を歩く不審な者に気づいた。黒い着物を着て太刀を佩き、供もつけずに歩く男は何故か小脇に人を抱えている。長用はその男を追い、宣秋門のあたりで「もし、失礼ですが…」と声をかけた。
「………。」
振り向いた男は、束帯を着て手には白い笏を持つ正装姿であった。と、そこへ宣秋門にある右衛門府の詰所からまた何者かが松明を灯してこちらへ近づいてくる。今度はいったい何者だ…と長用が目を凝らしていると、それは供を連れた三位の公卿とおぼしき人であった。公卿は束帯姿の男に「お待ちしておりましたよ。」と恭しく声をかけ、束帯の男が小脇に人間を抱えているというのに動じる様子もなく、あまつさえ和やかに話までしている。異様な状況に一瞬呆気にとられていた長用であったが、供の者の摺り衣に目をやるとゾッと背筋に冷たい物が走った。赤黒い模様は摺り衣などではなく…。
(…!!…ッこれは鬼神の類に違いない…!)
長用は殷富門まで一気に駆け戻り、息を切らせて振り返ると、
「…なんだあれは…。」
先ほどまでいた辺りに、松明なのか炎が百ほども煌々と燃えていたという。その火はしばらく燃えていたが、呆然と眺めるうちに消えてしまったという。
