【古今著聞集】慶澄注記の伯母、好色によりて死後黄水となる事。
公開 2023/11/18 01:08
最終更新 2024/05/24 18:45
※まいたけの脳内補完、脚色を加えた訳ですのでご了承ください。

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延暦寺に慶澄注記という僧がいた。この慶澄の伯母にあたる人は身持ちが悪く、男との噂が絶えない人であった。長年の連れ添った夫はまるで相手にせず、一方で他所の男には何かにつけて思わせ振りな態度を取るので、引っかかる輩も多かったようである。
その伯母は後年病を得て、いよいよ臨終と言う時になっても全く浅ましい有様であった。床に詰めた人々が「さぁ、極楽往生できるように念仏を…」と勧めても、伯母は彼らに目もくれず、枕元に掛けた着物を取ろうとしてか必死に手をばたつかせ…そのまま息絶えてしまった。遺体は法性寺の辺りに埋められたという。
その後、二十年余りを経た建長五年の頃。伯母を改葬しようと墓を掘り返したが、掘っても掘っても棺の蓋にさえ出てこない。まだ掘り足りないかと更に深く土を掘ると、「あっ」と思わず声を上げた。鋤の先から黄色い水が、まるで油のようにきらめきながらみるみる湧き出して来たのである。何が何だか分からないが、ともかくどんどん湧いてくるので汲み上げては捨て、汲み上げては捨て…しかし幾ら汲んでも黄色い水は止まらない。五尺ほども掘り進んでも髪の一本出てこなかったが、それでもようやく油の水も尽きる頃、棺とおぼしきものに鋤が当たった。しかしこれを掘り出そうとするがびくとも動かない。仕方なく手を入れてまさぐると、割れた頭の骨が1寸ばかり残っているばかりであった。
淫奔は罪深いことであるから、こうして死してのちまで報いを受けることになるのである。その女の母親の墓も同じ時に改葬のために掘り返したが、伯母よりもずっと前に亡くなったにも関わらず、遺体は埋葬したときと全く変わらず生前のままであったという。
古典と怪談が好きな茸です。タイッツーに生息。
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