【古今著聞集】小式部内侍、歌に依りて病癒ゆる事。
公開 2023/11/18 01:02
最終更新
2024/05/24 18:45
※まいたけの脳内補完、脚色を加えた訳ですのでご了承ください。
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和泉式部の娘・小式部の内侍は、手の施しようのない重い病を患い床に伏していた。いよいよ危篤に陥り、若い命も今日か明日か。誰が誰ともわからず朦朧と横たわる娘の傍らに式部は寄り添い、熱い額に手を置いてさめざめと泣いていた。するとうっすらと目を開けた小式部内侍は、母の顔をまじまじと見つめて苦しそうな息の合間に、
『…どこにも行ったりしないわ…お母様を置いて先になんて行けないもの…』
と弱りきった声で呟く。今際の際にも関わらず母を気遣う健気さに、思わず娘の名前を呼びかけた…その時。
「おやまぁ、かわいそう」
天井裏から欠伸を噛み殺したような奇妙な声が聞こえた。
するとどうだろう。不思議なことに娘の熱はみるみる落ち着き、あれほど重かった病もすっかり癒えてしまったのだという。
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和泉式部の娘・小式部の内侍は、手の施しようのない重い病を患い床に伏していた。いよいよ危篤に陥り、若い命も今日か明日か。誰が誰ともわからず朦朧と横たわる娘の傍らに式部は寄り添い、熱い額に手を置いてさめざめと泣いていた。するとうっすらと目を開けた小式部内侍は、母の顔をまじまじと見つめて苦しそうな息の合間に、
『…どこにも行ったりしないわ…お母様を置いて先になんて行けないもの…』
と弱りきった声で呟く。今際の際にも関わらず母を気遣う健気さに、思わず娘の名前を呼びかけた…その時。
「おやまぁ、かわいそう」
天井裏から欠伸を噛み殺したような奇妙な声が聞こえた。
するとどうだろう。不思議なことに娘の熱はみるみる落ち着き、あれほど重かった病もすっかり癒えてしまったのだという。
