芹河の行幸
公開 2023/08/28 22:32
最終更新
2023/08/28 22:32
芹河の行幸
むかしむかし、あるところに行幸に召し出された男がいたそうな。
仁和の帝…光孝帝が芹河に大鷹狩の行幸をされた折のこと。今はとてもそんな役目を仰せつかる立場ではないが、元々心得があるからと。さる男が大鷹を扱う鷹飼の役を仰せつかり、行幸の列に供していた。大役を仰せつかった男は謙遜して、鶴の模様が入った摺狩衣の袂に
「こんな年寄りが狩の供にと、どうかお咎めくださるな。『今日ばかりでございますから』とこの狩衣の鶴も言っております。」
とこう書き付けた。ところがそれをご覧になった帝のご機嫌は……。光孝帝はもうすぐ六十に手が届くお歳であったから、『こんな年寄りが…』という文句をご自身のことを言っているのだとお考えになって、むっつりとへそを曲げられてしまったのだそうな。
むかしむかし、あるところに行幸に召し出された男がいたそうな。
仁和の帝…光孝帝が芹河に大鷹狩の行幸をされた折のこと。今はとてもそんな役目を仰せつかる立場ではないが、元々心得があるからと。さる男が大鷹を扱う鷹飼の役を仰せつかり、行幸の列に供していた。大役を仰せつかった男は謙遜して、鶴の模様が入った摺狩衣の袂に
「こんな年寄りが狩の供にと、どうかお咎めくださるな。『今日ばかりでございますから』とこの狩衣の鶴も言っております。」
とこう書き付けた。ところがそれをご覧になった帝のご機嫌は……。光孝帝はもうすぐ六十に手が届くお歳であったから、『こんな年寄りが…』という文句をご自身のことを言っているのだとお考えになって、むっつりとへそを曲げられてしまったのだそうな。
