大淀の渡り
公開 2023/08/28 18:03
最終更新
2023/08/28 18:03
大淀の渡り
むかしむかし、あるところに勅使の任を終えて都へ帰る男がいたそうな。
狩りの任を果たした帰り、一行は尾張と伊勢の国境、伊勢国は大淀の渡りに宿所を取った。宿所には斎宮寮の使いが慰労の文や贈り物を携えて来ていたが、その一団に例の…斎宮の道案内をした童女もいた。
格式ばった挨拶を終えると、さっそく酒宴の準備が始まる。ごたごたと下人たちが忙しく立ち働くなか、童はこっそり男へ文を届けた。文を開くや男は童を引き止めて
「なぁ、君。斎宮殿にもう一度お会いしたいんだ…なんとか取り持ってくれないかな?頼むよ…」
と言い募り童を困らせるのだった。
むかしむかし、あるところに勅使の任を終えて都へ帰る男がいたそうな。
狩りの任を果たした帰り、一行は尾張と伊勢の国境、伊勢国は大淀の渡りに宿所を取った。宿所には斎宮寮の使いが慰労の文や贈り物を携えて来ていたが、その一団に例の…斎宮の道案内をした童女もいた。
格式ばった挨拶を終えると、さっそく酒宴の準備が始まる。ごたごたと下人たちが忙しく立ち働くなか、童はこっそり男へ文を届けた。文を開くや男は童を引き止めて
「なぁ、君。斎宮殿にもう一度お会いしたいんだ…なんとか取り持ってくれないかな?頼むよ…」
と言い募り童を困らせるのだった。
