神のいがき
公開 2023/08/28 17:57
最終更新
2023/08/28 18:02
神のいがき
むかしむかし、あるところに内裏の使いで斎宮の御所を訪れた男がいたそうな。
斎宮の御所には、神に仕える身でありながら思わせぶりな歌のやり取りを好む女官がいた。狩の使いの一行を遠目に見て、さっそく悪い癖が顔を出したのだろう。飽くまでプライベートで、名前を伏せて勅使の男に歌を贈った。
「神様の戒めも忘れて斎垣を飛び出してしまいそうですわ…どうしても貴方のお会いしたくて」
受け取った男は、ははぁ…これは…。と朝な夕なにかいがいしく世話を焼くあの方を思い浮かべて、
「恋しく思ってくださるなら、堂々と来てくださればいい。神様はなにも恋路まで斎垣で戒めてはおられませんでしょう。」
と歌を返し、あれこれ思案を巡らせたのだそうな。
むかしむかし、あるところに内裏の使いで斎宮の御所を訪れた男がいたそうな。
斎宮の御所には、神に仕える身でありながら思わせぶりな歌のやり取りを好む女官がいた。狩の使いの一行を遠目に見て、さっそく悪い癖が顔を出したのだろう。飽くまでプライベートで、名前を伏せて勅使の男に歌を贈った。
「神様の戒めも忘れて斎垣を飛び出してしまいそうですわ…どうしても貴方のお会いしたくて」
受け取った男は、ははぁ…これは…。と朝な夕なにかいがいしく世話を焼くあの方を思い浮かべて、
「恋しく思ってくださるなら、堂々と来てくださればいい。神様はなにも恋路まで斎垣で戒めてはおられませんでしょう。」
と歌を返し、あれこれ思案を巡らせたのだそうな。
