いとどしく
公開 2023/08/27 18:18
最終更新
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いとどしく
むかしむかし、あるところに何事かやらかした男がいたそうな。
色々あって京に居づらくなった男は、東国を目指して旅に出た。伊勢国と尾張国の国境いあたり、海沿いの道を歩いているときのこと。海に目をやれば、風に吹き寄せられてか、海が白く波立っていた。波は男の進む道と反対へ、西へ西へと向かって進んでいく。
「あの波が羨ましい…なんのわだかまりもなく恋しい京へと帰っていけるんだから。」
男は離れるほど募る、帰るに帰れぬ故郷への思いをこのように詠んだのだった。
むかしむかし、あるところに何事かやらかした男がいたそうな。
色々あって京に居づらくなった男は、東国を目指して旅に出た。伊勢国と尾張国の国境いあたり、海沿いの道を歩いているときのこと。海に目をやれば、風に吹き寄せられてか、海が白く波立っていた。波は男の進む道と反対へ、西へ西へと向かって進んでいく。
「あの波が羨ましい…なんのわだかまりもなく恋しい京へと帰っていけるんだから。」
男は離れるほど募る、帰るに帰れぬ故郷への思いをこのように詠んだのだった。
