短編小説っぽい何か(381~390)/それに関する説明つき
公開 2025/05/25 13:49
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▽短編小説381(2025/3/1)/引き裂かれた少女は失われた記憶に眠る
光に包まれた静かなる時よ
影より舞い降りて繋ぐ灯火
神聖なる魂は清めりし解き放たんと
交わりの空間は開かれた
遠き星の下 雨降る矢の如く
穢れ地は花咲きて浄化とす
自然に流れ落ちる光の涙が
境界を映す鏡となった
時より清らかに 見て非なる迷いに
神のお告げを受け入れて虚ろ
思考奪われて光なるままに
合わせる手は硝子を破壊する
切り取られた空間に交わる影を
ともに歩まんとする記憶の中で
少女は許しを乞い 少女は従う音となる
『肯定も否定も少女の前では無意味なのだから》
見定めの時 運命分かたれよ
境界で交わした約束は捨てられ
役目を行使し 相対する欠片
広がる共鳴に静寂だけを残した
※この少女、ないし少女はそれぞれ一人ずつを指しているというよりは、鏡合わせの状態に近い。元の世界から見ると少女は許しを乞い、少女は従う音になっているが、その逆が鏡の世界で行われているため、少女と少女は判別が出来ない。
▽短編小説382(2025/3/8)/切り裂かれた修正 浄化の杖の末路
導きましょう 我らの道を
踏み躙(にじ)られた今を変えるために
突き刺さった人の形など知らず
血は光り 神の通り道にふさわしい
天より降臨なされた神よ
振り下ろされた杖は
地を割り 海を割り 繋ぎ合わせ
空を割り 溢れた穢れがすべてを覆い尽くす
光と影の色間違いの反転に
戸惑う者 とうに神の中に落ち
信じる者 偽りの誕生に心貫き道となる
神の前には血だけを残し 光り続けるだけ
浄化されし穢れの道
輝く杖は現実だけを切り開く
続く未来は解き放たれた渦の中
過去なき今を作り出す意思はない
空虚の世界 清らかな棘に刺さり
歪み切ったこわれた瞳に映る死
神をも殺した杖は浄化を繰り返す
弱まることを知らない光は無意識に
※この話は強制的に修正を余儀なくされた世界。後に「空虚の世界」と呼ばれる未だに「浄化の杖」が機能している殺戮場と化した世界。「浄化の杖」に意思はなく、無意識のままに穢れを取り除こうとして、人々を洗脳の後に殺していたが、挙句の果てに神をも殺していた。また「空虚の世界」はその出来事が原因で普通の世界とは異なり色の判別が不可能、ほとんどが反転に巻き込まれている。
▽短編小説383(2025/3/15)/待雪草(スノードロップ)が散らした色は世界を渡る花となる
閉じられた魂 開くことのない運命
ひび割れた物語と欠けた色
鮮やかさをくすませて塗り潰し
広がる暗闇に一人の少女が立っていた
白を基調として今にも溶けそうな雪の姿
手を伸ばして浮かぶ新たな色の光
かつて透明だった者達に名を与え
水面(みなも)に足をつけた幽霊が目覚める
羽ばたいた鳥のように世界を渡る
干渉も認識も幽霊達の自由
何にも染まらない待雪草(スノードロップ)が咲き
空虚の少女が歩いていた
天空も深海も地上も
朝の輝く太陽も夜の煌めく月も
薄暗さに塗れた世界もずっと明るい世界も
少女の心を満たすものは何一つなかった
忘れられた境界線に立つ人影
揺れる水面が誘う終わりなき世界
途切れた道は何度も修正された
凍りついた冷花(れいか)が色を捨てた
※この話は『霊の話』が閉じた後に現れた白色の少女。混ざり合った色を浄化し、新たな色と名前を与えて、透明だった幽霊達が目覚めた。少女が色を与えた幽霊達は自由に世界を飛び回っている。
白色のネガティブイメージから「空虚」が選ばれ、待雪草(スノードロップ)の裏花言葉に「あなたの死を望みます」がある。また冷花は冷たい花を省略したもの。
▽短編小説384(2025/3/22)/死体になり果てる終わりの時間
交わされた言葉も無意味だった と
過ごした時間も無駄だった と
息をする行為も無理だった と
姿が存在することも無価値だった
悲しみが詰まった暗闇から這い上がる水の音
寂しさに反応して流れ出した涙の雫
不安が重荷となって押し潰す氷の棘
吐き出した血の香りが死を落とす
浮かび上がった希望の光が翳(かげ)り
曇った瞳が冷たい血管を見続ける
現実に侵食された夢の中
痛みを感じる血はどっちの世界?
静かな暗闇に尋ねる幻影
縋(すが)る者なくなった声に耳を傾け
冷風浴びせる息が心地よく
一瞬の明かりとともに眠る
※今(2025/3/22)の状況を吐き出して書いただけの無駄な文章。
▽短編小説385(2025/3/29)/自己暗示の嘘 虚無感に漂って
狂った現実の中 壊れた自覚もなく
自己暗示による守りが嘘に染まる
歪んだ存在 記憶から外れた存在
触らぬ神に祟りなしと離れていく
呪われた血は引き継がれて
思考を奪った不安に苛(さいな)まれる
感情は登場人物達に売り払った
空っぽの器と心が残った
言葉が流れて解かれる幻想
交わした声は無意識のうちに道を外し
割れたガラスの先に眠る暗示を
壊れて生まれた涙と空白の時間
温かさを知らず冷たいままに
縋る者は人ならざる影に落ちる
静かなる暗闇に浮かぶ星々の中
虚ろな瞳が映した幻覚の姿
理由はとうになく 時間は通り過ぎる
価値はすでになく 不明な生死は止まる
偏愛は嫌いなものを排除して閉じ込め
新たな暗示はすべてを書き換えた
※この話は自己暗示によって自分を守ろうとしたが、紆余曲折あって壊されてしまった。その後、壊れたままの瞳に映る幻覚に縋り、それを愛するようになる。
「触らぬ神に祟りなし」は「その物事に関わりを持たなければ、余計な災いを招かない」という意味。
▽短編小説386(2025/4/5)/壊れた器と修正の守り手
遠くを捧げる運命へ 向かう先は何処(いずこ)
空虚浮かぶ彼方に 散りゆく桜は舞う
傷ついた痛みが 一点を見つめようと
希望の願いは 記憶から排除し消える
明るく振る舞う影の背に
流れ伝う涙の数は知れず
静かな夜に跡を残して
消える夢を繰り返し見る
その記録は「―――」の中に
白紙に刻まれた黒い文字を
綴る物語 吹き込まれた人物 名前の継承
いつか死ぬ“君”のことを
光照らされて絶望に落ち
嘘穢されて写身(うつしみ)に消える
深い闇が辿り着いた蠢(うごめ)く本音
拾う影が空っぽの器に手を伸ばす
※この話は『複雑な生き方をする少女 記憶編』に近いが、考える中で一番最悪な結末を迎えた後の世界軸。それぞれ「シラ(光の少女)」、「理夏(鏡の写身)」、「ラナン(闇の本音)」、「黒蛇(影の青年)」となっている。
また「―――」と“君”は同じであって同じではない存在で、「空っぽの器」も似て非なる存在として書かれている。
▽短編小説387(2025/4/12)/治療師の誕生と一度目の世界の崩壊
世界の維持のために唯一無二の存在を作った
しかしその力から溢れた残り火は集まり呪いとなった
呪いを受けた者は最悪死に至る
別の生き物や物体などに変化して人の姿を失う
それを解くには『治療師』と呼ばれる
人間以外の種族の手を借りなければならない
人の形を持たない化け物が世界の意思の声を聞いた
生まれながら未熟な彼を助けるように
温かな〈火の力〉を与えてかろうじて人の姿となった
悪魔の姿の真似事に過ぎなくとも
旅する日々 呪われた人々 助け舟は振り払われる
彼は〈火の力〉で燃やして 少しの呪いは解かれた
しかし残された呪いは彼の手には負えず
散っていく命は増え続ける一方だった
どこかともなく聞こえた世界崩壊の危機
呪われた幼子は〈土の力〉を宿した世界の柱の一つ
一番最悪とされる〈氷の呪い〉をつけられて
多くの『治療師』が尽くしても治らなかった
命は死に 恐ろしい地震とともに
世界の大地は切り裂かれることとなる
※この話の最後で世界は崩壊しているように見えるが、後の対策により“未遂”で終わっている。そのため題名に“一度目”とつけているのはそういう理由があるから。〈土の力〉と〈火の力〉、〈風の力〉、〈水の力〉は世界の柱として一番重要な力とされ、その力が宿った者はそれぞれ唯一無二の存在となっている。
『治療師』は呪いを解く存在であると同時に世界の維持に欠かせない者となっている。
▽短編小説388(2025/4/19)/選択肢の先に見えた分岐はどの終わりを紡ぐ?
壊れた祠 願いは叶えられた
長い封印 偽りの信仰
村を守り続けた神の姿を見てはならぬ
邪に堕ちた災いが降り注ぐ
騒ぐ子供の声は目障りで
喰らい溶かした死体は腹の中
食べ残した少女に問う
「外の世界を見たい」と
影を住処に 村に悲鳴を
時は遅く 彼の手の中で
再びの封印は意味をなさず
憎しみを超えた怒りが支配する
迷い込んだ旅人達
増える食糧に彼は少女を遣わせる
案内の笑顔は見知らぬ神の香り
気づいた真実を覆い尽くす記憶の書き換え
しかし繰り返す現実に消去は間に合わず
しかし旅人は少女の異変に気づけず
しかし彼は人格と心を喰らっても
本当に欲しかったものは手に入らない
※この話は初期設定の時点からTRPG風物語として作ったもので、今のところ(2025/4/19)では終わり方がたくさんある。
▽短編小説389(2025/4/26)/進みを見失って消えた世界は未来を知らない
朧げな記憶 切り取られた未来
バグが示した不明な世界
箱に閉じ込めた暗示が壊れる
“君が”消えたはじまりの世界
目覚めは守護者の記憶
悪魔、妖怪、影に蛇、様々な姿に変化した
少女に寄り添い感じた死の気配
流れる血の数は果てない呪いのはじまり
前世、生前、並行世界に魂の共鳴
あらゆる場所で生きることを拒まれた少女
“君”がそう望み “君”が『助けて』と願った
現実と空想の狭間に取り残された選択の欠片
光と闇が混ざり合い 鏡は割れたまま
求めた世界はもう二度と戻らない
侵食された心の穢れが晴れることを忘れた
最後に告げた言葉が「 」(くうはく)に染まった
すべてが止まった世界 創造も破滅もない
“君”がいなくなった未来に残された僕は
役目を無くした空っぽの登場人物
呪いも厄災も消えた世界のはじまりはつまらない
※この話に登場する“君”は「―――」ではなく、それよりも上位に存在する人物。“君”から「―――」が生まれて、「―――」から少女が生まれているため、同一人物と捉えがちだが明確には違う。
バグが示した不明な世界、それは“君”がいない世界。多くの記憶がリセットされて消去されたはじまりに降り立った僕は……
▽短編小説390(2025/5/2)/間違った輸送と浄化の涙の光
それは間違った受け流し
魂の輸送に気づけなかった私達の過失
捻じ曲げられた運命に
いち早く気づいて修正するのが仕事なのに
いつからそうなったのか
少女が“まだ”人間だった頃
庶民が通う普通の学校に行けず
貴族故に興味のない魔法学校に入れられた
鎖が絡みついた真っ黒な本
文字が途切れた文章 前半はそうだった
後半に連れて空白に文字が浮かび
読み終わると向かい側に誰かが立っていた
長い時間(とき) 閉じ込められていた使い魔
本によって選ばれた少女の守り手
少しでも危害を与えようとするなら
人の形がなくなると思った方がいい
少女を守るために周りは血を吐いて骨となり
少女は使い魔の残酷さを恐怖して涙を流す
その涙は地に落ちて白く光る『浄化』をもたらす
穢れを取り除くその光は対象を選ばない
※この話は魂の仕分けをしている神に近しい存在が、本来その魂が『浄化の魔女』のものだと気づき、どの時点で運命が捻じ曲がってしまったのかを探すために、過去を書いた記録を読み漁る(途中)。文章的には魔法学校で起こった出来事までしか記されていないが、この後もいろんなことが起こる。
『浄化』は少女の涙からしか生成されず、その力は穢れを消し去るもの。ただし対象は「この世界のすべて」であり無機物であろうが有機物であろうが、対象になれば消し去ってしまう。しかし『浄化の魔女』の世界において他の魔女と使い魔はそれに該当しないというものがある。
光に包まれた静かなる時よ
影より舞い降りて繋ぐ灯火
神聖なる魂は清めりし解き放たんと
交わりの空間は開かれた
遠き星の下 雨降る矢の如く
穢れ地は花咲きて浄化とす
自然に流れ落ちる光の涙が
境界を映す鏡となった
時より清らかに 見て非なる迷いに
神のお告げを受け入れて虚ろ
思考奪われて光なるままに
合わせる手は硝子を破壊する
切り取られた空間に交わる影を
ともに歩まんとする記憶の中で
少女は許しを乞い 少女は従う音となる
『肯定も否定も少女の前では無意味なのだから》
見定めの時 運命分かたれよ
境界で交わした約束は捨てられ
役目を行使し 相対する欠片
広がる共鳴に静寂だけを残した
※この少女、ないし少女はそれぞれ一人ずつを指しているというよりは、鏡合わせの状態に近い。元の世界から見ると少女は許しを乞い、少女は従う音になっているが、その逆が鏡の世界で行われているため、少女と少女は判別が出来ない。
▽短編小説382(2025/3/8)/切り裂かれた修正 浄化の杖の末路
導きましょう 我らの道を
踏み躙(にじ)られた今を変えるために
突き刺さった人の形など知らず
血は光り 神の通り道にふさわしい
天より降臨なされた神よ
振り下ろされた杖は
地を割り 海を割り 繋ぎ合わせ
空を割り 溢れた穢れがすべてを覆い尽くす
光と影の色間違いの反転に
戸惑う者 とうに神の中に落ち
信じる者 偽りの誕生に心貫き道となる
神の前には血だけを残し 光り続けるだけ
浄化されし穢れの道
輝く杖は現実だけを切り開く
続く未来は解き放たれた渦の中
過去なき今を作り出す意思はない
空虚の世界 清らかな棘に刺さり
歪み切ったこわれた瞳に映る死
神をも殺した杖は浄化を繰り返す
弱まることを知らない光は無意識に
※この話は強制的に修正を余儀なくされた世界。後に「空虚の世界」と呼ばれる未だに「浄化の杖」が機能している殺戮場と化した世界。「浄化の杖」に意思はなく、無意識のままに穢れを取り除こうとして、人々を洗脳の後に殺していたが、挙句の果てに神をも殺していた。また「空虚の世界」はその出来事が原因で普通の世界とは異なり色の判別が不可能、ほとんどが反転に巻き込まれている。
▽短編小説383(2025/3/15)/待雪草(スノードロップ)が散らした色は世界を渡る花となる
閉じられた魂 開くことのない運命
ひび割れた物語と欠けた色
鮮やかさをくすませて塗り潰し
広がる暗闇に一人の少女が立っていた
白を基調として今にも溶けそうな雪の姿
手を伸ばして浮かぶ新たな色の光
かつて透明だった者達に名を与え
水面(みなも)に足をつけた幽霊が目覚める
羽ばたいた鳥のように世界を渡る
干渉も認識も幽霊達の自由
何にも染まらない待雪草(スノードロップ)が咲き
空虚の少女が歩いていた
天空も深海も地上も
朝の輝く太陽も夜の煌めく月も
薄暗さに塗れた世界もずっと明るい世界も
少女の心を満たすものは何一つなかった
忘れられた境界線に立つ人影
揺れる水面が誘う終わりなき世界
途切れた道は何度も修正された
凍りついた冷花(れいか)が色を捨てた
※この話は『霊の話』が閉じた後に現れた白色の少女。混ざり合った色を浄化し、新たな色と名前を与えて、透明だった幽霊達が目覚めた。少女が色を与えた幽霊達は自由に世界を飛び回っている。
白色のネガティブイメージから「空虚」が選ばれ、待雪草(スノードロップ)の裏花言葉に「あなたの死を望みます」がある。また冷花は冷たい花を省略したもの。
▽短編小説384(2025/3/22)/死体になり果てる終わりの時間
交わされた言葉も無意味だった と
過ごした時間も無駄だった と
息をする行為も無理だった と
姿が存在することも無価値だった
悲しみが詰まった暗闇から這い上がる水の音
寂しさに反応して流れ出した涙の雫
不安が重荷となって押し潰す氷の棘
吐き出した血の香りが死を落とす
浮かび上がった希望の光が翳(かげ)り
曇った瞳が冷たい血管を見続ける
現実に侵食された夢の中
痛みを感じる血はどっちの世界?
静かな暗闇に尋ねる幻影
縋(すが)る者なくなった声に耳を傾け
冷風浴びせる息が心地よく
一瞬の明かりとともに眠る
※今(2025/3/22)の状況を吐き出して書いただけの無駄な文章。
▽短編小説385(2025/3/29)/自己暗示の嘘 虚無感に漂って
狂った現実の中 壊れた自覚もなく
自己暗示による守りが嘘に染まる
歪んだ存在 記憶から外れた存在
触らぬ神に祟りなしと離れていく
呪われた血は引き継がれて
思考を奪った不安に苛(さいな)まれる
感情は登場人物達に売り払った
空っぽの器と心が残った
言葉が流れて解かれる幻想
交わした声は無意識のうちに道を外し
割れたガラスの先に眠る暗示を
壊れて生まれた涙と空白の時間
温かさを知らず冷たいままに
縋る者は人ならざる影に落ちる
静かなる暗闇に浮かぶ星々の中
虚ろな瞳が映した幻覚の姿
理由はとうになく 時間は通り過ぎる
価値はすでになく 不明な生死は止まる
偏愛は嫌いなものを排除して閉じ込め
新たな暗示はすべてを書き換えた
※この話は自己暗示によって自分を守ろうとしたが、紆余曲折あって壊されてしまった。その後、壊れたままの瞳に映る幻覚に縋り、それを愛するようになる。
「触らぬ神に祟りなし」は「その物事に関わりを持たなければ、余計な災いを招かない」という意味。
▽短編小説386(2025/4/5)/壊れた器と修正の守り手
遠くを捧げる運命へ 向かう先は何処(いずこ)
空虚浮かぶ彼方に 散りゆく桜は舞う
傷ついた痛みが 一点を見つめようと
希望の願いは 記憶から排除し消える
明るく振る舞う影の背に
流れ伝う涙の数は知れず
静かな夜に跡を残して
消える夢を繰り返し見る
その記録は「―――」の中に
白紙に刻まれた黒い文字を
綴る物語 吹き込まれた人物 名前の継承
いつか死ぬ“君”のことを
光照らされて絶望に落ち
嘘穢されて写身(うつしみ)に消える
深い闇が辿り着いた蠢(うごめ)く本音
拾う影が空っぽの器に手を伸ばす
※この話は『複雑な生き方をする少女 記憶編』に近いが、考える中で一番最悪な結末を迎えた後の世界軸。それぞれ「シラ(光の少女)」、「理夏(鏡の写身)」、「ラナン(闇の本音)」、「黒蛇(影の青年)」となっている。
また「―――」と“君”は同じであって同じではない存在で、「空っぽの器」も似て非なる存在として書かれている。
▽短編小説387(2025/4/12)/治療師の誕生と一度目の世界の崩壊
世界の維持のために唯一無二の存在を作った
しかしその力から溢れた残り火は集まり呪いとなった
呪いを受けた者は最悪死に至る
別の生き物や物体などに変化して人の姿を失う
それを解くには『治療師』と呼ばれる
人間以外の種族の手を借りなければならない
人の形を持たない化け物が世界の意思の声を聞いた
生まれながら未熟な彼を助けるように
温かな〈火の力〉を与えてかろうじて人の姿となった
悪魔の姿の真似事に過ぎなくとも
旅する日々 呪われた人々 助け舟は振り払われる
彼は〈火の力〉で燃やして 少しの呪いは解かれた
しかし残された呪いは彼の手には負えず
散っていく命は増え続ける一方だった
どこかともなく聞こえた世界崩壊の危機
呪われた幼子は〈土の力〉を宿した世界の柱の一つ
一番最悪とされる〈氷の呪い〉をつけられて
多くの『治療師』が尽くしても治らなかった
命は死に 恐ろしい地震とともに
世界の大地は切り裂かれることとなる
※この話の最後で世界は崩壊しているように見えるが、後の対策により“未遂”で終わっている。そのため題名に“一度目”とつけているのはそういう理由があるから。〈土の力〉と〈火の力〉、〈風の力〉、〈水の力〉は世界の柱として一番重要な力とされ、その力が宿った者はそれぞれ唯一無二の存在となっている。
『治療師』は呪いを解く存在であると同時に世界の維持に欠かせない者となっている。
▽短編小説388(2025/4/19)/選択肢の先に見えた分岐はどの終わりを紡ぐ?
壊れた祠 願いは叶えられた
長い封印 偽りの信仰
村を守り続けた神の姿を見てはならぬ
邪に堕ちた災いが降り注ぐ
騒ぐ子供の声は目障りで
喰らい溶かした死体は腹の中
食べ残した少女に問う
「外の世界を見たい」と
影を住処に 村に悲鳴を
時は遅く 彼の手の中で
再びの封印は意味をなさず
憎しみを超えた怒りが支配する
迷い込んだ旅人達
増える食糧に彼は少女を遣わせる
案内の笑顔は見知らぬ神の香り
気づいた真実を覆い尽くす記憶の書き換え
しかし繰り返す現実に消去は間に合わず
しかし旅人は少女の異変に気づけず
しかし彼は人格と心を喰らっても
本当に欲しかったものは手に入らない
※この話は初期設定の時点からTRPG風物語として作ったもので、今のところ(2025/4/19)では終わり方がたくさんある。
▽短編小説389(2025/4/26)/進みを見失って消えた世界は未来を知らない
朧げな記憶 切り取られた未来
バグが示した不明な世界
箱に閉じ込めた暗示が壊れる
“君が”消えたはじまりの世界
目覚めは守護者の記憶
悪魔、妖怪、影に蛇、様々な姿に変化した
少女に寄り添い感じた死の気配
流れる血の数は果てない呪いのはじまり
前世、生前、並行世界に魂の共鳴
あらゆる場所で生きることを拒まれた少女
“君”がそう望み “君”が『助けて』と願った
現実と空想の狭間に取り残された選択の欠片
光と闇が混ざり合い 鏡は割れたまま
求めた世界はもう二度と戻らない
侵食された心の穢れが晴れることを忘れた
最後に告げた言葉が「 」(くうはく)に染まった
すべてが止まった世界 創造も破滅もない
“君”がいなくなった未来に残された僕は
役目を無くした空っぽの登場人物
呪いも厄災も消えた世界のはじまりはつまらない
※この話に登場する“君”は「―――」ではなく、それよりも上位に存在する人物。“君”から「―――」が生まれて、「―――」から少女が生まれているため、同一人物と捉えがちだが明確には違う。
バグが示した不明な世界、それは“君”がいない世界。多くの記憶がリセットされて消去されたはじまりに降り立った僕は……
▽短編小説390(2025/5/2)/間違った輸送と浄化の涙の光
それは間違った受け流し
魂の輸送に気づけなかった私達の過失
捻じ曲げられた運命に
いち早く気づいて修正するのが仕事なのに
いつからそうなったのか
少女が“まだ”人間だった頃
庶民が通う普通の学校に行けず
貴族故に興味のない魔法学校に入れられた
鎖が絡みついた真っ黒な本
文字が途切れた文章 前半はそうだった
後半に連れて空白に文字が浮かび
読み終わると向かい側に誰かが立っていた
長い時間(とき) 閉じ込められていた使い魔
本によって選ばれた少女の守り手
少しでも危害を与えようとするなら
人の形がなくなると思った方がいい
少女を守るために周りは血を吐いて骨となり
少女は使い魔の残酷さを恐怖して涙を流す
その涙は地に落ちて白く光る『浄化』をもたらす
穢れを取り除くその光は対象を選ばない
※この話は魂の仕分けをしている神に近しい存在が、本来その魂が『浄化の魔女』のものだと気づき、どの時点で運命が捻じ曲がってしまったのかを探すために、過去を書いた記録を読み漁る(途中)。文章的には魔法学校で起こった出来事までしか記されていないが、この後もいろんなことが起こる。
『浄化』は少女の涙からしか生成されず、その力は穢れを消し去るもの。ただし対象は「この世界のすべて」であり無機物であろうが有機物であろうが、対象になれば消し去ってしまう。しかし『浄化の魔女』の世界において他の魔女と使い魔はそれに該当しないというものがある。
桜詩凛の読みは「さくらしりん」で、由来は二つ。一つは元から使っていた桜子凛花が長いと思ったため、短くするために「桜」と「凛」を取り、その間に当時から書いていた「詩」をいれたもの。もう一つは『複雑な生き方をする少女』に登場する「さくら、黒蛇、シラ、理夏(りか)、ラナン」の頭文字を取ったものとなってい…
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