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古典文学や文語体の文章をいい加減に口語訳・脚色したモノをちまちま載せています。
※「おしながき」が作品のインデックスになっておりますので、御参照ください。
記事一覧
形見こそ
形見こそ むかしむかし、あるところに未練が残る女がいたそうな。 断りの手紙を届けるよう家人に言いつけて 女は視線を厨子棚へ向けた。 「……あれもこれも、後生大事に取ってあるから自分を苦しめることにな…
公開 : 2023/08/28 21:54
玉かづら
玉かづら むかしむかし、あるところに調子のいい男がいたそうな。 独り寝の寂しい夜を過ごしていた男はふと思い出して、「あなたのことを忘れたことなんてありませんでしたよ。久しぶりにお会いしたいのですが…
公開 : 2023/08/28 21:51
世をうみの
世をうみの むかしむかし、あるところに特別な事情はないが尼になった女がいたそうな。 落飾したものの、仏門しか進む道がなかったわけでも、特別信心が篤いわけでもない。そんな具合だから、俗世の賑わいに興…
公開 : 2023/08/28 21:51
雲には乗らぬ
雲には乗らぬ むかしむかし、あるところに世情をよく知る男がいたそうな。 男は歌を詠むような風流人ではなかったが、政治情勢からトレンドまで世の中の様々な事情に精通している人であった。 さて、ある身分…
公開 : 2023/08/28 21:50
須磨の海人の
須磨の海人の むかしむかし、あるところに深く愛した女に去られた男がいたそうな。 何度となく想いを伝え合い、愛を確かめあった女が他の男のものになってしまった。やっと掴んだ女の消息はあまりに辛いもので…
公開 : 2023/08/28 21:07
棚なし小舟
棚なし小舟 むかしむかし、久しぶりに恋人を訪う男がいたそうな。 その人を恋しく思い、住まいがあるあたりを訪れてみたものの…女の姿はどこにもなかった。家のあちこちから草が分け出で、傾き荒れ果てて、女…
公開 : 2023/08/28 21:06
月をもめでじ
月をもめでじ むかしむかし、あるところに中年に差し掛る男がいたそうな。 あの人この人と親しい友人達が集まって月見の宴を催した折、友達のひとりが 「中年にもなれば普通は月なんぞ愛でんものさ。あれだよ…
公開 : 2023/08/28 21:05 / 更新 : 2024/08/18 23:24
四十の賀
四十の賀 むかしむかし、あるところに祝いの歌を贈る男がいたそうな。 堀川の大臣…藤原基経殿と仰る方が、九条にある屋敷にて四十歳を迎えたことを祝い、長寿を願う儀式を行う日のこと。中将殿と呼ばれる年嵩の…
公開 : 2023/08/28 21:04
千夜を一夜に
千夜を一夜に むかしむかし、あるところに、復縁を望む女と男がいたそうな。 たわいもないことで別れてしまったが、別れてもなお忘れられなかったのだろう。 「何を今さらと思いつつも、貴方を忘れることも出…
公開 : 2023/08/28 21:02 / 更新 : 2023/08/31 21:27
秋の夜は
秋の夜は むかしむかし、あるところに元妻へ手紙を送る男がいたそうな。 元妻の家にはどういう訳か一緒に住んだことがなかったそうで、女は後に別の男と家庭を持ったのだうな。とはいえ女との間には子どもがあ…
公開 : 2023/08/28 21:01
時しもわかぬ
時しもわかぬ むかしむかし、あるところに目上の方に贈り物する男がいたそうな。 太政大臣…藤原良房殿と申し上げる方がいらっしゃった。さる長月のこと。良房殿に仕える男が細工物の梅の枝を作らせて、それへ捕…
公開 : 2023/08/28 21:00
あやしき藤の花
あやしき藤の花 むかしむかし、左兵衛府の長官に在原行平殿という方がおられたそうな。 行平殿の家に良い酒があるということで、殿上人でおる左中弁・藤原良近殿を正客にお迎えして宴を催した。 「これはまた…
公開 : 2023/08/28 20:59
忘れては
忘れては むかしむかし、水無瀬の御屋敷へ惟喬親王のお供をした右馬頭という年嵩の男がいたそうな。 交野の狩りから日を経て、親王様は京へお戻りになられた。親王様を御屋敷にお送りして、では…と男が御前を…
公開 : 2023/08/28 20:58
身をしわけねば
身をしわけねば むかしむかし、あるところに出家した主君を訪う男がいたそうな。 幼少の頃よりお仕えしていた主君がある年、思うところがあって御髪を下ろされた。主君は都を離れて小野に庵を結んでおられたが…
公開 : 2023/08/28 20:58
龍田河の紅葉
龍田河の紅葉 むかしむかし、紅葉の美しさを詠んだ男がいたそうな。 奈良の野山は赤に黄に、燃えるような紅葉の盛りである。山野で秋の景色を楽しまれている親王様がたのもとへ参上した男は、龍田川のほとりに…
公開 : 2023/08/28 20:56
渚の院
渚の院 むかしむかし、あるところに親王様の覚えめでたい男がいたそうな。 かつて文徳天皇の皇子に、惟喬の親王と仰る方がいらっしゃった。親王様の御屋敷のひとつが山崎のむこう、水無瀬というところにあり、…
公開 : 2023/08/28 20:55
いづれの神に
いづれの神に むかしむかし、あるところにそれなりに由緒ある血筋の男がいたそうな。 男はまだ青二才の頃から、自分よりも高貴な方に叶わぬ恋をしていた。断ち切ろうにも断ち切れず、忘れようにも忘れられず…
公開 : 2023/08/28 20:54
大原や小塩の山
大原や小塩の山 むかしむかし、御息所の氏神詣でに供奉する男がいたそうな。 二条の后がまだ東宮の御息所であられた頃のこと。御息所様は藤原氏の氏神を祀る大原野神社へ参詣され、参詣に供奉した者たちへ褒美…
公開 : 2023/08/28 20:53
植ゑし植ゑば
植ゑし植ゑば むかしむかし、あるところに大切な人に菊を贈った男がいたそうな。 その人の前栽に手ずから菊を植えた男は、手指の土を拭いながら 「秋でなければ花は咲きませんが…丹精込めて植えました。花は枯…
公開 : 2023/08/28 20:53
貞数の親王
貞数の親王 むかしむかし、あるところに親王の誕生に沸く一族がいたそうな。 清和帝の更衣が親王様をご出産されたということで、あちこちから親王様の産養を祝う歌が御産屋に届けられた。更衣の一族の者たちの…
公開 : 2023/08/28 20:51
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