怒りの権化
公開 2024/09/07 22:43
最終更新
2024/09/08 22:51
金曜に観た姉妹はっちゃけまくりの映画「ポライト・ソサエティ」が良かった。
これ十代の頃に観ていたらいまとは違った人生だったかも知れない(何せ影響を受けやすい)。この世にはこんな映画をつくるおとながいる、という希望を持つ。ていうかいま持ってる。
姉がまたいい。冒頭、ボサっとした格好で通りを歩き、買ったローストチキンを齧る、後ろめたそうな瞳。チキンは丸ごと一羽。完全にこっち側だ。
姉妹でオタク、加えて妹は脳筋だ。あらゆるバトルは5秒に一度即死レベルの大技が繰り出され、飽きる暇がない。
とにかく面白い。
家父長制とそれを内面化した自己愛的母子関係への痛烈な批判がある。
マザコン男のマザーのあんまりなメイクについ油断していると、松竹新喜劇のような女形顔からは想像もつかないエグさが待っている。情念チックな日本語の、昭和の歌が流れて来たときは思わず寺山修司を連想したが(歌は浅川マキ)、母子幻想という意味では的外れでもないかも知れない。
ギャグとスポ根と友情だ。この映画を観れて本当によかった。大好きな映画だ。