思い浮かぶまま
公開 2024/05/03 20:34
最終更新
2024/05/03 22:12
ぼくは急勾配の坂の上に住んでいるのだけど、産まれたときからここで暮らす獣医師さんがおっしゃるにはこの地域に住むいぬはヘルニアが多いそうで、坂道というのはひとばかりでなくいぬにとってもなかなかしんどいものらしい。
雨上がりの風は爽やかで、五月。という感じだ。
ジャスミンのこもった匂いを抜けるとクリアな薄荷の匂いがする。
どこか無人になった家で繁殖し続けている薄荷を想像した。
実家の雑木林は足を踏み入れるとときどき鋭い薄荷の匂いがした。
野生の木苺が固まって実をつける甘い匂いを覚えている。人間が摘むことはなかった。
野生の動物が見つけたときこんな嬉しいものが他にあるかなと思う。
フジコ・ヘミングさんで心に残るのはやっぱりリストの演奏だ。
「ため息」を聴いたとき、ああ、そうか、ため息。詩だったのか、と思った。
それまでリストは誰が弾く曲も技巧的装飾的にしか受け取っていなかった。
フジコ・ヘミングさんの演奏からは音と一緒にリストという音楽家のもつ詩情、熱、生きるときめきのようなものが伝わる。
リストこれはモテるに決まってるわ、惚れてまうわと狼狽した。
雨上がりの風は爽やかで、五月。という感じだ。
ジャスミンのこもった匂いを抜けるとクリアな薄荷の匂いがする。
どこか無人になった家で繁殖し続けている薄荷を想像した。
実家の雑木林は足を踏み入れるとときどき鋭い薄荷の匂いがした。
野生の木苺が固まって実をつける甘い匂いを覚えている。人間が摘むことはなかった。
野生の動物が見つけたときこんな嬉しいものが他にあるかなと思う。
フジコ・ヘミングさんで心に残るのはやっぱりリストの演奏だ。
「ため息」を聴いたとき、ああ、そうか、ため息。詩だったのか、と思った。
それまでリストは誰が弾く曲も技巧的装飾的にしか受け取っていなかった。
フジコ・ヘミングさんの演奏からは音と一緒にリストという音楽家のもつ詩情、熱、生きるときめきのようなものが伝わる。
リストこれはモテるに決まってるわ、惚れてまうわと狼狽した。