新世紀ロマンティクス
公開 2025/05/09 20:28
最終更新
2025/05/10 06:46
「新世紀ロマンティクス」を観てきた。
ジャ・ジャンクーの作品を観るのは初めてだ。映画好きの友だちがずっとぼくが好きだと思うと言っていて、配信ではなくスクリーンで観たいと思っていた。
これがドンピシャだった。
2000年3月から2022年の12月まで。
遥か長い旅をした気分だ。
映画はドキュメンタリーとフィクションを織り交ぜた形で淡々と進む。
地域の集まりなのか、女性たちが自分たちの楽しみのために歌う素朴な歌。炭鉱で栄えた町の労働者の娯楽のために歌う歌劇的な歌。当時自分も好きで聴いていたゴリゴリのテクノがカラオケボックスで流れる適当さは中国らしいなと思った。
カメラはどのひとも皆その生を生きている様子を捉え、情報量の多さに目眩がする。
「モブ」などいない。その目線の強さが好きだ。
急速に商業化の進む街でモデルやダンサーとして暮らすチャオ、恋人とは互いに行き詰まる。チャオが旅に出る一方、恋人は別の事業で一旗あげようとする。
国の政策によってダムに沈む町、工業プラントが建設される町、再開発のためにひとつ残さず取り壊される町。重機も入らない通りが人海戦術で壊されていく。チャオは目まぐるしく変わる風景を、昔から変わらない風景を、猫のように横切っていく。
船旅のチャオが食べる乗船者向けの弁当(ご飯と手羽元の煮込みだ)、簡易宿泊所で食べる蒸しパン、小さな食堂で食べる麺。チャオのひとりの食事が沁みる。生きてるなあと思う。職場でかつての恋人と再会したあと食べる肉饅。涙にむせながら、詰め込むように食べる。
ロボットの登場に、愛しげに目を細める姿もよかった。テクノロジーに無垢な何かを見出すなら、それは希望であって欲しいなと思う。
チャオが去ろうとする街の中に、印象に残った語句があった。古い建物の軒先に直に書いた「愛惜感情 愛惜身体」という文字だ。
何かのサービスのキャッチなのか。
中国語には珍しいと感じた。
映画の原題は「風流一代」、センセーショナルに変化する世代。英語圏のタイトルはcaught by the tide.潮にのまれて?
日本語タイトルの新世紀ロマンティクスはロマンチックで詩的だ。
日本らしい捉え方だと思う。
ジャ・ジャンクーの作品を観るのは初めてだ。映画好きの友だちがずっとぼくが好きだと思うと言っていて、配信ではなくスクリーンで観たいと思っていた。
これがドンピシャだった。
2000年3月から2022年の12月まで。
遥か長い旅をした気分だ。
映画はドキュメンタリーとフィクションを織り交ぜた形で淡々と進む。
地域の集まりなのか、女性たちが自分たちの楽しみのために歌う素朴な歌。炭鉱で栄えた町の労働者の娯楽のために歌う歌劇的な歌。当時自分も好きで聴いていたゴリゴリのテクノがカラオケボックスで流れる適当さは中国らしいなと思った。
カメラはどのひとも皆その生を生きている様子を捉え、情報量の多さに目眩がする。
「モブ」などいない。その目線の強さが好きだ。
急速に商業化の進む街でモデルやダンサーとして暮らすチャオ、恋人とは互いに行き詰まる。チャオが旅に出る一方、恋人は別の事業で一旗あげようとする。
国の政策によってダムに沈む町、工業プラントが建設される町、再開発のためにひとつ残さず取り壊される町。重機も入らない通りが人海戦術で壊されていく。チャオは目まぐるしく変わる風景を、昔から変わらない風景を、猫のように横切っていく。
船旅のチャオが食べる乗船者向けの弁当(ご飯と手羽元の煮込みだ)、簡易宿泊所で食べる蒸しパン、小さな食堂で食べる麺。チャオのひとりの食事が沁みる。生きてるなあと思う。職場でかつての恋人と再会したあと食べる肉饅。涙にむせながら、詰め込むように食べる。
ロボットの登場に、愛しげに目を細める姿もよかった。テクノロジーに無垢な何かを見出すなら、それは希望であって欲しいなと思う。
チャオが去ろうとする街の中に、印象に残った語句があった。古い建物の軒先に直に書いた「愛惜感情 愛惜身体」という文字だ。
何かのサービスのキャッチなのか。
中国語には珍しいと感じた。
映画の原題は「風流一代」、センセーショナルに変化する世代。英語圏のタイトルはcaught by the tide.潮にのまれて?
日本語タイトルの新世紀ロマンティクスはロマンチックで詩的だ。
日本らしい捉え方だと思う。
