JE T’AIME JE T’AIME
公開 2025/03/31 22:54
最終更新
2025/04/02 20:29
やっと街に来たJE T’AIME JE T’AIME。春休み中のたった一週間の上映と知って万障繰り合わせて観てきた。
アラン・レネの1968年製作SFストーリーである。

既に音楽が好みだ。古典的な男女混声のコラールと思わせて現代曲である。
冒頭から水色が効いた画面で、幾度も浅瀬の波の場面が挟まれる。
物語は自殺に失敗した男性が、時間の研究者たちに乞われて人体で初のタイムリープの被験者になる、というもの。
クロード・リッシュが良かった。
手足の長い細身の体躯で、全身から繊細さと不敵な身勝手さが現れている。
彼を観ていればもう良いやと腹を括れた。
実験は一年前の時間に一分だけ滞在するはずが、不安定なのは装置なのか人体なのか、かつて恋人と過ごした時間から断片的に、何度も過去と現在を行き来する羽目になる。
被験の先輩であるハツカネズミが可憐だ。ある過去で浜辺を横切るハツカネズミに気づき、戻った現在であれは君だったか…と撫でる。繊細な優男とハツカネズミの組み合わせに既視感を覚え思い出したのはボリス・ヴィアンの「日々の泡(L’ecume des jours)」だ。
労働に向かない女性を部下にして一緒に辞めるのが夢だ、と口説く。仕事は事務所も人もごちゃごちゃとシュールかつ無意味なものが多く、男性は労働によって消耗する。
そう思えば、これはパルトルもピアノカクテルもないもうひとつの「日々の泡」なのかもしれない。愛と死(と労働)を軸に失われた時間を漂う物語。
調べたら映画の「日々の泡(L’ecume des jours)」も同じ1968年だった。こちらには原作にあるハツカネズミは登場しない。二人ユニゾンで愛してる、を繰り返す場面は原作にない。
https://metrograph.com/alain-resnais/
この映画についてのアラン・レネへのインタビューがあったので読むと、「弱い主人公」という共通したものがあるとわかる。加えてこのインタビューで驚いたのは主人公の年齢設定が、タイムリープの実験のときは42歳で初めて恋人と出会ったのは28歳として描いているという事だ。えっそんなに幅が…と思う。
映画は彼の表情によって時間の前後が表されていて、つい編集のギミックに惑わされそうだが、俳優自身の演技も秀逸なのだ。
https://cinemore.jp/jp/erudition/3901/article_3902_p1.html
映画を観た後は宮代大嗣さんのコラムを読むのが楽しみだ。コラムによるとミシェル・ゴンドリーはエターナル・サンシャインでJE T’AIME JE T’AIMEの影響を受けている。
弱い主人公と強い無意識、詩的なSF、ミシェル・ゴンドリーも2013年に「L’ecume des jours」を作ったことを思い出した。
アラン・レネの1968年製作SFストーリーである。

既に音楽が好みだ。古典的な男女混声のコラールと思わせて現代曲である。
冒頭から水色が効いた画面で、幾度も浅瀬の波の場面が挟まれる。
物語は自殺に失敗した男性が、時間の研究者たちに乞われて人体で初のタイムリープの被験者になる、というもの。
クロード・リッシュが良かった。
手足の長い細身の体躯で、全身から繊細さと不敵な身勝手さが現れている。
彼を観ていればもう良いやと腹を括れた。
実験は一年前の時間に一分だけ滞在するはずが、不安定なのは装置なのか人体なのか、かつて恋人と過ごした時間から断片的に、何度も過去と現在を行き来する羽目になる。
被験の先輩であるハツカネズミが可憐だ。ある過去で浜辺を横切るハツカネズミに気づき、戻った現在であれは君だったか…と撫でる。繊細な優男とハツカネズミの組み合わせに既視感を覚え思い出したのはボリス・ヴィアンの「日々の泡(L’ecume des jours)」だ。
労働に向かない女性を部下にして一緒に辞めるのが夢だ、と口説く。仕事は事務所も人もごちゃごちゃとシュールかつ無意味なものが多く、男性は労働によって消耗する。
そう思えば、これはパルトルもピアノカクテルもないもうひとつの「日々の泡」なのかもしれない。愛と死(と労働)を軸に失われた時間を漂う物語。
調べたら映画の「日々の泡(L’ecume des jours)」も同じ1968年だった。こちらには原作にあるハツカネズミは登場しない。二人ユニゾンで愛してる、を繰り返す場面は原作にない。
https://metrograph.com/alain-resnais/
この映画についてのアラン・レネへのインタビューがあったので読むと、「弱い主人公」という共通したものがあるとわかる。加えてこのインタビューで驚いたのは主人公の年齢設定が、タイムリープの実験のときは42歳で初めて恋人と出会ったのは28歳として描いているという事だ。えっそんなに幅が…と思う。
映画は彼の表情によって時間の前後が表されていて、つい編集のギミックに惑わされそうだが、俳優自身の演技も秀逸なのだ。
https://cinemore.jp/jp/erudition/3901/article_3902_p1.html
映画を観た後は宮代大嗣さんのコラムを読むのが楽しみだ。コラムによるとミシェル・ゴンドリーはエターナル・サンシャインでJE T’AIME JE T’AIMEの影響を受けている。
弱い主人公と強い無意識、詩的なSF、ミシェル・ゴンドリーも2013年に「L’ecume des jours」を作ったことを思い出した。
