アート・ライフ
公開 2025/01/18 22:00
最終更新
2025/01/18 22:20
「アート・ライフ」はデヴィッド・リンチが手を動かす様子を映す。
冒頭、手がけているのは壁画だろうか、粘度のある樹脂のようなものを塗りつける、というかくっつける動作。
先ず画家としての始まりがあった。
三人兄弟の一番上で、リンチの母は下の二人には塗り絵を与えたが自分には与えなかった、と語る。創造性について母なりに考えるところがあったのだろう、と振り返る。
父母が言い争うのを見た記憶がない、という。ホームビデオに映るのは頼もしい笑顔を見せる父。理知的な表情の母。自然な距離の弟妹。理想的な家族の姿だ。
壁画は金属なども埋め込んだ立体で観ていて面白い。アトリエには二歳くらいのリンチの子どももいて、そこだけ見ると心穏やかな情景だ。
描かれている絵は不穏だけど。
語り口は穏やかで、ひとを惹き込む魅力がある。紳士的な芸術家という印象。
映画は深い深い場所にある、夢と呼ぶしかないものを現すために必要だったのだろう。
映画製作に乗り出してすぐの、父に反対された当時を語る表情の何ともいえなさが強く印象に残る。理解して欲しいひとに理解されない事の寂寥。
「大きい」と思う。すべてが。
冒頭、手がけているのは壁画だろうか、粘度のある樹脂のようなものを塗りつける、というかくっつける動作。
先ず画家としての始まりがあった。
三人兄弟の一番上で、リンチの母は下の二人には塗り絵を与えたが自分には与えなかった、と語る。創造性について母なりに考えるところがあったのだろう、と振り返る。
父母が言い争うのを見た記憶がない、という。ホームビデオに映るのは頼もしい笑顔を見せる父。理知的な表情の母。自然な距離の弟妹。理想的な家族の姿だ。
壁画は金属なども埋め込んだ立体で観ていて面白い。アトリエには二歳くらいのリンチの子どももいて、そこだけ見ると心穏やかな情景だ。
描かれている絵は不穏だけど。
語り口は穏やかで、ひとを惹き込む魅力がある。紳士的な芸術家という印象。
映画は深い深い場所にある、夢と呼ぶしかないものを現すために必要だったのだろう。
映画製作に乗り出してすぐの、父に反対された当時を語る表情の何ともいえなさが強く印象に残る。理解して欲しいひとに理解されない事の寂寥。
「大きい」と思う。すべてが。