アイライクムービーズ
公開 2025/01/16 22:57
最終更新
2025/01/17 12:24
キノライカの監督へのインタビューがよかった。
https://www.ditjapan.com/funtheater/magazine/3191
トリュフォーに眼差しが似ていると…本当だ。J.P.レオーに似ているなとちらと思ったが、レオーに似ているという事はトリュフォーに似ているという事だった。もちろん外見だけではなくて。
今日も映画館へ。鑑賞スタンプがたまって一回無料のチャンスだ。期限は明日までで、時間があるのは今日しかなかった。
観たのは「アイライクムービーズ」。
主人公は郊外の映画オタクの高校生だ。大学から「本当の」人生が始まる、その始まる前の物語という点でグレタ・ガーウィグの「レディ・バード」を思い出したけど、こちらはある意味ずっとシビアだ。
舞台は2003年、DVD(とVHS)のレンタルショップ、いまでは場所そのものがノスタルジックな存在だ。
進路を語る主人公にぼくは個人的な受験期のしんどさが甦って、ブルーな気持ちで観た。
映画への耽溺と自己愛とで自我を守る主人公の必死さに身をつまされる。
夫を亡くした彼の母は明るく、情緒が乱れる息子に辛抱強く言葉をかけ続ける。
バイト先の女性上司はポジティブで統率力がある。いつも主人公を励ます。
主人公が敵視する編集の上手いクラスメイトの女子はいつも陽気だ。友だちが侮辱された時は怒るけど、誰に対しても同じ態度だ。
ダメな主人公に対しても。
ぼくがこの映画を主人公と同じ年齢のとき観ていたら、彼女たちのことはお気楽な自分好きの人間で、単に物語に都合の良い存在だと感じただろう。でもいまなら、彼女達の明るさは強い意志あって顕れるものだとわかる。そうありたいから、そうする。母と上司は酷い過去を経験したが、それでも。意志のもとに強く明るく行動するのだ。
ぼくもきっと気づかなかっただけで、生意気なへらず口の年齢だった頃、こんな風に意志を持ったおとなたちに守られて来たんだろう。
上司が最後に言う一番好きな映画は「マグノリアの花」だった。主人公は観ていないと言う。ぼくも観ていない。近いうち観てみようと思う。
https://www.ditjapan.com/funtheater/magazine/3191
トリュフォーに眼差しが似ていると…本当だ。J.P.レオーに似ているなとちらと思ったが、レオーに似ているという事はトリュフォーに似ているという事だった。もちろん外見だけではなくて。
今日も映画館へ。鑑賞スタンプがたまって一回無料のチャンスだ。期限は明日までで、時間があるのは今日しかなかった。
観たのは「アイライクムービーズ」。
主人公は郊外の映画オタクの高校生だ。大学から「本当の」人生が始まる、その始まる前の物語という点でグレタ・ガーウィグの「レディ・バード」を思い出したけど、こちらはある意味ずっとシビアだ。
舞台は2003年、DVD(とVHS)のレンタルショップ、いまでは場所そのものがノスタルジックな存在だ。
進路を語る主人公にぼくは個人的な受験期のしんどさが甦って、ブルーな気持ちで観た。
映画への耽溺と自己愛とで自我を守る主人公の必死さに身をつまされる。
夫を亡くした彼の母は明るく、情緒が乱れる息子に辛抱強く言葉をかけ続ける。
バイト先の女性上司はポジティブで統率力がある。いつも主人公を励ます。
主人公が敵視する編集の上手いクラスメイトの女子はいつも陽気だ。友だちが侮辱された時は怒るけど、誰に対しても同じ態度だ。
ダメな主人公に対しても。
ぼくがこの映画を主人公と同じ年齢のとき観ていたら、彼女たちのことはお気楽な自分好きの人間で、単に物語に都合の良い存在だと感じただろう。でもいまなら、彼女達の明るさは強い意志あって顕れるものだとわかる。そうありたいから、そうする。母と上司は酷い過去を経験したが、それでも。意志のもとに強く明るく行動するのだ。
ぼくもきっと気づかなかっただけで、生意気なへらず口の年齢だった頃、こんな風に意志を持ったおとなたちに守られて来たんだろう。
上司が最後に言う一番好きな映画は「マグノリアの花」だった。主人公は観ていないと言う。ぼくも観ていない。近いうち観てみようと思う。