季節の変わり目 Beginners
公開 2024/09/25 23:07
最終更新
2024/09/26 22:39
急に気温が下がって冷たい雨が降ってきた。
予定が変わって時間が出来たのでU-NEXTでマイク・ミルズの「人生はビギナーズ」を観る。
これが良かった。いぬも良い。いぬ…。
広告や政治のカットを挟んで年代で俯瞰する手法は21century wemenにも使われていたけど、アメリカ映画ぽくない距離感があって好きだ。
まだ情緒がぐしゃぐしゃである。泣きながら観た。
そう没頭して観ている一方で、少年時代の回想にのみ登場する若い母の造形はミランダ・ジュライに似ているな、と思う。ゴシップ的な観かたは悪趣味だけど。
いつも恋人とうまく行くはずがないと思って、と吐露するとき、少年時代の母を思い出している。気難しい母の機嫌を損ねないように生きてきたひとり息子の哀しみだ。
先回りして女性が気分よくいられる行動を取ってしまう。ケアする役目を強いられてきたからだけど、そんな自分を肯定することはない。ケアを強いた肝心の母は満たされることはなかったからだ。
というのをわかってもらえる筈がないと思って恋人に伝えることができない。いつも関係が続かないのだ。この描写は胸につまされて痛いくらいだった。
でも救いはちゃんとあった。
父は75歳にして等身大の自分の欲望を受容れ、行動に出る。その姿から息子はずっと欲しかったものを受け取ることができる。生の不確実な一回性のなかでは「試してみよう」としか言えないけど、それが良いんじゃない、と思える。
予定が変わって時間が出来たのでU-NEXTでマイク・ミルズの「人生はビギナーズ」を観る。
これが良かった。いぬも良い。いぬ…。
広告や政治のカットを挟んで年代で俯瞰する手法は21century wemenにも使われていたけど、アメリカ映画ぽくない距離感があって好きだ。
まだ情緒がぐしゃぐしゃである。泣きながら観た。
そう没頭して観ている一方で、少年時代の回想にのみ登場する若い母の造形はミランダ・ジュライに似ているな、と思う。ゴシップ的な観かたは悪趣味だけど。
いつも恋人とうまく行くはずがないと思って、と吐露するとき、少年時代の母を思い出している。気難しい母の機嫌を損ねないように生きてきたひとり息子の哀しみだ。
先回りして女性が気分よくいられる行動を取ってしまう。ケアする役目を強いられてきたからだけど、そんな自分を肯定することはない。ケアを強いた肝心の母は満たされることはなかったからだ。
というのをわかってもらえる筈がないと思って恋人に伝えることができない。いつも関係が続かないのだ。この描写は胸につまされて痛いくらいだった。
でも救いはちゃんとあった。
父は75歳にして等身大の自分の欲望を受容れ、行動に出る。その姿から息子はずっと欲しかったものを受け取ることができる。生の不確実な一回性のなかでは「試してみよう」としか言えないけど、それが良いんじゃない、と思える。