サユリ 感想 運動して食べて寝ろ
公開 2024/09/07 08:50
最終更新
2024/09/07 09:14
「観終わった後、身体を鍛えたくなる映画」というのは良い作品であることが多いと思っています。まぁ実際にトレーニングするかは…その、アレですが。
最近だと個別に記事は書いていないのですが、密輸1970などはフィジカルの大切さを説いており観ているこっちも鍛えなきゃ…!と思いながら映画館を出ました。その後ケーキ買って帰ったけど。
今回のサユリはもう少し具体的に、よく運動してよく食べてよく寝るという指標を打ち出してくれています。食べて寝るのはすぐできそうだ、良かったね。押切蓮介先生の漫画を原作に、「コワすぎ!」等の白石晃士監督が映像化。原作も遅ればせながら読みました。例のシーンが描き足された完全版です。面白かった!
***
中古で買ったマイホームには怨霊がとりついており、家族が一人ずつ呪い殺されてしまう。残るはあと二人、というところで認知症のおばあちゃんが覚醒。孫の少年と共に怨霊サユリに立ち向かうーー。
***
観ている途中で流 れ 変 わ っ た なとなる映画は沢山ありますが、流れが変わることをできるだけ伏せていたいものが大半だと思う。そういうとき頼むから観てくれとしか言えないのがもどかしい。
ただ今作の場合、祖母が覚醒するというところは確かに流れ変わったなポイントではあるのですが正直そこはネタバレにならないというか、まだ通過点でしかないんですよね。そもそも宣伝の時点でそういう作品であることはバラしてますし。まぁとりあえず観てくれやということには変わりないのですが。
今作の凄さはその後の二人の覚悟にあると思います。祖母の行動に対しての孫の「でも、やるしかない」(うろ覚えです…)という旨の台詞が象徴している通り、そこまで追い詰められた生きている人間の怒りや悲しみが力に変換されるさまが凄まじかったです。死んでいった家族のことを一人ひとり語りながらウエポンをゴトッ…ゴトッ…と取り出すシーンは永遠に語り継がれていってほしいですね。
(前後しますが…)例のカットに切り替わった直後、原作未読でしたので一瞬何が起こったのか全くわからなかったんですよ。それが段々何をしたのか理解できてきて、こいつやりよったな?!となる瞬間のカタルシスがすごく心地よかった。こいつやりよったな……。
一方、この作品は上記のシーンにあるような「ネット受けしやすさのあるアッパーなホラー」ではあるものもそれらが隠しきれない悲惨さ、しんどさというのも確かにあります。勿論それも本作の魅力であるのかなとも思いますが…。
前半の家族がどんどん死んでいくシーンが精神的なしんどさもホラー的な見せ方も駄目な人は駄目なレベルで良かった。
このあたり、原作漫画と映画とでアプローチ方法が絶妙に変わっていることが効果的で、その比較がすごく興味深かったです。
漫画ってコマ割りとページ捲りで進んでいくから映画(映像作品)よりも一つ一つの区切りがはっきりしていると思う。で、原作はその手法をかなり効果的に使われていて、淡々と進んでいくように見せて大コマやページを捲った先など必要なところのみでズシャッとショッキングなシーンを見せてくれる。
対して映画の方はじわじわと、流動的に盛り上がっていきます。光を使った演出や吹き抜けを利用した見せ方なども良かったです。
グラフにすると盛り上がりの最高潮は同じだけど、漫画の方が鋭角的、映画は流線的という印象でした。
原作との違いとしてはもうひとつ、サユリのあり方が結構大きく改変されていますね。好き嫌いは分かれると思うのですが、個人的には映画を先に観たのもありこの改変は嫌いではありません。
去年のコワすぎ!や決して送ってこないでくださいにも若干通じる部分があり、白石監督らしさというか、こういうものを描いていかれたいのかなぁというものが感じられました。
全体的なアッパーさで隠しきれない滲み出る悲惨さが観ている人にいきなりナイフを突きつけてくるようなゾクッとする感覚があり、個人的にとても好きです。
あと冒頭の教師が市川だったりなんか既視感のある高名な霊媒師とか異空間と霊体ミミズとかなんか、この、安心感すら感じるい つ も の達も観られて良かった。
最近だと個別に記事は書いていないのですが、密輸1970などはフィジカルの大切さを説いており観ているこっちも鍛えなきゃ…!と思いながら映画館を出ました。その後ケーキ買って帰ったけど。
今回のサユリはもう少し具体的に、よく運動してよく食べてよく寝るという指標を打ち出してくれています。食べて寝るのはすぐできそうだ、良かったね。押切蓮介先生の漫画を原作に、「コワすぎ!」等の白石晃士監督が映像化。原作も遅ればせながら読みました。例のシーンが描き足された完全版です。面白かった!
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中古で買ったマイホームには怨霊がとりついており、家族が一人ずつ呪い殺されてしまう。残るはあと二人、というところで認知症のおばあちゃんが覚醒。孫の少年と共に怨霊サユリに立ち向かうーー。
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観ている途中で流 れ 変 わ っ た なとなる映画は沢山ありますが、流れが変わることをできるだけ伏せていたいものが大半だと思う。そういうとき頼むから観てくれとしか言えないのがもどかしい。
ただ今作の場合、祖母が覚醒するというところは確かに流れ変わったなポイントではあるのですが正直そこはネタバレにならないというか、まだ通過点でしかないんですよね。そもそも宣伝の時点でそういう作品であることはバラしてますし。まぁとりあえず観てくれやということには変わりないのですが。
今作の凄さはその後の二人の覚悟にあると思います。祖母の行動に対しての孫の「でも、やるしかない」(うろ覚えです…)という旨の台詞が象徴している通り、そこまで追い詰められた生きている人間の怒りや悲しみが力に変換されるさまが凄まじかったです。死んでいった家族のことを一人ひとり語りながらウエポンをゴトッ…ゴトッ…と取り出すシーンは永遠に語り継がれていってほしいですね。
(前後しますが…)例のカットに切り替わった直後、原作未読でしたので一瞬何が起こったのか全くわからなかったんですよ。それが段々何をしたのか理解できてきて、こいつやりよったな?!となる瞬間のカタルシスがすごく心地よかった。こいつやりよったな……。
一方、この作品は上記のシーンにあるような「ネット受けしやすさのあるアッパーなホラー」ではあるものもそれらが隠しきれない悲惨さ、しんどさというのも確かにあります。勿論それも本作の魅力であるのかなとも思いますが…。
前半の家族がどんどん死んでいくシーンが精神的なしんどさもホラー的な見せ方も駄目な人は駄目なレベルで良かった。
このあたり、原作漫画と映画とでアプローチ方法が絶妙に変わっていることが効果的で、その比較がすごく興味深かったです。
漫画ってコマ割りとページ捲りで進んでいくから映画(映像作品)よりも一つ一つの区切りがはっきりしていると思う。で、原作はその手法をかなり効果的に使われていて、淡々と進んでいくように見せて大コマやページを捲った先など必要なところのみでズシャッとショッキングなシーンを見せてくれる。
対して映画の方はじわじわと、流動的に盛り上がっていきます。光を使った演出や吹き抜けを利用した見せ方なども良かったです。
グラフにすると盛り上がりの最高潮は同じだけど、漫画の方が鋭角的、映画は流線的という印象でした。
原作との違いとしてはもうひとつ、サユリのあり方が結構大きく改変されていますね。好き嫌いは分かれると思うのですが、個人的には映画を先に観たのもありこの改変は嫌いではありません。
去年のコワすぎ!や決して送ってこないでくださいにも若干通じる部分があり、白石監督らしさというか、こういうものを描いていかれたいのかなぁというものが感じられました。
全体的なアッパーさで隠しきれない滲み出る悲惨さが観ている人にいきなりナイフを突きつけてくるようなゾクッとする感覚があり、個人的にとても好きです。
あと冒頭の教師が市川だったりなんか既視感のある高名な霊媒師とか異空間と霊体ミミズとかなんか、この、安心感すら感じるい つ も の達も観られて良かった。
怖い話、特にホラー寄りの映画が好きです。
映画をよく観るようになったのがここ数年からなので、古い有名なものとかあまり観られていなかったりします。
映画をよく観るようになったのがここ数年からなので、古い有名なものとかあまり観られていなかったりします。
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