テリファー0 感想 “恐ろしいもの”がやって来る
公開 2024/11/09 22:00
最終更新
2024/11/09 22:00
11/29よりシリーズ最新作テリファー 聖夜の悪夢が公開されるテリファーシリーズですが、11/8より過去作が週替りでリバイバル上映※されています。
その第一週目テリファー0を観てきました。
※テリファー0のみ国内初上映のようです。

手前のアート・ザ・クラウンさんガン無視で見切れているサンタさんだけ顔認識された特典
アマプラ等で配信済みなので、以下の感想文については物語の核心について触れている場合があります。
また、「テリファー(一作目)」及び二作目「テリファー 終わらない惨劇」の内容についても触れる場合があります。
***
テリファーシリーズは一作目は配信で、二作目は劇場で鑑賞済み。吐いてないです。
プロトタイプ的な作品があるという情報自体は知っていましたが、どんな内容かは全く存じ上げませんでした。10月末に配信はじまったしハロウィンだし観るか〜って思ったところに劇場公開のお知らせがあり、わくわくしながら一週間待った次第です。
嘘です早く観たくてアマプラの再生ボタンをタップしそうになるのを必死に我慢してました。
短編だと思ってたら普通に88分。これはこれで嬉しい。
この後のシリーズに直接繋がるわけではないのですが、「殺人ピエロ“アート・ザ・クラウン”がどういう存在として作られているのか」という制作側の意図の片鱗がなんとなく伺える構成となっており、非常に興味深い作品です。
ストーリーも予測可能回避不可能な結末へじわじわ突き進んでいくタイプの、ハラハラとした嫌な感覚が十分に楽しめる良い映画でした!こんな面白い作品が国内劇場未公開だったんですか?!
***
ハロウィンの夜。チャイルドシッターと二人の姉弟はお菓子の詰め合わせの中に黒いVHSが混ざっていることに気づく。子どもがどうしても観たがったため渋々再生することにしたが、その内容は奇妙な三本のホラー映画であった。
***
もうこれだけでこのあと何が起こるかわかるの、本当に予測可能回避不可能すぎる。
しかしホラー映画に出てくる子ども達、みんなホラー映画大好きだよな……。
作中作一番目は地下に閉じ込められた女性が脱出を試みるも悪魔(?)に捕まって襲われる、という話。
我らがアート・ザ・クラウンさんは意外にも冒頭で女性を拉致するのみに留まります。あとに出てくるのは悪魔らしき集団ですが、彼らや残酷なシーンが(恐らく意図しているのでしょうが)めちゃくちゃ作り物っぽい。
てっきりアート・ザ・クラウンさんがそのまま女性を拷問するもんだと思ってたから明らかに体格が違う謎の顔面溶解男が出てきたときは何が起こったのかと思いました。
最初仲間かなと思ったんてすけど、確実に違う。アート・ザ・クラウンだけこの作中作から切り離されているような、そんな感じでした。
子ども二人はここでベッドに行かされますが、その時のシッターとの会話がもうこの後の展開のネタバレだろって位にストレートで良い。なんならテレビで流れている古い映画(先述の黒いVHSではない)の内容もやたら示唆に富んでます。
でもそれが良い。
わかりきった最悪への道が丁寧に舗装されています。
二番目の作中作は郊外に引越したばかりの女性が謎の停電のちあるものに遭遇する、というもの。
この話にもアート・ザ・クラウンさんは直接関わってきません。
しかし、存在します。二話目冒頭のシーンからバレバレなんですが、2(終わらない惨劇)のある設定を彷彿させて良かったです。直接関係は無さそうだけどね。
チープさは一話目よりは薄れているものの、結構突拍子もない感じもあり「まだ作り物だな」って思えます。
ここでやめときゃ良いのに(もう手遅れかもしれませんが)なぜか三番目の話も観てしまうシッター。
ここでようやく真打ち登場。
殺してくるタイプのピエロ代表格、我らがアート・ザ・クラウンさんメイン回。
( https://mazisuka.com/?p=15293 )
最後は深夜のガソリンスタンドで女性がアート・ザ・クラウンさんに遭遇するという話です。
シチュエーションは違いますが、店員さんがアート・ザ・クラウンさんにキレてるのはテリファー一作目と同じ感じですね。人体損壊描写はのちのシリーズよりかは抑えめですが、それでも前二話からのリアリティが格段に上がっています。短いながら二転三転する展開も良い。
ところでヒロイン頬の手当されてたけどあれやったのもしかしてアート・ザ・クラウンさんなの…?
「“本当”じゃあない」とたかをくくっていたものが段々こちらに近づいてきて、有るはずの線引を越えようとする。シンプルだけど普段「恐ろしいもの(terrifier)」をフィクションとして楽しんでいる自分にとってはどこか肝の冷える感覚がありました。
三話目と二話目には似通った構図のとあるカットが出てきます。
しかしその後の展開が、二話目ではそうならなかったものが三話目ではそうなってしまう。このあたりなども段階を踏んでこちらに近づいてくる感じがあり、非常に象徴的でした。
何書いてるかわかんないと思うんですが観ていただいたらわかると思う……。
(でもまぁ普通にグロい系統の作品だから苦手な方は自己責任でね)
大昔クソガキだったころ「この話を聞いたら夢に出てくる」系の怖い話にガチでビビってたんですよね。さっちゃんの都市伝説とか真面目にバナナの絵を描いて枕元に置いて寝てたもん。そういう忘れかけていた「“本物”への恐怖」を思い出させてくれるという意味でも、とても良い作品でした!劇場で観られて良かったな〜〜〜!!!
来週の「テリファー」は配信で鑑賞済みですが、やっぱりでかいスクリーンでギコギコを観たい気持ちもあるので時間次第にはなりますが観に行く方向でスケジュールを組みたいですね。
再来週の「終わらない惨劇」は劇場で去年観たけどここまで観て一個飛ばしは格好悪い(?)し、11月は毎週殺人ピエロに会いに行くことになりそうです。
でもあれ2時間18分あるんだよなぁ……。
その第一週目テリファー0を観てきました。
※テリファー0のみ国内初上映のようです。

手前のアート・ザ・クラウンさんガン無視で見切れているサンタさんだけ顔認識された特典
アマプラ等で配信済みなので、以下の感想文については物語の核心について触れている場合があります。
また、「テリファー(一作目)」及び二作目「テリファー 終わらない惨劇」の内容についても触れる場合があります。
***
テリファーシリーズは一作目は配信で、二作目は劇場で鑑賞済み。吐いてないです。
プロトタイプ的な作品があるという情報自体は知っていましたが、どんな内容かは全く存じ上げませんでした。10月末に配信はじまったしハロウィンだし観るか〜って思ったところに劇場公開のお知らせがあり、わくわくしながら一週間待った次第です。
嘘です早く観たくてアマプラの再生ボタンをタップしそうになるのを必死に我慢してました。
短編だと思ってたら普通に88分。これはこれで嬉しい。
この後のシリーズに直接繋がるわけではないのですが、「殺人ピエロ“アート・ザ・クラウン”がどういう存在として作られているのか」という制作側の意図の片鱗がなんとなく伺える構成となっており、非常に興味深い作品です。
ストーリーも予測可能回避不可能な結末へじわじわ突き進んでいくタイプの、ハラハラとした嫌な感覚が十分に楽しめる良い映画でした!こんな面白い作品が国内劇場未公開だったんですか?!
***
ハロウィンの夜。チャイルドシッターと二人の姉弟はお菓子の詰め合わせの中に黒いVHSが混ざっていることに気づく。子どもがどうしても観たがったため渋々再生することにしたが、その内容は奇妙な三本のホラー映画であった。
***
もうこれだけでこのあと何が起こるかわかるの、本当に予測可能回避不可能すぎる。
しかしホラー映画に出てくる子ども達、みんなホラー映画大好きだよな……。
作中作一番目は地下に閉じ込められた女性が脱出を試みるも悪魔(?)に捕まって襲われる、という話。
我らがアート・ザ・クラウンさんは意外にも冒頭で女性を拉致するのみに留まります。あとに出てくるのは悪魔らしき集団ですが、彼らや残酷なシーンが(恐らく意図しているのでしょうが)めちゃくちゃ作り物っぽい。
てっきりアート・ザ・クラウンさんがそのまま女性を拷問するもんだと思ってたから明らかに体格が違う謎の顔面溶解男が出てきたときは何が起こったのかと思いました。
最初仲間かなと思ったんてすけど、確実に違う。アート・ザ・クラウンだけこの作中作から切り離されているような、そんな感じでした。
子ども二人はここでベッドに行かされますが、その時のシッターとの会話がもうこの後の展開のネタバレだろって位にストレートで良い。なんならテレビで流れている古い映画(先述の黒いVHSではない)の内容もやたら示唆に富んでます。
でもそれが良い。
わかりきった最悪への道が丁寧に舗装されています。
二番目の作中作は郊外に引越したばかりの女性が謎の停電のちあるものに遭遇する、というもの。
この話にもアート・ザ・クラウンさんは直接関わってきません。
しかし、存在します。二話目冒頭のシーンからバレバレなんですが、2(終わらない惨劇)のある設定を彷彿させて良かったです。直接関係は無さそうだけどね。
チープさは一話目よりは薄れているものの、結構突拍子もない感じもあり「まだ作り物だな」って思えます。
ここでやめときゃ良いのに(もう手遅れかもしれませんが)なぜか三番目の話も観てしまうシッター。
ここでようやく真打ち登場。
殺してくるタイプのピエロ代表格、我らがアート・ザ・クラウンさんメイン回。
( https://mazisuka.com/?p=15293 )
最後は深夜のガソリンスタンドで女性がアート・ザ・クラウンさんに遭遇するという話です。
シチュエーションは違いますが、店員さんがアート・ザ・クラウンさんにキレてるのはテリファー一作目と同じ感じですね。人体損壊描写はのちのシリーズよりかは抑えめですが、それでも前二話からのリアリティが格段に上がっています。短いながら二転三転する展開も良い。
ところでヒロイン頬の手当されてたけどあれやったのもしかしてアート・ザ・クラウンさんなの…?
「“本当”じゃあない」とたかをくくっていたものが段々こちらに近づいてきて、有るはずの線引を越えようとする。シンプルだけど普段「恐ろしいもの(terrifier)」をフィクションとして楽しんでいる自分にとってはどこか肝の冷える感覚がありました。
三話目と二話目には似通った構図のとあるカットが出てきます。
しかしその後の展開が、二話目ではそうならなかったものが三話目ではそうなってしまう。このあたりなども段階を踏んでこちらに近づいてくる感じがあり、非常に象徴的でした。
何書いてるかわかんないと思うんですが観ていただいたらわかると思う……。
(でもまぁ普通にグロい系統の作品だから苦手な方は自己責任でね)
大昔クソガキだったころ「この話を聞いたら夢に出てくる」系の怖い話にガチでビビってたんですよね。さっちゃんの都市伝説とか真面目にバナナの絵を描いて枕元に置いて寝てたもん。そういう忘れかけていた「“本物”への恐怖」を思い出させてくれるという意味でも、とても良い作品でした!劇場で観られて良かったな〜〜〜!!!
来週の「テリファー」は配信で鑑賞済みですが、やっぱりでかいスクリーンでギコギコを観たい気持ちもあるので時間次第にはなりますが観に行く方向でスケジュールを組みたいですね。
再来週の「終わらない惨劇」は劇場で去年観たけどここまで観て一個飛ばしは格好悪い(?)し、11月は毎週殺人ピエロに会いに行くことになりそうです。
でもあれ2時間18分あるんだよなぁ……。