テリファー 感想 まだギリギリ人間(かもしれない)
公開 2024/11/20 08:27
最終更新
2024/11/20 08:27
(そんなわけない)
最新作公開までTOHO新宿(と梅田)にて週替りで過去作が上映されているテリファーを観てきました。
配信で以前鑑賞済みではありますが、劇場のでかいスクリーンでギコギコを観たかったし、ストーリーの流れや次回作がわかった状態で改めて観るとそれなりに発見があったりで非常に楽しめました。
普通に配信もされていますので、下記の文章はネタバレや作品のハイライト的なことにも触れています。またテリファー0、テリファー 終わらない惨劇 にも触れる場合があります。
物語はあるテレビ番組からはじまります。
*****
マイルズ群でハロウィンの夜に起きた惨劇の1年後。ゲストとして登壇した唯一の生存者の女性は顔面が破壊され、元の面影が全くわからない状態。番組では彼女が誰なのか、名前も我々には明かされない。
*****
つまり、誰が生き残ったのかというのが物語の肝でもある……ように見えますすが、これは物語中結構早くにわかってしまいます。
勿論ミステリーとして作られた作品ではありませんし、物語の面白さは全く損なわれてはいないのですが、もし何年後かにリブートされるということがあったらこのあたりお金をかけて最後まで誰なの?!というような脚本や演出になったら……とも妄想しちゃいます。
そしてそのテレビ番組を観ながらなにかの準備をする謎の人物。
一回観た筈なのにすっかり忘れてましたが、アート・ザ・クラウンさん、ちゃんとメイクしてあの顔面になっているんですよね……。
*****
テレビで語られた、1年前のマイルズ。
ハロウィンの夜、タラとドーンはパーティの帰りに立ち寄ったピザ屋でピエロの出で立ちをした異様な男に絡まれる。
一度は離れたものの、お手洗いに立ち寄ったボロアパートにて再度遭遇してしまう……。
*****
登場人物はもう少し出てきますが、あらすじ自体は結構シンプル。前後のシリーズと合わせて簡単な考察は出来ますが、基本的にはアート・ザ・クラウンさんの残虐行為を楽しむ映画と言って良いでしょう。
でもめちゃくちゃ面白い。(個人の感想です)
その第一の理由としてはやはり思い切ったゴア表現なのだと思います。
今回改めて観て地味に好きだな〜と思ったのはピザ屋の一人が顔面をめちゃくちゃにされるところ。
ありえない箇所からはみ出した舌らしきものがぷるぷる震えている表現に謎の感動を覚えました。何でだよ。
勿論私は造形も人体のことも全然わからない素人なんですけど、ダイナミックな破壊の中の細かいこだわりが匠…!という感じで凄く好きです。
勿論有名なギコギコも良い。
昔車裂きという刑の存在をはじめて知ったときに人間はここまで残虐なことを生身の人にできるのだなぁとドン引きしつつ感心したものですが、それを良い感じにホラーエンタメとしてデフォルメしてきたという感じ。まぁオススメはできません。
このシリーズの登場人物は基本的にかなり生命力が強く、今回の女性もノコギリが胸部に達するまで悲鳴を上げ続けています。確かにちょっとギャグ感はあるのですが、アートザ・クラウンさんのファニーさもあって全体的に見ると良いバランスだと思いました。
例の女装も勿論好きなんですけど、これは次の理由と合わせて詳しく書きます。
ついでに書くと今作に限りキャラクターの内面が描かれていません。ホラー映画の登場人物にありがちな葛藤や不和・不安、それを乗り越えることによる成長が全くない。
なので変に感情移入せずにさくさく殺されることを楽しめます。
(まぁそれらを描いている次回作もそれはそれで楽しかったのですが…)
第二の理由は殺人ピエロ アート・ザ・クラウンの存在の不確かさだと思います。
いや、確実に人外の存在なんですよ。でも彼のいたるところから滲み出るあの人間っぽさってマジで何なんですかね?
冒頭でメイクしてたし、相手のこと指さして笑うし(声は出さない)、挙句の果てに全裸女装をするの、マジで何者?
いや何者か?という問いにはTerrifierとしか言いようがないのですが。
ホラー映画の、人外寄りの殺人鬼があまりやってこなかったことではないでしょうか。知らんけど。
(そういば全裸女装はバッファロー・ビルがそれっぽいことをやっていたけど彼は人間だし、そもそも元ネタがああだからとも言えますが…)(おまけにアート・ザ・クラウンさん、2では女装関係なく脱ぐしな)
確実に人外であるという描写があるにもかかわらず、妙な人間らしさが所々にあるせいでもしかしてちょっと身体能力が高いだけでちゃんと戸籍を持っている異常者なだけなのでは…?と思ってしまう。
あと汚い話になって大変申しわけないのですが、お手洗いを汚した(らしい)し、それって体内に人間に準ずる各器官が備わっているってことですよね。マジでなんなんだ。
恐怖って明かされないから怖い、みたいな考えがありますが、アート・ザ・クラウンさんに関しては明かされない怖さに加えて明かされてもどうにもならない怖さとの二倍ドン!だと思います。ずるいね!
あと今回観返して気になったシーンなどいろいろ。
・車の中でのタラとドーンがアート・ザ・クラウンさんについてアイツヤバイよいや気にし過ぎっしょって話しているときそのころ一方…みたいな感じで殺しの現場中継が入るのがめちゃくちゃおもろくて好きです。
・ラジオCMで流れていためちゃくちゃ広いハロウィン専門店って2で出てきたお店かな?
・アパートの地下通路っぽいところ、0の1話目に出てきた通路と同じセットだ。
・アパートに住み着いていた人形を我が子だと思ってあやす女性とのやりとりのシーン。
あやされていた赤ちゃん=2で出てきた女の子の霊かな〜とも思ったんですけど、年齢がまぁ合わないよね。
でもそれを言うとあの女の子だって生前から白塗りピエロメイクだった訳ではないだろうし、うーん…。
・検死のシーンは0のラストを彷彿させますが、やはりアート・ザ・クラウンさんの特殊能力というか、確定演出みたいなものだろうか。
こうなったら2のリバイバル上映も行きたいんですけど、2時間18分だしたぶん夜しか上映しなさそうだし(当たり前だ)、どうしよう。多分行くけど。
最新作公開までTOHO新宿(と梅田)にて週替りで過去作が上映されているテリファーを観てきました。
配信で以前鑑賞済みではありますが、劇場のでかいスクリーンでギコギコを観たかったし、ストーリーの流れや次回作がわかった状態で改めて観るとそれなりに発見があったりで非常に楽しめました。
普通に配信もされていますので、下記の文章はネタバレや作品のハイライト的なことにも触れています。またテリファー0、テリファー 終わらない惨劇 にも触れる場合があります。
物語はあるテレビ番組からはじまります。
*****
マイルズ群でハロウィンの夜に起きた惨劇の1年後。ゲストとして登壇した唯一の生存者の女性は顔面が破壊され、元の面影が全くわからない状態。番組では彼女が誰なのか、名前も我々には明かされない。
*****
つまり、誰が生き残ったのかというのが物語の肝でもある……ように見えますすが、これは物語中結構早くにわかってしまいます。
勿論ミステリーとして作られた作品ではありませんし、物語の面白さは全く損なわれてはいないのですが、もし何年後かにリブートされるということがあったらこのあたりお金をかけて最後まで誰なの?!というような脚本や演出になったら……とも妄想しちゃいます。
そしてそのテレビ番組を観ながらなにかの準備をする謎の人物。
一回観た筈なのにすっかり忘れてましたが、アート・ザ・クラウンさん、ちゃんとメイクしてあの顔面になっているんですよね……。
*****
テレビで語られた、1年前のマイルズ。
ハロウィンの夜、タラとドーンはパーティの帰りに立ち寄ったピザ屋でピエロの出で立ちをした異様な男に絡まれる。
一度は離れたものの、お手洗いに立ち寄ったボロアパートにて再度遭遇してしまう……。
*****
登場人物はもう少し出てきますが、あらすじ自体は結構シンプル。前後のシリーズと合わせて簡単な考察は出来ますが、基本的にはアート・ザ・クラウンさんの残虐行為を楽しむ映画と言って良いでしょう。
でもめちゃくちゃ面白い。(個人の感想です)
その第一の理由としてはやはり思い切ったゴア表現なのだと思います。
今回改めて観て地味に好きだな〜と思ったのはピザ屋の一人が顔面をめちゃくちゃにされるところ。
ありえない箇所からはみ出した舌らしきものがぷるぷる震えている表現に謎の感動を覚えました。何でだよ。
勿論私は造形も人体のことも全然わからない素人なんですけど、ダイナミックな破壊の中の細かいこだわりが匠…!という感じで凄く好きです。
勿論有名なギコギコも良い。
昔車裂きという刑の存在をはじめて知ったときに人間はここまで残虐なことを生身の人にできるのだなぁとドン引きしつつ感心したものですが、それを良い感じにホラーエンタメとしてデフォルメしてきたという感じ。まぁオススメはできません。
このシリーズの登場人物は基本的にかなり生命力が強く、今回の女性もノコギリが胸部に達するまで悲鳴を上げ続けています。確かにちょっとギャグ感はあるのですが、アートザ・クラウンさんのファニーさもあって全体的に見ると良いバランスだと思いました。
例の女装も勿論好きなんですけど、これは次の理由と合わせて詳しく書きます。
ついでに書くと今作に限りキャラクターの内面が描かれていません。ホラー映画の登場人物にありがちな葛藤や不和・不安、それを乗り越えることによる成長が全くない。
なので変に感情移入せずにさくさく殺されることを楽しめます。
(まぁそれらを描いている次回作もそれはそれで楽しかったのですが…)
第二の理由は殺人ピエロ アート・ザ・クラウンの存在の不確かさだと思います。
いや、確実に人外の存在なんですよ。でも彼のいたるところから滲み出るあの人間っぽさってマジで何なんですかね?
冒頭でメイクしてたし、相手のこと指さして笑うし(声は出さない)、挙句の果てに全裸女装をするの、マジで何者?
いや何者か?という問いにはTerrifierとしか言いようがないのですが。
ホラー映画の、人外寄りの殺人鬼があまりやってこなかったことではないでしょうか。知らんけど。
(そういば全裸女装はバッファロー・ビルがそれっぽいことをやっていたけど彼は人間だし、そもそも元ネタがああだからとも言えますが…)(おまけにアート・ザ・クラウンさん、2では女装関係なく脱ぐしな)
確実に人外であるという描写があるにもかかわらず、妙な人間らしさが所々にあるせいでもしかしてちょっと身体能力が高いだけでちゃんと戸籍を持っている異常者なだけなのでは…?と思ってしまう。
あと汚い話になって大変申しわけないのですが、お手洗いを汚した(らしい)し、それって体内に人間に準ずる各器官が備わっているってことですよね。マジでなんなんだ。
恐怖って明かされないから怖い、みたいな考えがありますが、アート・ザ・クラウンさんに関しては明かされない怖さに加えて明かされてもどうにもならない怖さとの二倍ドン!だと思います。ずるいね!
あと今回観返して気になったシーンなどいろいろ。
・車の中でのタラとドーンがアート・ザ・クラウンさんについてアイツヤバイよいや気にし過ぎっしょって話しているときそのころ一方…みたいな感じで殺しの現場中継が入るのがめちゃくちゃおもろくて好きです。
・ラジオCMで流れていためちゃくちゃ広いハロウィン専門店って2で出てきたお店かな?
・アパートの地下通路っぽいところ、0の1話目に出てきた通路と同じセットだ。
・アパートに住み着いていた人形を我が子だと思ってあやす女性とのやりとりのシーン。
あやされていた赤ちゃん=2で出てきた女の子の霊かな〜とも思ったんですけど、年齢がまぁ合わないよね。
でもそれを言うとあの女の子だって生前から白塗りピエロメイクだった訳ではないだろうし、うーん…。
・検死のシーンは0のラストを彷彿させますが、やはりアート・ザ・クラウンさんの特殊能力というか、確定演出みたいなものだろうか。
こうなったら2のリバイバル上映も行きたいんですけど、2時間18分だしたぶん夜しか上映しなさそうだし(当たり前だ)、どうしよう。多分行くけど。