ベルサイユのばら 感想 わたしをギロチンにかけてくれ!
公開 2025/02/08 18:42
最終更新
2025/02/08 18:42
一日に劇場アニメベルサイユのばらを観てきました。


原作のみ履修、アニメ・舞台などは観ていません。
※今YouTubeで劇場公開記念アニメ無料公開があり、一昨日最初の数話を鑑賞しました。第一話からアニオリぶっこんできたりオスカルの初期一人称が俺だったり(原作今手元に無いんですがそうでしたっけ?!)、エンディングの愛の光と影、アンドレのネタバレ台詞が初回から入っていたりとなかなか面白いです。
2/5現在YouTubeでは公開終了している回もあるのですが、U-NEXTにあったのでちまちま消化しようと思います。
あと主題歌薔薇は美しく散るのLAREINEのカバー版が好きで、鑑賞後から通勤中ずっとリピートしています(や、原曲もメロディからめちゃくちゃ好みなんですが…)。令和だぞ?
原作は三十年間以上ある時間軸を描いており、それを二時間弱にまとめるため観る前はだ、大丈夫か…?という気持ちも正直ありました。
が、結果を先に言うとかなり、いやめちゃくちゃ上手く纏めていると思います。
原作から大きなテーマをひとつさだめめ、それに関係しないエピソードをかなり思い切って削る。つなぎは歌とイメージ映像に任せる。そうすることによって強弱つけつつ不自然なRTA感の無い仕上がりになっていました。思い切ってる!
ではそのテーマとは何か。これは終盤、オスカルがフランス衛兵隊に向けて宣言する人間は神の元に平等であり、心のみならず髪の毛一本でさえも他人に縛られてはならない(確か)といった旨の台詞にあらわれています。
今作はオスカルの人生を通して、彼女が(命を失っても)に真の自由を得る物語として再構成したものなのだと思います。
一応アントワネットとオスカルのダブル主人公、みたいなビジュアルですがキャラクター描写としては圧倒的にオスカルが多めですしね。
その弊害と言ってはなんですが、あの、ロザリーがほとんど出てこないんですよ…。
ロザリーを出すとなると有名な文句があるならベルサイユにいらっしゃいや姉との確執、首飾り事件(ダイジェスト映像にはあった)も描写せんとなんでまぁ妥当っちゃあ妥当なんですが。
一応出てくるには出てくるんですが、ほぼモブと同等の扱いです。
出番の多さで言ってしまえばジェローデルの方が圧倒的に多いし、台詞量的にはロベスピエールの演説より少なかったかもしれない。
そういえばロベスピエールの演説のあとチラッと映った前髪短めの男の人、サン・ジュストかなって思ってたけどナポレオンっぽい?
なんか今作そういう「原作に出てくるけど特に名乗ったりしない人物」が沢山いるので原作既読勢は「ミッケ!」みたいな楽しみ方が出来ると思います。原作未読勢は原作読んだら二回目行こう!
*****
好きな場面等について。キャラ萌えの話なんで様付けしますわ!
もう全編絵面がキラキラ可愛いのですが、女性、特にアントワネット様の手の描き方が原作の「お姫様のお手」という感じで凄く感動した。すらっとしていて、少しだけ外側に反った「あの指先」なんですよ。お美しい。お美しいですわアントワネット様!!!
ドレスも全部お可愛らしい。明るいブルー系のドレスがお似合いなのすごく好き。ノミの色のドレスは見当たらなかったけど!(見落としてただけでダイジェスト映像にあったかも…)
わたしとにかくボリュームのある髪の毛をした(二次元の)女の子が大好きなんですけど、アントワネット様が髪の毛下ろしたときのあのふわっとした曲線の後ろ髪も完全再現されていたのでめちゃくちゃ眼福でした!王妃様サイコー!(このときは王太子妃殿下だったかな)
あと一度フェルゼンがフランスを去ってからのお声のトーンがガラッと変わられたの、凄くないですか?!?!勿論成長もあったと思うんですけど、本当に大切なものが見えなくなった感じがひしひしと伝わってきてゾクゾクした。
アントワネット様ってけっして極悪人とか、悪女とかではなく多分本来はとても優しい人なんですよね。優しさの使い方が徹底的に間違っていただけで。そういう描写を短いながらバシッと描いてくれていてよ、良かった〜〜〜!!!
オスカル様も勿論お美しくて!お部屋着?の乗馬パンツにふわっとしたブラウスのスタイルが本当にうっとりする。でもブラウス胸元少し開きすぎじゃあなくって?ドキドキしちゃいますわよ笑
男装の麗人文化ってあまり知らなくて、今作とあと同じ池田理代子先生のオルフェウスの窓ぐらいしか読んでないんですけど、オスカル様ぐらいの女性らしい華やかさが残っている位が好みだな〜とあらためて思いました。
映画後半に行くにつれて、困窮した市民の描写が増えてきて色味が確実に変わってきているのが良いです。それまでロココ!白!ピンク!薄いブルー!だったのが一気に茶色や灰色が入ってくる。フランス衛兵隊のあたりは結構尺を長めにとっていて、特に兵士達が銃を売ったくだりはかなりもらい泣きしそうになった。はじめて靴下(靴だっけ?)を履いたってもう……。
7月14日、バスティーユ牢獄襲撃でもう情緒は完全にぐちゃぐちゃになりました。指揮を取っているオスカル様が悲壮なんだけどめちゃめちゃ格好良いんですよ!!跳ね橋をおろせ、すごく好きです。やっぱ軍師系キャラは……良い!!!
以降の物語はエンディングで史実風挿絵とともに語られるだけです。
正直バルコニーからのお辞儀やヴァレンヌ逃亡、クソ裁判など歴史ものとして「旨み」があり過ぎで非常に観たかったんですけど尺以前に「真の自由を得る物語」として構成された今回の映画からすると、ここで終わらせたのは凄くわかる。
いやでも前後編トータル四時間くらいかけてやってほしかった!!!うおおぉぉ!
****
とても満足できた作品ではあるのですが、正直劇中歌のメロディがあんまり自分の好みで無かったのがちょっと残念でした…。
旧アニメのOP・EDみたいな短調でクラシカルな美しい曲が好きなので、この手の楽曲がなかったのは結構びっくりでした。
ただ、今作を悲劇性を押し出したものにとどめたくなかったゆえなのかな、ということも十分想像できるしそれは正しかったと思います。
わたしの音楽の嗜好が狭すぎたがための事故みたいなものですが本当に申し訳ない!!!わたしをギロチンにかけてくれ!!!
一方歌の入らない劇伴は結構好きなものもありました。
一番良かったのはオスカルがジェローデルにごめんなさいをする場面。クラシカルで愛らしく、でも心の底から切なさが湧き上がってくるような曲調で、「このまま歌え…歌え……ジェローデル……!」って思いながら観てました。
あとアンドレが市民に負傷させられるところも好き。無力感のあるオルガンが良くて「このまま歌え…歌え……アンドレ……!」って思いながら観てました。もう一回観たら歌ってたりしないかなぁ。
そういや今回ジェローデルがやたら良いキャラしてたんだけど(ショコラふっかけられなかったし)、彼も革命後は処刑されてしまったんだろうか……。原作で触れられてましたっけ?死なないで〜〜〜💦


原作のみ履修、アニメ・舞台などは観ていません。
※今YouTubeで劇場公開記念アニメ無料公開があり、一昨日最初の数話を鑑賞しました。第一話からアニオリぶっこんできたりオスカルの初期一人称が俺だったり(原作今手元に無いんですがそうでしたっけ?!)、エンディングの愛の光と影、アンドレのネタバレ台詞が初回から入っていたりとなかなか面白いです。
2/5現在YouTubeでは公開終了している回もあるのですが、U-NEXTにあったのでちまちま消化しようと思います。
あと主題歌薔薇は美しく散るのLAREINEのカバー版が好きで、鑑賞後から通勤中ずっとリピートしています(や、原曲もメロディからめちゃくちゃ好みなんですが…)。令和だぞ?
原作は三十年間以上ある時間軸を描いており、それを二時間弱にまとめるため観る前はだ、大丈夫か…?という気持ちも正直ありました。
が、結果を先に言うとかなり、いやめちゃくちゃ上手く纏めていると思います。
原作から大きなテーマをひとつさだめめ、それに関係しないエピソードをかなり思い切って削る。つなぎは歌とイメージ映像に任せる。そうすることによって強弱つけつつ不自然なRTA感の無い仕上がりになっていました。思い切ってる!
ではそのテーマとは何か。これは終盤、オスカルがフランス衛兵隊に向けて宣言する人間は神の元に平等であり、心のみならず髪の毛一本でさえも他人に縛られてはならない(確か)といった旨の台詞にあらわれています。
今作はオスカルの人生を通して、彼女が(命を失っても)に真の自由を得る物語として再構成したものなのだと思います。
一応アントワネットとオスカルのダブル主人公、みたいなビジュアルですがキャラクター描写としては圧倒的にオスカルが多めですしね。
その弊害と言ってはなんですが、あの、ロザリーがほとんど出てこないんですよ…。
ロザリーを出すとなると有名な文句があるならベルサイユにいらっしゃいや姉との確執、首飾り事件(ダイジェスト映像にはあった)も描写せんとなんでまぁ妥当っちゃあ妥当なんですが。
一応出てくるには出てくるんですが、ほぼモブと同等の扱いです。
出番の多さで言ってしまえばジェローデルの方が圧倒的に多いし、台詞量的にはロベスピエールの演説より少なかったかもしれない。
そういえばロベスピエールの演説のあとチラッと映った前髪短めの男の人、サン・ジュストかなって思ってたけどナポレオンっぽい?
なんか今作そういう「原作に出てくるけど特に名乗ったりしない人物」が沢山いるので原作既読勢は「ミッケ!」みたいな楽しみ方が出来ると思います。原作未読勢は原作読んだら二回目行こう!
*****
好きな場面等について。キャラ萌えの話なんで様付けしますわ!
もう全編絵面がキラキラ可愛いのですが、女性、特にアントワネット様の手の描き方が原作の「お姫様のお手」という感じで凄く感動した。すらっとしていて、少しだけ外側に反った「あの指先」なんですよ。お美しい。お美しいですわアントワネット様!!!
ドレスも全部お可愛らしい。明るいブルー系のドレスがお似合いなのすごく好き。ノミの色のドレスは見当たらなかったけど!(見落としてただけでダイジェスト映像にあったかも…)
わたしとにかくボリュームのある髪の毛をした(二次元の)女の子が大好きなんですけど、アントワネット様が髪の毛下ろしたときのあのふわっとした曲線の後ろ髪も完全再現されていたのでめちゃくちゃ眼福でした!王妃様サイコー!(このときは王太子妃殿下だったかな)
あと一度フェルゼンがフランスを去ってからのお声のトーンがガラッと変わられたの、凄くないですか?!?!勿論成長もあったと思うんですけど、本当に大切なものが見えなくなった感じがひしひしと伝わってきてゾクゾクした。
アントワネット様ってけっして極悪人とか、悪女とかではなく多分本来はとても優しい人なんですよね。優しさの使い方が徹底的に間違っていただけで。そういう描写を短いながらバシッと描いてくれていてよ、良かった〜〜〜!!!
オスカル様も勿論お美しくて!お部屋着?の乗馬パンツにふわっとしたブラウスのスタイルが本当にうっとりする。でもブラウス胸元少し開きすぎじゃあなくって?ドキドキしちゃいますわよ笑
男装の麗人文化ってあまり知らなくて、今作とあと同じ池田理代子先生のオルフェウスの窓ぐらいしか読んでないんですけど、オスカル様ぐらいの女性らしい華やかさが残っている位が好みだな〜とあらためて思いました。
映画後半に行くにつれて、困窮した市民の描写が増えてきて色味が確実に変わってきているのが良いです。それまでロココ!白!ピンク!薄いブルー!だったのが一気に茶色や灰色が入ってくる。フランス衛兵隊のあたりは結構尺を長めにとっていて、特に兵士達が銃を売ったくだりはかなりもらい泣きしそうになった。はじめて靴下(靴だっけ?)を履いたってもう……。
7月14日、バスティーユ牢獄襲撃でもう情緒は完全にぐちゃぐちゃになりました。指揮を取っているオスカル様が悲壮なんだけどめちゃめちゃ格好良いんですよ!!跳ね橋をおろせ、すごく好きです。やっぱ軍師系キャラは……良い!!!
以降の物語はエンディングで史実風挿絵とともに語られるだけです。
正直バルコニーからのお辞儀やヴァレンヌ逃亡、クソ裁判など歴史ものとして「旨み」があり過ぎで非常に観たかったんですけど尺以前に「真の自由を得る物語」として構成された今回の映画からすると、ここで終わらせたのは凄くわかる。
いやでも前後編トータル四時間くらいかけてやってほしかった!!!うおおぉぉ!
****
とても満足できた作品ではあるのですが、正直劇中歌のメロディがあんまり自分の好みで無かったのがちょっと残念でした…。
旧アニメのOP・EDみたいな短調でクラシカルな美しい曲が好きなので、この手の楽曲がなかったのは結構びっくりでした。
ただ、今作を悲劇性を押し出したものにとどめたくなかったゆえなのかな、ということも十分想像できるしそれは正しかったと思います。
わたしの音楽の嗜好が狭すぎたがための事故みたいなものですが本当に申し訳ない!!!わたしをギロチンにかけてくれ!!!
一方歌の入らない劇伴は結構好きなものもありました。
一番良かったのはオスカルがジェローデルにごめんなさいをする場面。クラシカルで愛らしく、でも心の底から切なさが湧き上がってくるような曲調で、「このまま歌え…歌え……ジェローデル……!」って思いながら観てました。
あとアンドレが市民に負傷させられるところも好き。無力感のあるオルガンが良くて「このまま歌え…歌え……アンドレ……!」って思いながら観てました。もう一回観たら歌ってたりしないかなぁ。
そういや今回ジェローデルがやたら良いキャラしてたんだけど(ショコラふっかけられなかったし)、彼も革命後は処刑されてしまったんだろうか……。原作で触れられてましたっけ?死なないで〜〜〜💦