SAW X感想 日本よこれがデスゲームだ
公開 2024/10/25 21:59
最終更新 2024/10/25 21:59
SAW X(旧Twitterではない)を観てきました。
日本公開がいつになるのか一年以上待ってもう来ないのかな?って思ってたところでようやく公開されて本当に嬉しい。
ネタバレは勿論避けますが、シリーズ過去作については無理なのでどんどんネタバレ有りで話していきます。


SAWシリーズはとても好きなのですが、ほぼ配信で後追いで観たため劇場で観たのは今作と前作スパイラルのみ。
つまり、今回はじめてスクリーンで動くジョン・クレイマーを観たことになります。これが本当に嬉しかった!

ストーリーはシリーズ一作目と二作目の間の時系列。宣伝にもあるように脳腫瘍を患っているクレイマーが自身を騙して金を奪った医療詐欺グループを相手にゲームをしかけるというもの。

これ、つまりジョン・クレイマーの物語ということなんです。

今までのシリーズでは基本的に主人公はゲームの被験者であり、ジグソウは勿論主要キャラクターでありますがジグソウの視点が物語の主軸ではありませんでした。

しかし今回はジョン・クレイマーを主人公に置くことで、彼の人となりや掘り下げを非常に丁寧に行っています。実際結構尺を取っており、早くゲームを始めてくれとも思わなかったわけではないのですが、同時にようやく描かれたクレイマーの日常回(正確にはメキシコ療養編)に謎の感動を覚えたのも確かです。あと水着回温泉回学園祭回もくれ。

そしてそこで描かれるジョン・クレイマーのキャラクター性非常に良い
クレイマーは相手とのフェアプレーを厳格に貫いているキャラクター。それは日常回でも十分に表れており好感が持てる

今回、シリーズおなじみのアバンデスゲームが結構変則的な描かれ方をしていましたが、作品への導入を促しつつクレイマーの公平性を強調できる描き方だったと思う。
少し話が逸れるけどここの被験者、つまり映画が始まって最初のゲーム被験者が病院の清掃員なのもファン的にはグッとくるものがありました。

クレイマーの弟子(でいいのかな)のアマンダの掘り下げも凄くよかった。被験者の一人に思うところがあり、クレイマーに意見するシーンなどは過去作で描かれた彼女の人間像により深みを添えられて良い解釈だったと思う。
私昔アマンダってあんまり好きでなかったんですけど(彼女はフェアではないからね…)、今回の描写で「ああ、この人はこういう人間だったんだなぁ」と謎の感情が湧いてきて好きになってきました。チョロいな!

対する医療詐欺グループボスも凄く光る悪役でした。詐欺グループではあるけれど医者だから次々とデスゲームに巻き込まれる仲間たちへの医療系アドバイスがやたら的確(多分)。一周回ってギャグっぽく見えますが、まぁ好きです。
他にも絶対に生き残ってやるぞという意思が溢れまくったシーンが多くて中々愉快なお方でした。
携帯とろうとするくだりは1のオマージュなんだろうけど、すげえよアンタ!この生き汚さはデスゲーム相当適正高い

結構前情報で感動するみたいなコメントが多くて「いうてもSAWだしなあ…?」と半信半疑、なんなら7割くらい疑だったんですがクライマックスはかなり心に来るものがありました。
今までのシリーズにはなかった要素(もしかしたら敢えてやらなかったのかもしれない)をぶち込んできたゲームは、泣くまではいかないけどかなり揺さぶられたのは事実です。ズルいよ、ズルいよこんなん!!!(褒め言葉)

ファイナルを7と読み替えてもレガシー、スパイラルと経て敢えてナンバリングのXに戻ったのって勿論十作目という節目なのが大きいと思うんですけど、Xという文字が線対称・点対称で、ジョン・クレイマーが相手と対等であるというスタンスを表しているのかな〜〜と雑な深読みをさせていただきました!!!


思い出補正があることは十分承知なのですが、それ込みでも観たあと幸せな気持ちで劇場を出ることが出来た良い作品でした。
旧シリーズが好きだった、という方は是非観て欲しいです。
シリーズのオマージュ的な描写がそれなりに多いんですけど、個人的には5あたりまで観ていれば(Xを観るには)大体大丈夫かな〜〜と思います。

今回のデスゲームやちょっと気になったことなどネタバレありでも話したいので別ページに避けておきます。

https://writening.net/page?PZihkS

あまりに嬉しくてブルーベリースコーン焼きました。

作中では名前しか出てこなかったから見た目わかんないんだけどね……。
かえるくん
プロフィールページ
怖い話、特にホラー寄りの映画が好きです。
映画をよく観るようになったのがここ数年からなので、古い有名なものとかあまり観られていなかったりします。
最近の記事
トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦 感想 叉焼飯食べたい
「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」観てきました!二回。 いや実は二月中旬に一回観に行ったんですけど、開始…
2025/03/08 09:02
ベルサイユのばら 感想 わたしをギロチンにかけてくれ!
一日に劇場アニメベルサイユのばらを観てきました。 原作のみ履修、アニメ・舞台などは観ていません。 ※今YouTube…
2025/02/08 18:42
ミッシング・チャイルド・ビデオテープ 感想 子どもカメラマンによる最恐POVに耐えろ
「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」を観てきました。 行方不明展を思い出す。 POV系はクソ雑魚三半規管ゆえ…
2025/02/01 08:29
ストップモーション 感想 肉を触ったら手を洗え2025
「ストップモーション」を観てきました。 ストップモーションアニメというとご存知モルカーにMAD GOD、オオカミの家やポ…
2025/01/29 18:29
侍タイムスリッパー 感想 善性が眩しい
映画の日に「侍タイムスリッパー」を観てきました。 映画館での予告を目にはしつつも全くジャンル外だしなぁとスルーし…
2024/12/04 18:31
テリファー 聖夜の悪夢 感想 アート・ザ・クラウン(サンタのすがた)
良い肉の日に有給をとってテリファー 聖夜の悪夢を観てきました。 トリミングしたとしても載せていいかちょっと不安だか…
2024/12/03 21:53
テリファー 終わらない惨劇 感想 ビキニアーマー対殺人ピエロ
テリファー 終わらない惨劇を観てきました。 三週連続でTOHOの女優さんに「夢のある映画の旅をお楽しみください」って言われ…
2024/11/26 20:55
テリファー 感想 まだギリギリ人間(かもしれない)
(そんなわけない) 最新作公開までTOHO新宿(と梅田)にて週替りで過去作が上映されているテリファーを観てきました。 配信で…
2024/11/20 08:27
テリファー0 感想 “恐ろしいもの”がやって来る
11/29よりシリーズ最新作テリファー 聖夜の悪夢が公開されるテリファーシリーズですが、11/8より過去作が週替りでリバイバル上…
2024/11/09 22:00
SAW X感想 日本よこれがデスゲームだ
SAW X(旧Twitterではない)を観てきました。 日本公開がいつになるのか一年以上待ってもう来ないのかな?って思ってたところで…
2024/10/25 21:59
この動画は再生できません THE MOVIE 感想
この動画は再生できません THE MOVIEを観てきました。 タイトル長いな!ザ・ムービーって久しぶりに聞いた。 映像編集者と…
2024/09/20 12:26
アビゲイル 感想 吸血バレリーナ殺法
誘拐したバレリーナの少女は吸血鬼だったという映画、「アビゲイル」を観てきました。 泥棒に入った家には盲目の最強元…
2024/09/17 22:24
サユリ 感想 運動して食べて寝ろ
「観終わった後、身体を鍛えたくなる映画」というのは良い作品であることが多いと思っています。まぁ実際にトレーニングするか…
2024/09/07 08:50
プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたち 感想 圧倒的成長を感じろ
タイトル目が滑るなぁ…。 誰しも小学生の頃、ムキムキのドラえもんやなんか顔が濃いアンパンマンとかを自由帳に描いていたと…
2024/08/15 08:09
呪葬 感想 帰ろう!ホーンテッド実家
台湾映画、呪葬を観ました。「呪詛」「哭悲」に続く…みたいなキャッチコピーを見ましたが、その二つ地味にジャンル違わない?ア…
2024/07/20 16:52
フンパヨン 呪物に隠れた闇 感想 バンコクでピザを
フンパヨン 呪物に隠れた闇を観てきました。 今月はアジアホラーが多い印象。今作フンパヨンの他にも来週は台湾の実家系ホ…
2024/07/07 11:03
オペラ座の怪人 4Kリマスター版感想 19世紀末へ旅をしよう
オペラ座の怪人 4Kリマスター版を観てきました。 黒のリボンを巻いた真っ赤な薔薇、あまりに美しすぎる。 確か大昔…
2024/06/27 18:07
関心領域 感想 世界一子育てに向かない場所
アウシュヴィッツ強制収容所の隣で暮らす所長のルドルフ・ヘスとその一家を描く作品、「関心領域」を観てきました。 すでに…
2024/05/25 23:36
胸騒ぎ 感想 底なしの受容は美徳ではない
今年の胸糞エンド作品No. 1と名高い映画、胸騒ぎを観てきました。 間違いなく観賞できて良かったし、好みではあるし、なんなら…
2024/05/15 19:05
キラー・ナマケモノ 感想 何者にもなれない私VSナマケモノ
殺人ナマケモノ映画、「キラー・ナマケモノ」を観てきました。 かなりツッコミどころの多い映画ではありますが、ツッコむこと…
2024/05/11 14:32
もっと見る
タグ
映画(46)
読書(1)
もっと見る