ゴールド・ボーイ 感想文 −きっとあなたもハンバーガーが食べたくなる
公開 2024/03/24 09:54
最終更新
2024/03/24 10:04
沖縄で暮らす男子中学生、朝陽(あさひ)は録画した動画の背後に人が崖から突き落とされる様子が記録されていることに気づく。それは沖縄の巨大企業グループの会長とその夫人が娘婿に事故に見せかけて殺される場面であった。
朝陽は現場に一緒にいた友人の浩と、その義理の妹の夏月と共に殺人犯である東を脅し金銭を得ようと画策する。
いやぁめっちゃくちゃ面白い!!!
テンポがものすごく良いです。いきなり犯行シーンからはじまりますが、短いカットの中に情報が無駄なく散りばめられていてキャラクターの背景がわかりやすい。
特に殺人犯である東の「おとうさん、おかあさん」という台詞がきちんと「お義父さん、お義母さん」って聞こえる。凄い。
我々観客にはすっっっげえ白々しく見えるんですが、作中の被害者夫婦には多分良い婿に見えるんだろうな〜という良いバランス感。
そこから殺人犯を追い詰める少年たちの描写に切り替わります。
こちらの陣営も“要素”が非常に多い。重たい雰囲気の夏休み前の終業式、主人公をつけまわす謎の女、旧友とその義理の妹の来訪。
それらが非常にうまく絡み合って物語を織りなしていきます。
私が物語に説得力を感じる部分として、“そのキャラクターがそうせざるを得ないようにきちんと追い詰められているか”というものがあります。
今回も、少年たちが偶然録画した動画をすぐ警察に提出すれば何事も起こらなかった(序盤の時点では)。
しかし彼らにはそれよりも重大な問題を抱えていた。そしてそれは、お金があれば一応は解決出来る筈。そう考え友人らをも巻き込み恐喝に踏み出す主人公・朝陽の肝の据わった行動力は観ていて非常に説得力があり、爽快感すら感じます。
ちなみに、仮にデータをすぐ警察に提出してもどうにもならなかっただろうなということも後々判明するので隙が無い二段構え。
朝陽と共に犯人を追い詰める友人とその義理の妹もめちゃくちゃ良い奴ら過ぎてグッと来る。
朝陽が殺人犯に対峙するキャラクターとして完璧過ぎる分子どもらしさをこの二人が担っているのですが、変に暴走せずそれでいて物語に必要な青春のエッセンスをきちんと持ってきている。嫌な言い方だけど「辨えている」感じ。
友人の浩、朝陽が「浩ちゃん」って愛称で呼ぶあたり本当に良い奴なんだろうなってのがよくわかる。何も悪くない高校生からカツアゲするけど。ナイフ回しが板に付きすぎなんだよ!
義理の妹の夏月が朝陽とのロマンス部分も担っているので若干蚊帳の外感があるのがちょっと残念なのですが、最後まで観るとこの子はこのポジションでよかったんだ、と思えます。
夏月の方も勿論非常に良い。彼女周りの考察…というほどでもありませんが、かなり物語の核心に迫る部分についてふせったーに書きます。非常にネタバレに近いところまで触れているので、観てから読んでください。
https://fse.tw/CjzxyUOJ#all
そしてこれは今作の最重要事項なのですが、作中にでてくるハンバーガーがやたら美味しそうに見えます。
食品の接写とかそういう特別なカットでは無いのですが、色々とどうしようもないことに直面している子どもたちが一時の安らぎとしてハンバーガーを食す場面がなんかもうとても美味しそうで、幸せそうで、観ているこっちまで食べたくなります。っていうか実際に劇場でたあとダッシュでウエンディーズに駆け込みました。
ウエンディーズも美味しかったんですけど、もっと南国感あるデカいやつ食べたくなったので先日クアアイナ行ってきました。

美味しかったです。あとソーキそばも食べたい。
クライマックスにかけてはどこでルーレットが止まるのか、誰がババを引くのかハラハラしっぱなし。
ノリとか全然違うんですけど、すべての要素を回収しにかかってくる感じは昨年観た「リゾートバイト」に近いものを感じました。舞台が南国なことくらいしか共通点が無い!
ああもう本当に面白かった!五体投地して参りましたと言いたくなる。少しでも気になる方はできるだけ情報入れずに観てほしいし、観たあとハンバーガーを食べたくなってほしい。
岡田将生氏演じる東を終始「おじさん」としか呼ばない子どもたちがあまりにも容赦なかった。そっか、おじさんか…。
朝陽は現場に一緒にいた友人の浩と、その義理の妹の夏月と共に殺人犯である東を脅し金銭を得ようと画策する。
いやぁめっちゃくちゃ面白い!!!
テンポがものすごく良いです。いきなり犯行シーンからはじまりますが、短いカットの中に情報が無駄なく散りばめられていてキャラクターの背景がわかりやすい。
特に殺人犯である東の「おとうさん、おかあさん」という台詞がきちんと「お義父さん、お義母さん」って聞こえる。凄い。
我々観客にはすっっっげえ白々しく見えるんですが、作中の被害者夫婦には多分良い婿に見えるんだろうな〜という良いバランス感。
そこから殺人犯を追い詰める少年たちの描写に切り替わります。
こちらの陣営も“要素”が非常に多い。重たい雰囲気の夏休み前の終業式、主人公をつけまわす謎の女、旧友とその義理の妹の来訪。
それらが非常にうまく絡み合って物語を織りなしていきます。
私が物語に説得力を感じる部分として、“そのキャラクターがそうせざるを得ないようにきちんと追い詰められているか”というものがあります。
今回も、少年たちが偶然録画した動画をすぐ警察に提出すれば何事も起こらなかった(序盤の時点では)。
しかし彼らにはそれよりも重大な問題を抱えていた。そしてそれは、お金があれば一応は解決出来る筈。そう考え友人らをも巻き込み恐喝に踏み出す主人公・朝陽の肝の据わった行動力は観ていて非常に説得力があり、爽快感すら感じます。
ちなみに、仮にデータをすぐ警察に提出してもどうにもならなかっただろうなということも後々判明するので隙が無い二段構え。
朝陽と共に犯人を追い詰める友人とその義理の妹もめちゃくちゃ良い奴ら過ぎてグッと来る。
朝陽が殺人犯に対峙するキャラクターとして完璧過ぎる分子どもらしさをこの二人が担っているのですが、変に暴走せずそれでいて物語に必要な青春のエッセンスをきちんと持ってきている。嫌な言い方だけど「辨えている」感じ。
友人の浩、朝陽が「浩ちゃん」って愛称で呼ぶあたり本当に良い奴なんだろうなってのがよくわかる。何も悪くない高校生からカツアゲするけど。ナイフ回しが板に付きすぎなんだよ!
義理の妹の夏月が朝陽とのロマンス部分も担っているので若干蚊帳の外感があるのがちょっと残念なのですが、最後まで観るとこの子はこのポジションでよかったんだ、と思えます。
夏月の方も勿論非常に良い。彼女周りの考察…というほどでもありませんが、かなり物語の核心に迫る部分についてふせったーに書きます。非常にネタバレに近いところまで触れているので、観てから読んでください。
https://fse.tw/CjzxyUOJ#all
そしてこれは今作の最重要事項なのですが、作中にでてくるハンバーガーがやたら美味しそうに見えます。
食品の接写とかそういう特別なカットでは無いのですが、色々とどうしようもないことに直面している子どもたちが一時の安らぎとしてハンバーガーを食す場面がなんかもうとても美味しそうで、幸せそうで、観ているこっちまで食べたくなります。っていうか実際に劇場でたあとダッシュでウエンディーズに駆け込みました。
ウエンディーズも美味しかったんですけど、もっと南国感あるデカいやつ食べたくなったので先日クアアイナ行ってきました。

美味しかったです。あとソーキそばも食べたい。
クライマックスにかけてはどこでルーレットが止まるのか、誰がババを引くのかハラハラしっぱなし。
ノリとか全然違うんですけど、すべての要素を回収しにかかってくる感じは昨年観た「リゾートバイト」に近いものを感じました。舞台が南国なことくらいしか共通点が無い!
ああもう本当に面白かった!五体投地して参りましたと言いたくなる。少しでも気になる方はできるだけ情報入れずに観てほしいし、観たあとハンバーガーを食べたくなってほしい。
岡田将生氏演じる東を終始「おじさん」としか呼ばない子どもたちがあまりにも容赦なかった。そっか、おじさんか…。