犬人間付き！

「未体験ゾーンの映画たち2024」ラインナップの中の一作、「犬人間」を観てきました。上映館や回数が少ないこともありほぼほぼ満席です。「ムカデ人間2」も満席でしたが、やっぱりみんな(クソデカ主語)こういうノリのタイトルは好きですよね。私も好きです。

原題は「GOOD BOY」。犬を褒めるときの掛け声だったかと。

アプリで出会ったイケメンの家には犬のマスクをつけた男が飼い犬のように暮らしていた、という割と出落ち感があるあらすじ。

飼い主の男による犬人間お世話ルーティン(？)から始まります。食肉のアップから始まる映画、良い映画です。

犬人間の世話をしつつアプリで見付けた主人公にいいねをすることで交流が始まるのですが、主人公のアプリ内自己紹介文が「心臓と二本の脚があれば大丈夫」
心臓人間とかが引っかからなくて良かったなお前！

※イメージ図(描きました)



待ち合わせ場所にてようやく登場した主人公、なんか妙にだらしがないな？
遅刻してくるわすぐ携帯いじるわおまけに単位が足りないとのこと。あとボトムの両サイドに三本縦線が入っててジャージに見える。

端から見てとても話が弾んだとは言い難いのですが、とりあえず話が弾んだということで向かった男の豪邸で犬人間と対面します。一度はビビって帰ったものの、友人にそいつ有名な金持ちだよと言われて再チャレンジする主人公、チョロい。
ホラー映画の主人公として満点の打算的行動です。

(犬人間含めて)彼とそれなりに良好な関係を築き、二人と一匹で別荘へ行くことになってから色々なヤバさが滲み出てきて、ついに決定的な出来事が起こってしまいます。

ここがもう非常にゾクッと来た。
観ているこっちも「なんかちょっと奇妙な映画」だと思い込んできたころにいやこれホラー映画だからなと突きつけられるものだから、主人公と一緒にヒッ…ってなる。
恐らく数秒だったかと思いますが、この作品の怖さが凝縮された良いシーンでした。

ただそこからラストにかけてはちょっと尻すぼみというか、あまりパンチのあるとは言えないかな〜…。
終盤の暴力的なシーンについては、血がどばどば出たり体が千切れたりする訳ではなく、でも実際にやるならこの程度なのかなというような絶妙なラインにいると思います。
脈絡は感じられず絵的にもそこまで…だけど逆に妙なリアリティが出ていて、ざらりとした嫌な感じが存分に出ています。これはこれで良かった。

オチはまぁ予想できる感じでしたが、サクッと気軽に観られるタイプの作品で観られて良かったです。