恐解釈 桃太郎 感想 ―どちらかというとさるかに合戦
公開 2023/12/16 21:30
最終更新 2023/12/16 21:30
11/3に公開された恐解釈 花咲か爺さんに続く恐解釈シリーズ(で良いのかな?)第二弾恐解釈 桃太郎を観てきました。12/9シネマート新宿の舞台挨拶憑き…付きです。



花咲か爺さんを観たときから予告で5回位聴いているこちらの替え歌

桃太郎さん 桃太郎さん
あなたが捨てた 両親は
一人残らず 死にました

両親って基本二人なのに「一人残らず」って言い方にまぁ間違ってはいないんだけど…と引っかかってましたが、作中で聴くとめちゃめちゃ怖かったし面白かったです。
わざと高い声で男性が歌ったり、歌うように抑揚をつけて喋るシーンってなんでこんなに怖いのだろう。そういう映画ばかり観てるからだよ。ハイディホー!

前作で話題になった寿司クレームや覚醒シーン、人肉桜こそ無かったものの、アレンジ…というかまさに「解釈」がぶっ飛びすぎていて、個人的には花咲か爺さんよりもこちらの方が好みかも。

あらすじ***

念願のマイホームを手に入れた晩に寝タバコによる火事で死んでしまった中年夫婦。二人は気づくと地縛霊となって死んだ家から出られなくなっていた。
リフォームされたその家を購入した鬼島という男に最初は好印象を抱くも、鬼島は連れ込んだ女性を次々と殺して心臓を抜き取る殺人鬼であった。
占い師・モモは鬼島を討つ為、メリーさん(監督がヤフオクで落とした人形)(番町皿屋敷の)お菊さん、こっくりさん(手)と共に事故物件へと向かう…。

*******

これのどこが桃太郎なんだ、って話ですがこうなんだから仕方ない。

桃太郎の昔話って、仙桃を食べて若返った老夫婦が作った子どもが桃太郎であったという話が変質したときいたことがあります。
それを踏まえると今回の夫婦(実はモモが二人の娘で、縁を切っていた)が一旦死んだことで桃太郎の親として生まれ変わったとも解釈できる…のかもしれない。いやそこまで考えてないな。

前回の意地悪爺さんはアッパー系狂人でしたが、今回の鬼島はダウナー系狂人。彼もある目的の為に殺人を続けますが、比較的低めのテンションの中にも台詞の節々にヤバポイントが見受けられます。そんなもの舐めないの!
笑いながら撮影したという前衛的なダンスシーンは必見。

そしてその殺人鬼に怯えているのがもう死んで地縛霊となった夫婦という構図がすごく面白い!これだけでお腹いっぱいですが、ここに桃太郎要素(?)もプラスされるのでめちゃくちゃです。良い。

鬼退治のシーンは室内かつ各お供の特性をいかした戦法で、桃太郎というよりはさるかに合戦っぽい印象。手しか出ていないこっくりさんがめちゃくちゃ強い。こっくりさんが味方側の作品って珍しいような…?そうでもない?

個人的な好みですが、モモと死んだ父親とのしんみりする要素があっさり描かれるに留められていたのも良かったです。

今回も次の恐解釈シリーズの予告観られるかな〜って思ったら予告で流れたのは悪魔がではらわたでいけにえで私でした。タイトルこれで合ってるのか不安になる。
千葉出身なこともあり、千葉の悪魔というフレーズが非常に気になる。観るべきなのだろうか?
かえるくん
プロフィールページ
怖い話、特にホラー寄りの映画が好きです。
映画をよく観るようになったのがここ数年からなので、古い有名なものとかあまり観られていなかったりします。
最近の記事
サユリ 感想 運動して食べて寝ろ
「観終わった後、身体を鍛えたくなる映画」というのは良い作品であることが多いと思っています。まぁ実際にトレーニングするか…
2024/09/07 08:50
プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたち 感想 圧倒的成長を感じろ
タイトル目が滑るなぁ…。 誰しも小学生の頃、ムキムキのドラえもんやなんか顔が濃いアンパンマンとかを自由帳に描いていたと…
2024/08/15 08:09
呪葬 感想 帰ろう!ホーンテッド実家
台湾映画、呪葬を観ました。「呪詛」「哭悲」に続く…みたいなキャッチコピーを見ましたが、その二つ地味にジャンル違わない?ア…
2024/07/20 16:52
フンパヨン 呪物に隠れた闇 感想 バンコクでピザを
フンパヨン 呪物に隠れた闇を観てきました。 今月はアジアホラーが多い印象。今作フンパヨンの他にも来週は台湾の実家系ホ…
2024/07/07 11:03
オペラ座の怪人 4Kリマスター版感想 19世紀末へ旅をしよう
オペラ座の怪人 4Kリマスター版を観てきました。 黒のリボンを巻いた真っ赤な薔薇、あまりに美しすぎる。 確か大昔…
2024/06/27 18:07
関心領域 感想 世界一子育てに向かない場所
アウシュヴィッツ強制収容所の隣で暮らす所長のルドルフ・ヘスとその一家を描く作品、「関心領域」を観てきました。 すでに…
2024/05/25 23:36
胸騒ぎ 感想 底なしの受容は美徳ではない
今年の胸糞エンド作品No. 1と名高い映画、胸騒ぎを観てきました。 間違いなく観賞できて良かったし、好みではあるし、なんなら…
2024/05/15 19:05
キラー・ナマケモノ 感想 何者にもなれない私VSナマケモノ
殺人ナマケモノ映画、「キラー・ナマケモノ」を観てきました。 かなりツッコミどころの多い映画ではありますが、ツッコむこと…
2024/05/11 14:32
武器人間 感想 −くっついちゃった!−
以前より気になっていた「武器人間」が、企画で上映されるということで観てきました。10年以上前の作品なので作品のハイライト…
2024/05/11 14:29
ゴールド・ボーイ 感想文 −きっとあなたもハンバーガーが食べたくなる
沖縄で暮らす男子中学生、朝陽(あさひ)は録画した動画の背後に人が崖から突き落とされる様子が記録されていることに気づく。そ…
2024/03/24 09:54
ボーはおそれている 感想&コラボカクテルレポ −母の愛は用法用量を守れ
アリ・アスター監督最新作、「ボーはおそれている」を観てきました。二回。 一度目は昨年12月のジャパンプレミアです…
2024/03/06 12:21
悪魔がはらわたでいけにえで私 感想 −悪魔はいつも君の側にいる
「悪魔がはらわたでいけにえで私」を観てきました。シネマート新宿舞台挨拶付きの回です。舞台挨拶込で1時間半ほど、本編のみだ…
2024/03/05 08:18
ハンテッド −狩られる夜− 感想 −コンビニ籠城戦
アリスは仕事仲間のジョン(といいつつ不倫相手)と深夜に帰宅する途中、ガソリンスタンドに立ち寄る。 ジョンが給油している間…
2024/03/05 08:13
読書記録 「ガストン・ルルーの恐怖夜話」
少し前に買った創元推理文庫「ガストン・ルルーの恐怖夜話」をようやく読み終えたので、せっかくだし感想を書きたいと思います…
2024/02/22 08:29
ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ 感想 ―ピザ屋要素、どこ?!
「ファイブ・ナイツ・アット・フレディーズ」を観てきました。同名ゲームの映画化ですね。原作のゲームは存じ上げないのですが…
2024/02/12 22:29
犬人間 感想 ―イケメン、金持ち、料理上手
犬人間付き! 「未体験ゾーンの映画たち2024」ラインナップの中の一作、「犬人間」を観てきました。上映館や回数が少ないこ…
2024/01/29 12:27
みなに幸あれ 感想 ―新春異常帰省
2024年初めての映画館での鑑賞は邦画「みなに幸あれ」になりました。 年のはじめにぴったりな、縁起の良さそうなタイトルです…
2024/01/28 22:59
サンクスギビング 感想 ―そのワッフルメーカー、本当に必要ですか?
胸に手を当てて考えてみてください。 グリーン・インフェルノやホステルのイーライ・ロス監督最新作、「サンクスギビング」…
2023/12/31 22:24
トーク・トゥ・ミー 感想 ―悪霊濫用、ダメ、絶対!
「A24ホラー史上最高興収を記録!」の「トーク・トゥ・ミー」を観てきました。 私は映画を積極的に観るようになったのが…
2023/12/31 21:41
ファミリー・ディナー 感想 ―因習村、一人前。
コンプレックスを持つ女の子、ヤバいおばさん、謎の儀式。 揃えちゃいけないものを揃えた感がぷんぷんするオーストリア映画…
2023/12/17 20:52
もっと見る
タグ
映画(34)
読書(1)
もっと見る