滴るものは水だけでなく
公開 2023/09/24 15:27
最終更新
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※2.5部軸
今日はかなりの悪天候になると数日前からニュースで繰り返されていた。予約されていたお客様がたからは日程の変更をと連絡を戴いていたので、今日のエトランジェは臨時休業だ。
この機会にとホテルで溜まっていた事務手続きを片付けることになった。
「本降りになってきたなぁ」
一通りメールのチェックと返信を終えたところで外を見れば、大きな窓ガラスに雨粒がぶつかり、流れ落ちていく。
向かい側で荷物の整理をしていたリチャードがガラスに反射して、まるでシャワールームの中にいるかのようだ。
──急にぞくりとした欲が沸き上がったのは、昨夜の情事を思い出してしまったからかもしれない。後始末のために入った浴室でも、リチャードと身体を繋げて……
「正義」
リチャードの声に意識が戻される。慌てて振り向けば、リチャードはどこか楽しそうな顔をして俺を見ている。
「あなたさえよろしければ、一緒にシャワーを浴びませんか」
「……リチャード」
「雨の滴に、昨夜のことを思い出しましたので」
妖艶な笑みとはこのことだろう。俺は抗いがたい熱に浮かされるように、差し伸べられた手を取った。
今日はかなりの悪天候になると数日前からニュースで繰り返されていた。予約されていたお客様がたからは日程の変更をと連絡を戴いていたので、今日のエトランジェは臨時休業だ。
この機会にとホテルで溜まっていた事務手続きを片付けることになった。
「本降りになってきたなぁ」
一通りメールのチェックと返信を終えたところで外を見れば、大きな窓ガラスに雨粒がぶつかり、流れ落ちていく。
向かい側で荷物の整理をしていたリチャードがガラスに反射して、まるでシャワールームの中にいるかのようだ。
──急にぞくりとした欲が沸き上がったのは、昨夜の情事を思い出してしまったからかもしれない。後始末のために入った浴室でも、リチャードと身体を繋げて……
「正義」
リチャードの声に意識が戻される。慌てて振り向けば、リチャードはどこか楽しそうな顔をして俺を見ている。
「あなたさえよろしければ、一緒にシャワーを浴びませんか」
「……リチャード」
「雨の滴に、昨夜のことを思い出しましたので」
妖艶な笑みとはこのことだろう。俺は抗いがたい熱に浮かされるように、差し伸べられた手を取った。
