My uncle
公開 2023/09/24 15:12
最終更新
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※琥珀以降の話
リチャードの秘書として同行するイギリスでの商談の日程と、ジェフリーが出張を兼ねて本邸へと帰宅するタイミングがかち合うことが判明し、久し振りにクレアモント邸で集まることとなった。
ヘンリーさん、ジェフリー、リチャード、オクタヴィアさん、俺。ヨアキムさんも来れば良かったのにとヘンリーさんは笑顔で話していたが、ジェフリーは真顔で横に首を振っていた。相変わらずの様子である。
「お久し振りです、中田さん」
「オクタヴィアさん! お元気そうでなによりです」
「そちらも」
時々オンラインチャットでやりとりはしていたが、やはりちゃんと顔を合わせて話す方がいい。正式にヘンリーさんの娘としてクレアモント家の一員となったオクタヴィアさんに会うのはこれが初めてだった。人形のような可愛らしさは変わらないが、ヌワラエリヤで最初に会ったときより血色がいい気がする。ヘンリーさんとの関係も問題なさそうでほっとした。
「ヴィンスとマリアンさんへのプレゼントの相談を聞いてくださって助かりました。私は、そういうのを選ぶのが苦手で……」
「いえ、相談には乗りましたけど俺も苦手なほうですよ。でも大事なのは気持ちだと思うので」
「ええ、本当にそうですね」
プレゼントを渡したときの2人の様子を思い出したのか、オクタヴィアさんの顔が綻ぶ。ふーん顔をしながらも受け取ったものはちゃんと丁重に扱うんだよなぁ、とヴィンスさんの顔を思い浮かべていると、背後から陽気な声が掛けられた。
「なになに~? 中田くんがオクタヴィアとすごく仲良くなっててお兄ちゃんは嬉しいですね。ねぇ、何の話してたの?」
「いや、ヴィンスさんのですね」
「せっかく2人が仲睦まじく話していたというのになぜ乱入するのです。オクタヴィアにとってはあなたなんかより正義と話す方が有益ですよ」
「そんなことないだろうけど」
「えー、でももう家族なんだしもっと打ち解けた話をしてもよくない?」
「それはまあそうですが」
「親しき仲にも礼儀あり、と智恵子に教わったのを忘れたようですね」
ダメだ、全然話を聞いてくれてない。
一気に騒がしくなった場にオクタヴィアさんがきょとんとした顔をしているのを見て、俺は思わずヘンリーさんに助けを求めたくなった。あなたの弟たちをどうにかしてください、と視線で訴えたのだが、ヘンリーさんはニッコリと微笑むだけで動こうとはしなかった。なんてこった。
と、横にいたオクタヴィアさんが小さく笑い声をこぼしたことで、侃々諤々としていたジェフリーとリチャードも思わず声を止めてオクタヴィアさんを見た。
「オクタヴィアさん?」
「ふふ、こんなに騒がしいのも久し振りだわ。いつもこの屋敷は静かだから……でも本当に仲がよろしいんですね、ジェフリー叔父様とリチャード叔父様って」
「えっ」
「はっ?」
「叔父様」
「こんな素敵な叔父様がたが出来て、私とても嬉しいわ。ええ、本当にありがとう。ジェフリー叔父様、リチャード叔父様?」
「まってまってまって!? いきなりぶっこんでこないでくれるかなオクタヴィア!?」
「叔父様」
「ぶっこむ、とはどういう意味の日本語なのかしら、ジェフリー叔父様」
「叔父様」
「大丈夫かリチャード、さっきから同じ言葉しか言ってないぞ」
オクタヴィアさんは一時期は義理の妹という立場にいたけれど、今は確かに叔父と姪の関係性だ。呼び名としては合っているけれど2人にはダメージが大きいらしい。よくわからないけれど。
首を傾げている俺と、こっそり舌を出して笑っているオクタヴィアさんを見ていたヘンリーさんがこの場を収めたのは言うまでもない。
リチャードの秘書として同行するイギリスでの商談の日程と、ジェフリーが出張を兼ねて本邸へと帰宅するタイミングがかち合うことが判明し、久し振りにクレアモント邸で集まることとなった。
ヘンリーさん、ジェフリー、リチャード、オクタヴィアさん、俺。ヨアキムさんも来れば良かったのにとヘンリーさんは笑顔で話していたが、ジェフリーは真顔で横に首を振っていた。相変わらずの様子である。
「お久し振りです、中田さん」
「オクタヴィアさん! お元気そうでなによりです」
「そちらも」
時々オンラインチャットでやりとりはしていたが、やはりちゃんと顔を合わせて話す方がいい。正式にヘンリーさんの娘としてクレアモント家の一員となったオクタヴィアさんに会うのはこれが初めてだった。人形のような可愛らしさは変わらないが、ヌワラエリヤで最初に会ったときより血色がいい気がする。ヘンリーさんとの関係も問題なさそうでほっとした。
「ヴィンスとマリアンさんへのプレゼントの相談を聞いてくださって助かりました。私は、そういうのを選ぶのが苦手で……」
「いえ、相談には乗りましたけど俺も苦手なほうですよ。でも大事なのは気持ちだと思うので」
「ええ、本当にそうですね」
プレゼントを渡したときの2人の様子を思い出したのか、オクタヴィアさんの顔が綻ぶ。ふーん顔をしながらも受け取ったものはちゃんと丁重に扱うんだよなぁ、とヴィンスさんの顔を思い浮かべていると、背後から陽気な声が掛けられた。
「なになに~? 中田くんがオクタヴィアとすごく仲良くなっててお兄ちゃんは嬉しいですね。ねぇ、何の話してたの?」
「いや、ヴィンスさんのですね」
「せっかく2人が仲睦まじく話していたというのになぜ乱入するのです。オクタヴィアにとってはあなたなんかより正義と話す方が有益ですよ」
「そんなことないだろうけど」
「えー、でももう家族なんだしもっと打ち解けた話をしてもよくない?」
「それはまあそうですが」
「親しき仲にも礼儀あり、と智恵子に教わったのを忘れたようですね」
ダメだ、全然話を聞いてくれてない。
一気に騒がしくなった場にオクタヴィアさんがきょとんとした顔をしているのを見て、俺は思わずヘンリーさんに助けを求めたくなった。あなたの弟たちをどうにかしてください、と視線で訴えたのだが、ヘンリーさんはニッコリと微笑むだけで動こうとはしなかった。なんてこった。
と、横にいたオクタヴィアさんが小さく笑い声をこぼしたことで、侃々諤々としていたジェフリーとリチャードも思わず声を止めてオクタヴィアさんを見た。
「オクタヴィアさん?」
「ふふ、こんなに騒がしいのも久し振りだわ。いつもこの屋敷は静かだから……でも本当に仲がよろしいんですね、ジェフリー叔父様とリチャード叔父様って」
「えっ」
「はっ?」
「叔父様」
「こんな素敵な叔父様がたが出来て、私とても嬉しいわ。ええ、本当にありがとう。ジェフリー叔父様、リチャード叔父様?」
「まってまってまって!? いきなりぶっこんでこないでくれるかなオクタヴィア!?」
「叔父様」
「ぶっこむ、とはどういう意味の日本語なのかしら、ジェフリー叔父様」
「叔父様」
「大丈夫かリチャード、さっきから同じ言葉しか言ってないぞ」
オクタヴィアさんは一時期は義理の妹という立場にいたけれど、今は確かに叔父と姪の関係性だ。呼び名としては合っているけれど2人にはダメージが大きいらしい。よくわからないけれど。
首を傾げている俺と、こっそり舌を出して笑っているオクタヴィアさんを見ていたヘンリーさんがこの場を収めたのは言うまでもない。
