シークレット・ディフェンス
公開 2024/07/11 22:39
最終更新
2024/07/11 22:44

念願のジャック・リヴェット「シークレット・ディフェンス」を観てきた。東京日仏学院、久しぶり過ぎて曲がる道を一本間違えてしまう。
1998年の日本未公開作品だ。サンドリーヌ・ボネールが滴るように美しい。彼女の弟役がグレゴワール・コラン。前髪を降ろしている。
サスペンスである。
パリの、実験装置がひしめくラボや兵器製造会社のオフィス、現代的な場所はサスペンスの舞台にふさわしいな、と観ていると、思いがけない事故をきっかけに舞台は地方へ、古城のような豪邸へ変わる。
ここから誰にも言うことができない秘密に閉じ込められた、囚われの物語が展開するのだ。ああこれこそリヴェットだ…と思う。
舞台の移動をメトロと長距離列車が担う。
(Gare d’Austerlitz、地上駅から地下に潜っていくのをみて懐かしくなった。東京でいえば地下鉄の四谷駅のような)
表向きは父を死なせた真犯人を追う話だけど、若くして死んだ、美しかった姉の存在にずっと囚われている。
姉の不在を嘆く妹が物語を動かす。
終盤、明らかになり重なる事実がなんともいえず傷ましく、悲しい。
この物語もまた、父の神話の崩壊を描いているのだろう。
シークレット・ディフェンス、その通り防衛機密の事だと思う。つくってる兵器は誘導ミサイルだというし。
でも、隠してまでも護りたかった、という意味もあるように思った。
秘したまま愛しいものを護るためにした事が、すべての悲劇に連なる。
