ハゴロモジャスミン
公開 2024/02/26 22:39
最終更新
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通りがけの花屋さん二店連続でハゴロモジャスミンを見かける。
あらっ、えっ、売ってるんだ、という驚き。
坂を降りたところに古いお家があった。
二年前に取り壊されて更地の売地になったが、まだ買い手がつかない。
そこはぼくが気づいたときにはすでに無人の家だった。住んでいたひとが突然姿を消したような、生活の様子を留めていた。ポーチに置かれた傘、ガレージの車、台所と思しき出窓に並ぶ食器や鉢。
何年間もそのままだった。
あるじの無い庭のジャスミンが平家の屋根に蔓を這わせ、毎年春に花を咲かせて一帯に香りを振りまいた。ジャスミンは年々増えて建物を覆い尽くした。通りがかりに見ると異様な光景だった。そこは白い花と蔓が盛り上がった巨きな塊として見たのを最後に取り壊された。
四月の気温の高かった夜など、窓を開けておいたぼくの部屋はジャスミンのにおいでいっぱいだった。ジャスミン屋敷のジャスミンがここまで匂いを届けるのだ。
花屋さんのハゴロモジャスミンはまだ蕾で、線香花火にそっくりだ。
ジャスミン屋敷を懐かしく思って買ってしまった。センチメンタルだ。
蕾咲くだろうか?野草のつよさで咲いてほしいと思う。
あらっ、えっ、売ってるんだ、という驚き。
坂を降りたところに古いお家があった。
二年前に取り壊されて更地の売地になったが、まだ買い手がつかない。
そこはぼくが気づいたときにはすでに無人の家だった。住んでいたひとが突然姿を消したような、生活の様子を留めていた。ポーチに置かれた傘、ガレージの車、台所と思しき出窓に並ぶ食器や鉢。
何年間もそのままだった。
あるじの無い庭のジャスミンが平家の屋根に蔓を這わせ、毎年春に花を咲かせて一帯に香りを振りまいた。ジャスミンは年々増えて建物を覆い尽くした。通りがかりに見ると異様な光景だった。そこは白い花と蔓が盛り上がった巨きな塊として見たのを最後に取り壊された。
四月の気温の高かった夜など、窓を開けておいたぼくの部屋はジャスミンのにおいでいっぱいだった。ジャスミン屋敷のジャスミンがここまで匂いを届けるのだ。
花屋さんのハゴロモジャスミンはまだ蕾で、線香花火にそっくりだ。
ジャスミン屋敷を懐かしく思って買ってしまった。センチメンタルだ。
蕾咲くだろうか?野草のつよさで咲いてほしいと思う。
