三月十一日
公開 2025/03/11 21:57
最終更新
-
明日は子どもの卒業式だ。
あの日、揺れが始まったのとお昼寝のために腕に抱いた子が目を閉じたのは同時だった。
腕に抱いていたのは幸いだった。そのまま急いで玄関の扉を開けるといつも遊ぶお寺の裏山からあり得ない地鳴りが聞こえた。街路樹が台風のときのように揺れていた。
すやすやと眠る子と今起きている事の差が激しくて茫然とした。
進む時間を生きてこられた。
それだけで十分だと思う。
あの日、揺れが始まったのとお昼寝のために腕に抱いた子が目を閉じたのは同時だった。
腕に抱いていたのは幸いだった。そのまま急いで玄関の扉を開けるといつも遊ぶお寺の裏山からあり得ない地鳴りが聞こえた。街路樹が台風のときのように揺れていた。
すやすやと眠る子と今起きている事の差が激しくて茫然とした。
進む時間を生きてこられた。
それだけで十分だと思う。