落穂拾い
公開 2024/10/31 22:56
最終更新
2024/10/31 22:59
毎年十月になると雑木林の道に落ちている枝や実を拾うのが楽しみだった。
だった、と書くのは今年もうそれらが落ちていない事に気づいたからだ。
雑木林の通路は片側が住宅地だ。他で見かけない変わった実や鮮やかな色の枝とは趣味に凝った庭から強風で飛んで来たものだったのだろう。今年に入って庭付きの古いお宅が何軒か取り壊され、跡地には建売住宅が数軒ずつ並んでいる。
珊瑚のような赤い枝、古いボタンに似た実、同じ蔓で色の変化する蔦の葉etc…
強風のあと道を歩くとそんなものたちが、あるときはころんと可憐に、あるときは枝ごと豪快に散らばっていた。
新しく建った家には若い方たちがきて、いきいきした雰囲気がある。ひとが去ってはひとが生まれ、そうして続いていくのだろうね。
だった、と書くのは今年もうそれらが落ちていない事に気づいたからだ。
雑木林の通路は片側が住宅地だ。他で見かけない変わった実や鮮やかな色の枝とは趣味に凝った庭から強風で飛んで来たものだったのだろう。今年に入って庭付きの古いお宅が何軒か取り壊され、跡地には建売住宅が数軒ずつ並んでいる。
珊瑚のような赤い枝、古いボタンに似た実、同じ蔓で色の変化する蔦の葉etc…
強風のあと道を歩くとそんなものたちが、あるときはころんと可憐に、あるときは枝ごと豪快に散らばっていた。
新しく建った家には若い方たちがきて、いきいきした雰囲気がある。ひとが去ってはひとが生まれ、そうして続いていくのだろうね。