【個人開発】"場"的サービスを開発する場合に考えるといいかもしれないこと
公開 2025/09/19 16:16
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個人で何かサービスを立ち上げようとした場合に、
・とりあえず開発する!
・「なんでもお好きに書き込んでください!」みたいに運営者が書き込む!
・とはいえ誰も来ない!
・1年後にドメインが切れたら終了!
みたいになりがちだと思うんですよね。
(……私もずっとそうでした!)
せっかく頑張って開発したのに、このパターンでサ終したサービスを無数に見てきて(そして自分でも経験してきて)、
なるべくそうならないように、「こういうことを考えておくと良いかもしれないな」というポイントをいくつか書きたいと思います。
※あらゆる観点から網羅的に書いているわけではないですが、まず初めにここだけでも考えておくと、使ってもらえる率が上がるかも?(全く誰にも使われない状態を避けられるかも?)という感じで書いています。
コミュニティーサイトを立ち上げる際に、「人がなぜこのサイトに来るのか?」を突き詰めて設計(技術観点の設計ではなく、運用観点の設計)しておく必要があるかなと思っています。
(運営していく中での気づきの方が圧倒的に多いですが、まず一歩目の方向を間違えないようにするために)
別の言い方で言うと、もし"場"的サービスを運営するなら「それXで良くね?ハッシュタグ使えばゆるく繋がれるし、人めっっっっっちゃいるし。」に対して、明確に答えられる必要があるかもな、と思っています。
例えば、こんな感じの「動物好きのための投稿サイト」を作るとします。
(以降、この架空サイトを例として書きます。適当に考えたサイト名なので、万が一同じ名称のサイトがあってもそちらのサイトを指すものではありません)

現在のキャッチは「動物好きが集まる憩いの空間」ですが、これは「本当に動物好きがたくさんいる状況であること」を大前提としており、それが達成できていない場合、結果的に嘘になりますし、来た人が何も得られず帰ることとなります。
つまり、まだユーザーさんがいない状態では「動物好きに集って欲しいと思っている空間」になっています。
(まさに鶏卵の問題ですね…)
こういう方向性のキャッチで行く場合、大資本を投入して広告を打ちまくり、動物好きの常駐スタッフを雇ってとにかく交流を生み出す、といったような施策が必要になってくるかも?といった感じになります。
とはいえ、個人開発ではそういった施策は難しいですし、現実的に可能な価値提供は何か?をよく検討して、キャッチも変更して、その価値提供のために泥臭く運営をする、という方向性の方が良いかも?と思っています。
例えばですが、
「動物大好きの佐藤がいつでも常駐している、動物写真見せ合いっこフォーラム!」
にすると、
少なくとも「来たけど誰もいない、帰ろう。」にはならず、「とりあえず書き込んでみるか。…うお!佐藤氏から即レスあったwww」となって、
遊びに来てくれて、価値を感じて、定着してくれる人が少しずつ増えるかもしれない、というイメージです。
これは、Xじゃなくてこのサイトじゃないと得られない明確な価値ですよね。
定着してくれる人が増えれば、ユーザーさん同士で交流をしてもらう方向にもできますし、常駐スタッフを雇って交流してもらう方向もあるかもしれませんし、とにかく確実に価値提供できるコンセプトから始めることで、まず第一歩目を踏み出せるかも、という感じです。
これは本当に泥臭く、最初は自分のリソースをかなり投入しないといけないと思いますが、もし"場"を運営していく覚悟なのであれば、どうしても必要になってくるのかな、と思っています。
(ちなみにツール系サービスとかだと、こういうことは不要で別のアプローチになるかもな感じです)
「ハムスター超特化型交流サイト!親子で一緒にうちのコを見せ合おう!」
のような、
対象範囲を更に絞る、ユーザー属性を絞る、というのもコミュニティサービスの作戦の一つかなと思います。
「動物です!ハイ交流どうぞ!」
と言われても動物にも色々あるし…となるかもしれませんが、
「ハムスター特化です!ここにいる人は全員ハムスターを飼っている方なので好きなだけハムスターの話をしても全く浮きませんし、むしろめっっっっちゃ喜ばれます!!!」
となると、なんか少し書き込む気になりますよね?
そんなイメージです。
ただ、対象となる人の絶対数が減るので、とにかく濃い体験ができるように設計する必要があるかと思います。
また、対象となる人が少なすぎるとサービスとして成り立たないので、スタート時はかなり絞るが、回り始めたら少しずつ範囲を広げて人を増やしていく、といった戦略が必要になってくるかと思います。
対象を限定するというのは、限定することでしか生まれない価値があるからです。
そこがはっきりしていて、ユーザーさんに対して「このサイトじゃないと◯◯ができないよ!!だからこのサイト使った方が明らかに絶対いいじゃん!?」と明確に言える状態になれば、それが刺さる人は定着してくれるのではないか、と思います。
改めてになりますが、
「それXで良くね?ハッシュタグ使えばゆるく繋がれるし、人めっっっっっちゃいるし。」
と言われたら、なんと答えますか?ですね。
(いや、めっちゃムズいですよね。とても、とても、分かります……)
「投稿された動物の写真やテキスト」
ではあるのですが、もう一歩進んで、
「A. 他の動物好きの人とおしゃべりできること。」なのか、「B. 動物好きの人が投稿した、とても参考になるテキストや写真。」なのか、
ユーザーさんにとっての「価値」も含めて考えたときに、その内容によって戦略が変わるかと思います。
前者[A]であるならば、やはりとにかく人がいる状態にしないといけない、または非同期の状態(人が同時に利用していない状態)でもスムーズに交流が可能になるようにしないといけない、となりますし、
後者[B]であれば、お金を払ってでも質の高いテキストや画像を増やして、そのページをシェアしてもらって、そこからの流入をうまく活かして交流に持っていく、等も考えられます。
もし「C. 佐藤が即レスしてくれること。」がコンテンツならば、自身のタレント化&気合と根性と仕組み化でなるべく常駐!かもですね。
この観点でも考えてみると良いかもしれません。
フォトモットのような交流サイトでいうと、以下のような人間の当然の反応があると思いますので、どう先回りして対策しておくか?を考える必要があるのかもしれないと思っています。
■1.どんな文化があるかイマイチわからないコミュニティサービスで、「書き込む」というアクションはメチャクチャハードルが高い。なぜなら攻撃されるかもしれないし、そもそも反応がないと悲しいし。そんなリスクがあって悲しい思いをするかもしれないアクションなんで取るわけがない。
・書き込んだらどんなハッピーがあるか、書き込む前にイメージできるようにする。
・書き込まれたら必ず運営者が反応して、実際にリターンを発生させる。
■2.ここで批判的な内容OKなの?何でもOKなの?ルールが良くわからない。変なことして怒られたくないし。
・ルールを明確化する or 棲み分けできるように機能を設計する。
■3.お題があればリプはしやすいけど、自分でスレ立てするのはダルい。なんかそのスレの管理主みたいに振る舞わないといけなくなるし、とにかくダルい。
・運営者とスタッフでスレ立て&1〜2リプして会話を始めておく。
・会話が始まっていれば、書き込みしやすい。
みたいな感じです。
(交流サイトにおいては「投稿してもらう」ことは非常に重要なアクションなので、そのような重要な要素は特に注意して考えると良いかもです)
「動物愛を書き込む!」とか「さっそくおしゃべりしてみる♪」よりも適切な文言なのか?
といった問いに対して、明確に「あれはこういう意図があって、あれがベストと思っている!」と答えられる必要があると個人的には考えています。
恐らく前述のそれぞれを考えてみると、こういった具体的な実装についても変えないといけない箇所が見えてくるというか、進むべき方向性が見えてくるかも?と思っています。
◇◇◇
……こんな感じのことを考えてサービスを開発しています。
「コミュニティーサイトはどんな機能があるべきか?」みたいな内容ではなく、もっと手前の時点でのお話でした。
※私はマーケティングのプロとかではないため、あくまで自分が色々運営してきた経験から何となく書いているだけですので、参考になりそうなところは参考にしていただき、ピンとこない部分は流していただければと思います!
交流できるコミュニティーサイトを作るぞ!と考えることって結構あると思うのですが、コミュニティーサイトの運営(≠開発)はかなりハードルが高いため、
自分が〇〇好きだから「〇〇好きが集まるサイト」にしよう!!
・とりあえず開発する!
・「なんでもお好きに書き込んでください!」みたいに運営者が書き込む!
・とはいえ誰も来ない!
・1年後にドメインが切れたら終了!
みたいになりがちだと思うんですよね。
(……私もずっとそうでした!)
せっかく頑張って開発したのに、このパターンでサ終したサービスを無数に見てきて(そして自分でも経験してきて)、
なるべくそうならないように、「こういうことを考えておくと良いかもしれないな」というポイントをいくつか書きたいと思います。
※あらゆる観点から網羅的に書いているわけではないですが、まず初めにここだけでも考えておくと、使ってもらえる率が上がるかも?(全く誰にも使われない状態を避けられるかも?)という感じで書いています。
1.人が来る理由を考える #
兎にも角にもこれが超大事だと思っていまして、コミュニティーサイトを立ち上げる際に、「人がなぜこのサイトに来るのか?」を突き詰めて設計(技術観点の設計ではなく、運用観点の設計)しておく必要があるかなと思っています。
(運営していく中での気づきの方が圧倒的に多いですが、まず一歩目の方向を間違えないようにするために)
別の言い方で言うと、もし"場"的サービスを運営するなら「それXで良くね?ハッシュタグ使えばゆるく繋がれるし、人めっっっっっちゃいるし。」に対して、明確に答えられる必要があるかもな、と思っています。
例えば、こんな感じの「動物好きのための投稿サイト」を作るとします。
(以降、この架空サイトを例として書きます。適当に考えたサイト名なので、万が一同じ名称のサイトがあってもそちらのサイトを指すものではありません)

現在のキャッチは「動物好きが集まる憩いの空間」ですが、これは「本当に動物好きがたくさんいる状況であること」を大前提としており、それが達成できていない場合、結果的に嘘になりますし、来た人が何も得られず帰ることとなります。
つまり、まだユーザーさんがいない状態では「動物好きに集って欲しいと思っている空間」になっています。
(まさに鶏卵の問題ですね…)
こういう方向性のキャッチで行く場合、大資本を投入して広告を打ちまくり、動物好きの常駐スタッフを雇ってとにかく交流を生み出す、といったような施策が必要になってくるかも?といった感じになります。
とはいえ、個人開発ではそういった施策は難しいですし、現実的に可能な価値提供は何か?をよく検討して、キャッチも変更して、その価値提供のために泥臭く運営をする、という方向性の方が良いかも?と思っています。
例えばですが、
「動物大好きの佐藤がいつでも常駐している、動物写真見せ合いっこフォーラム!」
にすると、
少なくとも「来たけど誰もいない、帰ろう。」にはならず、「とりあえず書き込んでみるか。…うお!佐藤氏から即レスあったwww」となって、
遊びに来てくれて、価値を感じて、定着してくれる人が少しずつ増えるかもしれない、というイメージです。
これは、Xじゃなくてこのサイトじゃないと得られない明確な価値ですよね。
定着してくれる人が増えれば、ユーザーさん同士で交流をしてもらう方向にもできますし、常駐スタッフを雇って交流してもらう方向もあるかもしれませんし、とにかく確実に価値提供できるコンセプトから始めることで、まず第一歩目を踏み出せるかも、という感じです。
これは本当に泥臭く、最初は自分のリソースをかなり投入しないといけないと思いますが、もし"場"を運営していく覚悟なのであれば、どうしても必要になってくるのかな、と思っています。
(ちなみにツール系サービスとかだと、こういうことは不要で別のアプローチになるかもな感じです)
1−1.更に特化させる? #
あとは、「ハムスター超特化型交流サイト!親子で一緒にうちのコを見せ合おう!」
のような、
対象範囲を更に絞る、ユーザー属性を絞る、というのもコミュニティサービスの作戦の一つかなと思います。
「動物です!ハイ交流どうぞ!」
と言われても動物にも色々あるし…となるかもしれませんが、
「ハムスター特化です!ここにいる人は全員ハムスターを飼っている方なので好きなだけハムスターの話をしても全く浮きませんし、むしろめっっっっちゃ喜ばれます!!!」
となると、なんか少し書き込む気になりますよね?
そんなイメージです。
ただ、対象となる人の絶対数が減るので、とにかく濃い体験ができるように設計する必要があるかと思います。
また、対象となる人が少なすぎるとサービスとして成り立たないので、スタート時はかなり絞るが、回り始めたら少しずつ範囲を広げて人を増やしていく、といった戦略が必要になってくるかと思います。
1−2.そもそも、なんでジャンルを限定させるか #
そもそも「動物」に限定して、Xとは別のコミュニティサービスとして立ち上げることに、どのような優位性があるでしょうか?対象を限定するというのは、限定することでしか生まれない価値があるからです。
そこがはっきりしていて、ユーザーさんに対して「このサイトじゃないと◯◯ができないよ!!だからこのサイト使った方が明らかに絶対いいじゃん!?」と明確に言える状態になれば、それが刺さる人は定着してくれるのではないか、と思います。
改めてになりますが、
「それXで良くね?ハッシュタグ使えばゆるく繋がれるし、人めっっっっっちゃいるし。」
と言われたら、なんと答えますか?ですね。
(いや、めっちゃムズいですよね。とても、とても、分かります……)
2.コンテンツ #
このサイトのコンテンツは何ですか?と考えたときに、「投稿された動物の写真やテキスト」
ではあるのですが、もう一歩進んで、
「A. 他の動物好きの人とおしゃべりできること。」なのか、「B. 動物好きの人が投稿した、とても参考になるテキストや写真。」なのか、
ユーザーさんにとっての「価値」も含めて考えたときに、その内容によって戦略が変わるかと思います。
前者[A]であるならば、やはりとにかく人がいる状態にしないといけない、または非同期の状態(人が同時に利用していない状態)でもスムーズに交流が可能になるようにしないといけない、となりますし、
後者[B]であれば、お金を払ってでも質の高いテキストや画像を増やして、そのページをシェアしてもらって、そこからの流入をうまく活かして交流に持っていく、等も考えられます。
もし「C. 佐藤が即レスしてくれること。」がコンテンツならば、自身のタレント化&気合と根性と仕組み化でなるべく常駐!かもですね。
この観点でも考えてみると良いかもしれません。
3.人間の特性に合わせた設計 #
私の場合、「人間ってこういうふうに感じたり考えたりしがちな生き物だよね(自分含めて)」という観点で全ての機能を設計しています。フォトモットのような交流サイトでいうと、以下のような人間の当然の反応があると思いますので、どう先回りして対策しておくか?を考える必要があるのかもしれないと思っています。
■1.どんな文化があるかイマイチわからないコミュニティサービスで、「書き込む」というアクションはメチャクチャハードルが高い。なぜなら攻撃されるかもしれないし、そもそも反応がないと悲しいし。そんなリスクがあって悲しい思いをするかもしれないアクションなんで取るわけがない。
・書き込んだらどんなハッピーがあるか、書き込む前にイメージできるようにする。
・書き込まれたら必ず運営者が反応して、実際にリターンを発生させる。
■2.ここで批判的な内容OKなの?何でもOKなの?ルールが良くわからない。変なことして怒られたくないし。
・ルールを明確化する or 棲み分けできるように機能を設計する。
■3.お題があればリプはしやすいけど、自分でスレ立てするのはダルい。なんかそのスレの管理主みたいに振る舞わないといけなくなるし、とにかくダルい。
・運営者とスタッフでスレ立て&1〜2リプして会話を始めておく。
・会話が始まっていれば、書き込みしやすい。
みたいな感じです。
3−1.ここの文言、本当にそれがベスト?理由は? #
あと、例えばTOPページで「写真を投稿する」というボタンがありますが、なぜその文言であるべきなのか?を考えると良いと思います。(交流サイトにおいては「投稿してもらう」ことは非常に重要なアクションなので、そのような重要な要素は特に注意して考えると良いかもです)
「動物愛を書き込む!」とか「さっそくおしゃべりしてみる♪」よりも適切な文言なのか?
といった問いに対して、明確に「あれはこういう意図があって、あれがベストと思っている!」と答えられる必要があると個人的には考えています。
恐らく前述のそれぞれを考えてみると、こういった具体的な実装についても変えないといけない箇所が見えてくるというか、進むべき方向性が見えてくるかも?と思っています。
◇◇◇
……こんな感じのことを考えてサービスを開発しています。
「コミュニティーサイトはどんな機能があるべきか?」みたいな内容ではなく、もっと手前の時点でのお話でした。
※私はマーケティングのプロとかではないため、あくまで自分が色々運営してきた経験から何となく書いているだけですので、参考になりそうなところは参考にしていただき、ピンとこない部分は流していただければと思います!
