勇者警察ジェイデッカー6~8話感想
公開 2023/11/21 00:43
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6話「トレンドにご用心」 #
ダンプソン紹介&綾子さん初登場回。セリフがぶっとんでて好きな話です。4~6話はそれぞれパワージョー、マクレーン、ダンプソンの紹介回だが、同時に彼らのパートナーの初登場回でもある。ビルドチームの成長は人間のパートナーなしでは語れない、そういうことを構成で見せてくれる。こういうところをきちんと押さえているのがジェイデッカーのいいところ。
真面目一徹だがちょっと抜けてるダンプソンと、一見軽薄そうだが強い心を持つ綾子さん、という黄金の組み合わせが眩しい……。
ジェイデッカーはロボと人間のロマンスを、友情の段階から描いてくれるとこもいいですよね。
7話「大倒壊」8話「完成!ビルドタイガー」 #
しょっぱなの記者会見の自己紹介がそれぞれかわいくて、悶えながら何度もリピート再生してしまう……!!ちなみに、ここでマクレーンだけ自分がロボットであることを前提とした自己紹介をしてるのがポイントです(そしてせいあさんが「あなたらしい」と呟くのもポイント!)
2話でデッカードも苦労したように、ジェイデッカーにおいて、初めての合体は手間がかかります。
一般的な機械ならプログラムを更新すればいいのかもしれない。しかし、超AIを持ち、心を持つ彼らは、合体を成功せさるために覚悟が必要だ。プログラムに新しい機能を追加して、はいすぐ合体できますよ、というわけにはいかない。
これを「同じことを繰り返していて面倒」と感じる人もいるかもしれないが、わたしはこの描写こそ、「心あるロボット」としての説得力をブレイブポリス達に与えているのだと思う。
彼らはプログラムに基づいて機能しているわけでも、ましてや、プログラムに従って人間の真似をしているのでもない。書かれたコード以上の〈何か〉が彼らにはある。だからこそ、その〈何か〉によって合体の成否が左右されるのだ、ということです。
(まぁ、人間だって結局DNAという「コード」に従っているだけだ、という見方もあるだろうが、ジェイデッカーはハードSFではないので……)
そして、ビルドチームにその〈何か〉、つまり覚悟を悟らせるのは、他ならぬ人間のパートナー達なんですよね~。
パワージョーは七曲小三人衆と出会い、自分が守るだけじゃなくて守ろうとしてくれる友達がいる、ということに気づく。
マクレーンは、自らのつらい気持ちと、心あるものは寄り添いながら生きているのだということを受け入れる。
ダンプソンは、己の使命は警察官として市民を守ることだが、同時にたったひとりの失いたくない人がいるんだと悟る。
この会話はどれも素晴らしい。セリフはもちろん、間や表情もいいんです。「心」がテーマになっているだけに、心理描写が丁寧なんですよね。
個人的には特にマクレーンとせいあさんのやり取りが好きです。
合体に失敗し、落ち込んでいるマクレーンに対し、せいあさんは「人間は独りでは生きていけない動物なの。つらいときや悲しいときは、誰かにそばにいてもらいたいものよ」と伝えるが、マクレーンは「しかし……」と答える。
このとき、彼は「しかし、私はロボットだ。だから人間とは違うんだ」と言いたかったのだと思います。5話の「私は人間ではないが」という台詞、7話のロボットであることを意識した自己紹介など、マクレーンは「自分は人間ではなくロボットなのだ」という自己認識を強く持っていると言えます。
そんな彼に、せいあさんは言います。
「あなただって心を持っているなら、私の言っている意味がわかるはずよ」
人間だとかロボットだとかじゃなく、「心を持った存在」として、わたしはあなたに寄り添っているのだ……と。
これに対するマクレーンの返しが、
「だから私は……こうしてあなたといる」
なのも最高なんだなあ(詠嘆)
つらいときや悲しいときに、心あるものは寄り添い合う。そしていま、あなたがわたしにそうしてくれているのだ……ということに気がついた、という台詞だと個人的には思っています。
はい、そうです。お察しの通り、この2人のロマンスが大好きです……。