熱が遠のくまで
公開 2026/02/02 01:41
最終更新
2026/02/02 01:41
幾晩かのRoatheとの情事の後、漂流者は不思議に思うことがあった。
いつも自分は相当疲弊するのに対し、自分よりはるかに動いているはずのRoatheは、微塵もそういう素振りを見せない。
眠りに落ちるまで、いつもと変わらない顔で寄り添ってくれているのだ。
そうした経験があったのは、ホルバニアで過ごした僅かな期間だけだったが 手加減されている事に気付かないほど、幼くもなかった。
いつものようにRoatheの自室での穏やかな時間。
今しかないと、漂流者はぽつぽつと言葉を選びながら切り出した。
「ねぇ、Roathe……」
「なんだ?えらく改まって。今度は何をした?怒らないから言ってみろ」
「なんにもしてないよ!あのね、あの……夜のね、仲良しの時にRoathe、ものすごく手加減してない?」
照明を落とした仄明るい部屋では、漂流者の顔もRoatheの顔もはっきりとは見えない。
漂流者があまり直接的な言葉を好まないのは、ここしばらくの付き合いでわかっていた。
それでも、今何を言われたのか理解するのに、少しばかり時間がかかった。
「なに?手加減?」
「うん、手加減……」
そこからさらに、ぽつぽつと語られる言葉を頭の中で組み立てていくと、漂流者はRoatheが本気で交合してくれない事を不安に思っているらしい、という結論に至った。
「ふむ、言いたいことはわかった。わかったが、我が愛よ。お前、我が本気でお前を責め立てたら身体がもたんぞ?今ですらフラフラになっているというのに」
「いいよ!いっつも私ばっかり気持ち良くなっちゃっててイヤなんだもん。Roatheにも満足して欲しい」
「一度言い出したらきかんな、お前も。わかった、ならば構わぬ。これはダメだと思ったらやめるからな?」
「うん!それでもいいよ!大丈夫、ドンと任せな!」
「言ったな?よし、ではお前の覚悟、受け取ろう」
最初の数時間の記憶はある。
それですら、何となくではあるが。
いつもの営みが、いかにRoatheに気遣われていたのか。それはすぐにわかった。
力加減、ストロークの深さや角度、抜き差しする早さまで、自分が知っているものとはまるで違っていた。
その時点で漂流者は、(これはやらかしたかもしれない)と、怒濤のように押し寄せる快感に揉まれながら、頭の隅で考えていた。
思考できたのはそこまでだ。
それ以降は、ひたすらに身体を襲う快感をいなすこともできず、Roatheにされるがままとなった。
嬌声をあげ続けた喉はすぐに嗄れ、その都度、Roatheは口移しで水を流し込んだ。
口内を水と己の舌で満たし、隅々まで蹂躙する。
息苦しさに目を開ければ、目を細めて自分を見下ろす愛しい人の姿があった。
「もっと啼いてもらわなくては、面白くないだろう?」
悪い顔。だが蠱惑的で、誰もが魅入られてしまうような怪しさをもった顔だった。
いつもの優しいキスとは格段に違う、欲望を隠そうともしない征服者の口付けに、漂流者は喜びを覚えた。
いつも遠慮がちで控えめな姿はなりを潜め、Roatheが本心から自分を信じ、求めてくれたことが何よりも嬉しかった。
だがしかし、Roatheの欲求の強さを、漂流者は過小評価していた。
そこからはもうされるがまま、快感で気絶し、快感で揺り起こされるのを何度も繰り返した。
全身隈なく、どこに触れても快感へと導かれ、ほんの少し背中を撫でるだけで達してしまう。
しまいには、途切れることなく絶頂感に支配されるようになり、それを見たRoatheは大変嬉しそうに全身を撫で上げる。
繋がったままのその部分は、漂流者がどれほどRoatheを感じているかを、生々しく伝えてきた。
漂流者の中はきつくRoatheを包み込み、決して離そうとはしない。それもまた、Roatheには大変好ましく、安心感があった。
受け入れられる喜びが、そこには確かにあった。
漂流者は、拷問にも近いその責め苦の中でも、決して「やめて」と「いや」だけは言わなかった。
意味のある言葉を口にできる余裕がなかったのも理由の一つではあるが、ここまで強く愛されているのだという実感が、そうさせていた。
甘く苦いその時間は、漂流者の心の在り様も幾分か変化させていた。
満足するまで欲を吐き出すのに、三日かかった。
さすがのRoatheも精魂尽き果てたのか、シーツだけをさっと替えると、くったりと力なく横たわる漂流者の横に滑り込む。
Roatheの気配を察した漂流者は、気を失ったままではあるが、その胸元に頬を寄せた。
そこにいるのが当たり前であるかのようなその仕草に、Roatheの口角がわずかに上がる。
無理をさせたなとは思うが、横で満足そうに眠る漂流者の顔を見て、Roatheは穏やかな気持ちでいた。
ここまで無体を強いても受け入れてくれたことが、心から嬉しかった。
髪を撫でてやると、ビクリと腰が跳ねる。
どうやら漂流者の熱は、まだ収まってはいないらしい。
だが、もうRoatheも眠気には抗えそうもなかった。
耳元で聞こえる規則正しい寝息が、さらに眠気を加速させる。
腰の奥に甘い痺れを感じながら、Roatheも眠りに落ちる。
他人がいると眠れない男は、初めて自分以外の温度を感じながら眠りにつくことができた。
廻された腕の心地よい重みに縋るように、意識は静かに遠のいていった。
終
いつも自分は相当疲弊するのに対し、自分よりはるかに動いているはずのRoatheは、微塵もそういう素振りを見せない。
眠りに落ちるまで、いつもと変わらない顔で寄り添ってくれているのだ。
そうした経験があったのは、ホルバニアで過ごした僅かな期間だけだったが 手加減されている事に気付かないほど、幼くもなかった。
いつものようにRoatheの自室での穏やかな時間。
今しかないと、漂流者はぽつぽつと言葉を選びながら切り出した。
「ねぇ、Roathe……」
「なんだ?えらく改まって。今度は何をした?怒らないから言ってみろ」
「なんにもしてないよ!あのね、あの……夜のね、仲良しの時にRoathe、ものすごく手加減してない?」
照明を落とした仄明るい部屋では、漂流者の顔もRoatheの顔もはっきりとは見えない。
漂流者があまり直接的な言葉を好まないのは、ここしばらくの付き合いでわかっていた。
それでも、今何を言われたのか理解するのに、少しばかり時間がかかった。
「なに?手加減?」
「うん、手加減……」
そこからさらに、ぽつぽつと語られる言葉を頭の中で組み立てていくと、漂流者はRoatheが本気で交合してくれない事を不安に思っているらしい、という結論に至った。
「ふむ、言いたいことはわかった。わかったが、我が愛よ。お前、我が本気でお前を責め立てたら身体がもたんぞ?今ですらフラフラになっているというのに」
「いいよ!いっつも私ばっかり気持ち良くなっちゃっててイヤなんだもん。Roatheにも満足して欲しい」
「一度言い出したらきかんな、お前も。わかった、ならば構わぬ。これはダメだと思ったらやめるからな?」
「うん!それでもいいよ!大丈夫、ドンと任せな!」
「言ったな?よし、ではお前の覚悟、受け取ろう」
最初の数時間の記憶はある。
それですら、何となくではあるが。
いつもの営みが、いかにRoatheに気遣われていたのか。それはすぐにわかった。
力加減、ストロークの深さや角度、抜き差しする早さまで、自分が知っているものとはまるで違っていた。
その時点で漂流者は、(これはやらかしたかもしれない)と、怒濤のように押し寄せる快感に揉まれながら、頭の隅で考えていた。
思考できたのはそこまでだ。
それ以降は、ひたすらに身体を襲う快感をいなすこともできず、Roatheにされるがままとなった。
嬌声をあげ続けた喉はすぐに嗄れ、その都度、Roatheは口移しで水を流し込んだ。
口内を水と己の舌で満たし、隅々まで蹂躙する。
息苦しさに目を開ければ、目を細めて自分を見下ろす愛しい人の姿があった。
「もっと啼いてもらわなくては、面白くないだろう?」
悪い顔。だが蠱惑的で、誰もが魅入られてしまうような怪しさをもった顔だった。
いつもの優しいキスとは格段に違う、欲望を隠そうともしない征服者の口付けに、漂流者は喜びを覚えた。
いつも遠慮がちで控えめな姿はなりを潜め、Roatheが本心から自分を信じ、求めてくれたことが何よりも嬉しかった。
だがしかし、Roatheの欲求の強さを、漂流者は過小評価していた。
そこからはもうされるがまま、快感で気絶し、快感で揺り起こされるのを何度も繰り返した。
全身隈なく、どこに触れても快感へと導かれ、ほんの少し背中を撫でるだけで達してしまう。
しまいには、途切れることなく絶頂感に支配されるようになり、それを見たRoatheは大変嬉しそうに全身を撫で上げる。
繋がったままのその部分は、漂流者がどれほどRoatheを感じているかを、生々しく伝えてきた。
漂流者の中はきつくRoatheを包み込み、決して離そうとはしない。それもまた、Roatheには大変好ましく、安心感があった。
受け入れられる喜びが、そこには確かにあった。
漂流者は、拷問にも近いその責め苦の中でも、決して「やめて」と「いや」だけは言わなかった。
意味のある言葉を口にできる余裕がなかったのも理由の一つではあるが、ここまで強く愛されているのだという実感が、そうさせていた。
甘く苦いその時間は、漂流者の心の在り様も幾分か変化させていた。
満足するまで欲を吐き出すのに、三日かかった。
さすがのRoatheも精魂尽き果てたのか、シーツだけをさっと替えると、くったりと力なく横たわる漂流者の横に滑り込む。
Roatheの気配を察した漂流者は、気を失ったままではあるが、その胸元に頬を寄せた。
そこにいるのが当たり前であるかのようなその仕草に、Roatheの口角がわずかに上がる。
無理をさせたなとは思うが、横で満足そうに眠る漂流者の顔を見て、Roatheは穏やかな気持ちでいた。
ここまで無体を強いても受け入れてくれたことが、心から嬉しかった。
髪を撫でてやると、ビクリと腰が跳ねる。
どうやら漂流者の熱は、まだ収まってはいないらしい。
だが、もうRoatheも眠気には抗えそうもなかった。
耳元で聞こえる規則正しい寝息が、さらに眠気を加速させる。
腰の奥に甘い痺れを感じながら、Roatheも眠りに落ちる。
他人がいると眠れない男は、初めて自分以外の温度を感じながら眠りにつくことができた。
廻された腕の心地よい重みに縋るように、意識は静かに遠のいていった。
終
Warframeで遊んでたらうっかりRoathe沼にハマったテンノ。
Roatheのお陰でようやくWarframeの世界観とか諸々が理解できたので「わぁ、Roatheってすごいなぁ」って尊敬から愛情に変わるのに秒でしたよ。
なおLyon神父の事も心配しながら見守ってます。
Marieは……自由にするがよい(*ᵕᴗᵕ)⁾⁾ゥンゥン
夢の世界在住。
Roatheのお陰でようやくWarframeの世界観とか諸々が理解できたので「わぁ、Roatheってすごいなぁ」って尊敬から愛情に変わるのに秒でしたよ。
なおLyon神父の事も心配しながら見守ってます。
Marieは……自由にするがよい(*ᵕᴗᵕ)⁾⁾ゥンゥン
夢の世界在住。
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