マイメロのぱんつ
公開 2010/09/02 21:24
最終更新
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マイメロの絵が描かれたぱんつが折り紙みたいな空を背景にひらひら揺れている。それを睨むようにしながら床にころがっていると、いつの間にか真横でナオミが仁王立ちしていた。裸である。「ナオミ、ぱんつは」いちおう訊ねはするものの、答えは分かっている。このごろのナオミは、マイメロのぱんつでなくては履きたがらないのだ。「ナオミ、ほら、キティちゃんのぱんつも可愛いよ」ナオミは頑として聞き入れずに、マイメロのぱんつを凝視している。四枚のマイメロぱんつを、上手くローテーションさせてきたつもりだったのにこういう事態になったのは、知らないあいだにナオミがぱんつの一枚をいつも提げているポシェットに詰めこんでハンカチ代わりにしていたからだ。テーブルにこぼしたりんごジュースを拭こうとしてハンカチを取り出したときには、いつの間にそんなことをおぼえたのだろうと感動したものだったが、つぎの瞬間それがマイメロぱんつだと気づいて私は絶叫した。「ナオミがわるいんだからね」干してあるぱんつを指さしてナオミは私を踏みつける。あれはまだ乾いてないんだから、おとなしくキティのぱんつを履きなさい、と言うと「フンッ」と荒い鼻息を吐いてナオミは籐の抽斗を開け、ありったけのパンツをつかんだ。そして、「あっ」唐突に窓へと駆け出したナオミを止める間もなく何枚ものぱんつが一気にベランダから舞い落ちていった。それは妙に壮観で、声が出なかった。たくさんのぱんつが宙を舞う様子は、なんだか祝祭めいていたのだった。茫然としている私の後ろでは、すでにぱんつに興味をうしなったナオミがアンパンマンのDVDを観ようとしている。なんだこれ、とおどろきに満ちたひとの声がベランダの下から届いたのはそれから数秒後で、いま私は真っ赤な顔でぱんつを拾い集めている。
車の運転と犬が好き
他人に話すほどでもなく日記に書くほどでもないメチャクチャどうでもいい話と過去の習作置き場です
「いま私は静かにしている」はいちおう連作ですが、それぞれの話につながりはないです
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