自作詞ライナーノーツ#05「つきにおもいを」
公開 2024/09/17 00:05
最終更新 -
3ヶ月ぶりのブログ更新…😅
旧ブログからのライナーノーツ移植も、
気がつけば半年にわたって滞っている始末w

まぁ、ライナーノーツに関しては、
ニコニコがサイバーアタックで死んでたこともあって、
更新したくてもできなかった部分もありますが。

…単なる言い訳ですねwサーセンwww



気を取り直して。
今回は、今日(2024/09/17)が「中秋の名月」ということで、
この曲を紹介したいと思います。
(旧ブログ掲載:2010年9月23日)

冒頭と末尾の加筆・修正以外、大筋では旧ブログ原文ママです。


============
かつて、ピアプロにあった「ユーザーコラボ機能」で組まれていたサークル・
『ボカロで綴る季節の歌プロジェクト (ProjectFS)』に投下した作品です。



【初音ミク】つきにおもいを【ピアプロ】
https://www.nicovideo.jp/watch/sm4782605


歌詞はこちら。
https://piapro.jp/t/GR0C



このコラボは、その名の通り
「季節ごとのボカロオリジナル曲」を作ろうということで立ち上がったコラボです。
(ピアプロのユーザーコラボ機能実装後、2番目に立ち上がったコラボでもありました。
 残念ながら、コラボ主および中心メンバーの多忙もあり、
 2009年3月にコラボは活動終了しましたが)

コラボメンバー間で、毎月テーマを募集し、
選ばれたテーマを元に詞先で楽曲を作成していくというスタイルでした。


この曲は、2008年9月のテーマ(十五夜/月見・秋の七草)として作成された曲です。
テーマ決定後、1番乗りで歌詞を投下したものの、
俺の他に歌詞をうpするメンバーはおらず…(´・ω・`)

結果として無投票状態で9月テーマに採用されましたが、
正直寂しい感じもしました。
(きっとみんな本業が忙しかったんだろうと思いたいところですが)



今回の詞について語る前に、ひとつ前提知識として説明を。

俺は小学1年の夏~5年の秋までを、仙台で過ごしました。
で、仙台の…というより、宮城県の小学校では、
国語の時間に、生徒に詩を書かせるという授業内容がありました。
(今もそういう授業が実施されているかどうかは知りませんが)

俺も例に漏れず、授業でいくつも詩を書いた覚えがあります。
(もしかしたら、俺の作詞活動の原点は
 あの頃の国語の授業にあったのかもしれません)

で、そうやって生徒が書いた詩の中で、特に優秀な作品を集めた
『詩を書くみやぎの子ども』という副読本がありました。
俺も3年生だか4年生の頃に学校でもらいました。
残念ながら、その後たび重なる引っ越しのうちに処分してしまったらしく、
今はもう手元にはありませんが。
(副読本という特殊なモノだけに、ヤフオクやメルカリにも出るわけがなく。
 処分するんじゃなかった…orz)



その『詩を書くみやぎの子ども』に収録された詩の中で、
子供ごころにものすごく印象に残った詩がひとつありました。
どこの学校の子だかは憶えてないですが、
母親を早くに病気か何かで亡くした子の書いた詩でした。
ちょっと記憶もおぼろなんで、正確ではありませんが、
その内容の一部、──特に印象に強く残ったところを引用します。


------

 すすきも おがりました(※)
 虫もなきました
 いつ 会いにきますか

 まくらもとに かがみをおくから
 うつって ください
 天国がとおくて ぼく いかれません
 毎日 まっています


 (※)おがる・・・宮城県の方言で「育つ、大きくなる」の意味

------


大人になり、自分が「母親を亡くした立場」になった今、
あの頃よりもなおさら、この詩が切なく悲しく感じられます。

ProjectFSで、2008年9月のテーマが「十五夜」に決まった時、
真っ先に思い浮かんだのは上記の詩でした。
「モチーフはこれしかない」、──そう思って、
サビのフレーズから手をつけ、徐々に書き上げていきました。


もっとも、そのまま子供の視線での風景を描くのはさすがに困難だったので、
詞にするにあたって、主人公と背景は差し替えました。

FS投下版では、主人公は「妻に先立たれた、40歳手前の男」にしました。
十五夜の満月の下、縁側にぽつりと座り、
おそなえしたススキの穂が風にゆらり揺れるのを見つめながら、亡き妻の笑顔を思い浮かべる、
…そんな風景を描きました。

1コーラスBメロの以下フレーズは、
ストーリーの味付けとして、こうだったらより切ないだろうか、
という気持ちで加えたフレーズです。
(実際問題、中秋の名月の日が必ず晴れだなんてことはないわけでw)



 あの時からなぜか 満月の日はいつも晴れで
 こぼれる寂しさを 痛いほどに照らし出すんだ



そして、上述した『詩を書くみやぎの子ども』収録作品の、
「まくらもとに かがみをおくから」というフレーズを、
サビのモチーフに持ってきました。



 照らす月明かり その光の中
 探しているのは 君の姿ばかりで
 見上げる夜空に 浮かんだ鏡は
 僕ひとりだけを ただ静かに映してる

  :

 揺れるススキの穂 その向こう側で
 君はいつまでも あの日の笑顔のまま

 照らす月明かり その向こう側に
 僕は今もまだ 君の姿を探す
 でもその背中は あまりに遠くて
 紡いだことばも 風に消えて届かない



この詞は、今でも俺の中では(手前味噌ですが)お気に入りの詞のひとつです。

脳内に浮かんだイメージを、歌詞の中の世界にどれだけ反映できたかという意味での
「詞の出来ばえに対する満足度」という点では、
「Winner Takes All」と並んで、自分の書いた歌詞の中では最も点数の高い歌詞です。

ProjectFSのテーマが、俺にいい材料を与えてくれたと、今でも思っています。



社季斎さん(今宵P)が書いてくれた曲も、
秋の夜のような、透明で少しひんやりする空気を感じさせる
いいメロディとアレンジだと思っています。
よければ聴いてください。
============


上述した通り、個人的満足度は非常に高く、
それゆえ思い入れも強い歌詞ではありますが、
心残りがあるとするなら、それはこの歌詞のタイトルに他なりません。

自分の作詞スタイルとして、
手持ちの「候補タイトル」の中からまずメロディに合いそうなものを選び、
その後本文を仕上げていくことが多いのですが、
この歌詞については完全に「本文先行」でした。

本文が書き上がってもなかなかタイトルが決まらず、
呻吟してようやくひねり出したのが、この「つきにおもいを」というタイトルです。
…が、今でも時々
「もうちょっとこの歌詞に相応しいタイトルがあったんじゃないか?」
と自問自答することが。
すべてにおいて納得できるものって、なかなか作れないものですね。


そしてこの曲、
ピアプロのユーザーコラボ機能終了でmp3が失われた上に、
ニコニコの動画もなぜかラスト3秒がブツ切りになっているため、
「完全版」の楽曲音源は現在ネット上にはありません。
作曲担当の社季斎さんと唯一つながりのあった某SNSも
管理人さんが病気で逝去されたことで閉鎖になってしまったため、
YouTubeへの再アップやmp3の再公開の打診ができないのは残念なところですが。
神沢真実 (mak.kanz@wa)
プロフィールページ
カンザワマコトと申します。
ボカロ界隈でひっそり活動する作詞家モドキ(最近はほぼ休業中w)。
本業は昼だけ働くタクシードライバー🚕
ひとつよしなに。
 
プロフ超詳細はタイッツーのプロフページからドゾー。
https://taittsuu.com/users/mak_kanzawa/profiles

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