『神様』のこと考える前に『人様』のこともちょっとだけでいいからさ考えようね。
公開 2024/05/06 07:50
最終更新
2024/06/29 15:55
あたしの実家・生家は老舗の葬儀屋さん。代々長男が継がないシキタリで、堅実な弟がしっかり家を継いでいる。
遠い昔のこと。まぁ大概が日曜日とか夏休みとかで、暇している時にたまにお店番なる殊勝な事をしている時、悲劇(誰にとっての「悲劇」だろうかは、追々読んでいってくれれば分かる)
以前、あたしの住んでいる市にとある宗教屋さんの研修センターがあった。当然『研修センター』となっているので、日本中から『信者』(なりたての🔰)が集まってくるわけです。
そこに缶詰して「死んだ後の世界には花畑がある」とでもお話していてくれれば良いのに『実践研修』(ということなんだろうな)で、軽自動車のワゴン車に乗せられて「はいっここで布教活動していらっしゃい。」と車を降ろされるそうです。こういう憂き目に会うのは高校卒業したばかり~20歳くらいの女性なのね。
前述の通り、こういう日に限ってあたしはお店番してヒマして「なにかおもろいことなかんべか?」とおもっているわけよね。まだ世の中にはNeXTもMacもiPhoneもiPadも存在していない時代。
こういうお〜たわけがよぉく見える目の前の知らない場所で車を降ろされるわけよね。
右も左もわからない。眼の前にある角のお店になんだか「ぼぉ~」としたやつがお店番らしきことをしている。まずここよ=『修行よ!このぼぉ〜っとした奴だったら絶対に信者にできる。幸先いいわ。神様ありがとうございます。』と思って入ってくるわけよね。
この時点で聡明な人、
あるいはあたしを知っている人、
あたしンちを知っている人は
まず思うでしょう。
「あ~なんで安易にそこのお店に行っちゃうかなぁ。」
「あ〜ダメだよぉ。」
「あ~~お笑い蟻地獄ぅ。」
「そういうネタを提供しちゃダメだよぉ。」ってわかるよね。
百歩譲って『八百万(やおよろず)』の神様にお願いするのであれば、話は別だけれど・・・
ウチは『仏様』がお越しになるところ。
ちなみにお寺さんは『仏様』を送り出すところなのよ。
さてお姉さんに話を戻すと・・・お店に入ってくるやいなや、バッグから印刷精度の悪い印刷物にお花畑やらアヒルやら白鳥やら虎やライオンになんだかギリシア神話の女神みたいなお姉さんたちが一緒くたに居るようなわけのわかんないパンフをいくつもいくつも並べだして、一生懸命暗記したのだろうなぁというような内容を棒読みで説明してくれる。
楽譜とか見ていたら「おいおいちゃんと『V』で息継ぎしろよ」と思うのよね。君の見ている楽譜には息継ぎが記されていないのかい?
あ〜そういえば、中島みゆきの曲を歌うことになった桜田淳子が、その楽譜を見て『えっ息継ぎが無い。』と驚いたというのは有名な話し。なんとなく桜田淳子の気分におちいる。思わず「このね〜ちゃんに壺売ったろ〜か」と。ただ大前提として、売るような壺は持っていない。灰とセットで香炉はあるが・・・
何分か経過して、お姉さん息継ぎ。よく覚えたねぇ。
しっかしよくもこんなに紙質の悪い紙を並べ立ててくれたなぁと・・・・・
おねえさんが、暗記したものをすべて放出した満足感に浸っているところで・・・・・
え~とこのお姉さんのその時の顔を一番わかり易い表現をするならば、あのMay-Jがディズニーのあの曲を歌い終えた時の、満足感に浸っている顔だな。
(女性たちが「なんなのよぉ人様の歌歌って、それであの満足顔は。」と言っていたのが
一番わかり易いだろうかな。まぁMay-Jさん可愛そうだったねぇ。
この日本には、彼女の分野に相当する文化・ジャンルが無いのね。
だから「オリジナル曲を持っていないくせに。カバーしかできない。カラオケ歌手でしょう。
そのくせあの満足顔はなによ。」とえらい言われようだったね。
諸外国では彼女のポジションに相当する文化・ジャンルはしっかり存在していて、地位も確立されていると言うのにね。)
さてっあたしが喋り始める。
「あのぉ~~」
「はい」
「あなたのご主張は、まぁこれらのことなのですね。つまり神様を信じなさいね。信心しなさい。ウチに信心なさい。と。」
「あっはい。」
「そぉれは良いのですが・・・」
「はい。」
「もしあなたが、ウチが何屋さんか御理解の上でいらっしゃったとしたら、上司の方にもんのすんごく怒られるか、大笑いされるとおもいますよぉ。」
「えっ」
「ウチ、何屋さんだか御理解の上で、お越しになられました?」
「えっいえ。」
「あ~それではなぜ、ウチを選ばれたのですか?」
「降ろされたところの真正面にこちらが・・・・」
「あ~そうですかぁ。それで、いかにもぼぉ~~っとしたやつがいるから、こ~ゆ~やつだったら、言いくるめるの簡単で、すぐに信者にできちゃうなぁって思ったのね。」
「えっそっそそんな・・・・」(顔真っ赤だよ。図星だな。)
「ふふっ
それでは教えて差し上げましょうねぇ。まずね、この資料をどかさせていただきますね。」
って言って、目一杯お店を開いてくれたパンフを一気に片隅にぐしゃぐしゃとどかしてやる。
「え〜とぉ、今あなたがおいてくださった資料の下のショーケースの中に入っている、これの銘柄、これ一番わかり易い字で書かれていますけれど、声に出して読んでみてください。はい。」
「毎日香」
「それではこちらは」
「敷島香」
「これらは何でしょうか。おわかりですか?」
「え〜と、お線香です。」
「はいそうですね。それではそちらのガラスケースに並んでいるあれは何でしょうか?」
「数珠です。」
「そうですね。それではそちらのガラスケースに居る大きいのは??」
「あれは木魚です。」
「うんうん。ではその向こうにいくつも並んでいるあれは??」
「お仏壇です。」
「それでは、ここの金色のプレートに墨で書かれた文字を上から読んでみてください。」
「静岡県東部特殊自動車」
「特殊自動車ってなんでしょう。この金色がミソです。もうちょっとヒントを差し上げると、後ろにお宮積んでるやつです。後ろ観音開き。」
「れ・霊柩車です。」
「はいよくわかりましたね。それでは、このお店は何屋さんかわかりますか?」
「葬儀屋さんですね。」
「よくおわかりになりましたね。お葬式屋さんに「布教活動」にこられても、なかなか『信心』できるとは思えないのですがねぇ。そうでしょう。」
「そっそそうですよねぇ。」
「おわかりいただけましたか。たぶんその研修報告で『市役所の前の葬儀屋に布教活動に行きました。』と言えば・・・」
「そんな恥ずかしくて言えません。ここ最初に飛び込み先なのです。」
「『こいつ強者だ!』と言われると思いますよ。笑」
こういう人が、あたしが知っているだけでかれこれ3~4人やってきたねぇ。そのたびに、無下に門前払いするのも失礼だからなぁ、見ず知らずの土地で飛び込みで勇気必要だっただろうなぁって、大変よね。
でもさぁ申し訳ないけれど、一生懸命説明してくれてもねぇ。本当に申し訳ないのだけれど、駄目だからさ。笑
その人達まだ信者しているのかしらねぇ???笑
その人が信心するのは、自由だよね。この国は憲法でもしっかりと宗教の自由というのは保障されているのだからさ。あなたがどんな『神様』を信じようが、あなたがそう思ったらそれでいいと思うよ。
でもね
あなたが、あなたの信じる『神様』のこと考える前に、
ちょっとだけでいいから
あなたのために
まったくの不毛な時間を費やさなければならなかった
あたしという『人様』のことを考えてくれても良いのじゃないかしらねぇ。
遠い昔のこと。まぁ大概が日曜日とか夏休みとかで、暇している時にたまにお店番なる殊勝な事をしている時、悲劇(誰にとっての「悲劇」だろうかは、追々読んでいってくれれば分かる)
以前、あたしの住んでいる市にとある宗教屋さんの研修センターがあった。当然『研修センター』となっているので、日本中から『信者』(なりたての🔰)が集まってくるわけです。
そこに缶詰して「死んだ後の世界には花畑がある」とでもお話していてくれれば良いのに『実践研修』(ということなんだろうな)で、軽自動車のワゴン車に乗せられて「はいっここで布教活動していらっしゃい。」と車を降ろされるそうです。こういう憂き目に会うのは高校卒業したばかり~20歳くらいの女性なのね。
前述の通り、こういう日に限ってあたしはお店番してヒマして「なにかおもろいことなかんべか?」とおもっているわけよね。まだ世の中にはNeXTもMacもiPhoneもiPadも存在していない時代。
こういうお〜たわけがよぉく見える目の前の知らない場所で車を降ろされるわけよね。
右も左もわからない。眼の前にある角のお店になんだか「ぼぉ~」としたやつがお店番らしきことをしている。まずここよ=『修行よ!このぼぉ〜っとした奴だったら絶対に信者にできる。幸先いいわ。神様ありがとうございます。』と思って入ってくるわけよね。
この時点で聡明な人、
あるいはあたしを知っている人、
あたしンちを知っている人は
まず思うでしょう。
「あ~なんで安易にそこのお店に行っちゃうかなぁ。」
「あ〜ダメだよぉ。」
「あ~~お笑い蟻地獄ぅ。」
「そういうネタを提供しちゃダメだよぉ。」ってわかるよね。
百歩譲って『八百万(やおよろず)』の神様にお願いするのであれば、話は別だけれど・・・
ウチは『仏様』がお越しになるところ。
ちなみにお寺さんは『仏様』を送り出すところなのよ。
さてお姉さんに話を戻すと・・・お店に入ってくるやいなや、バッグから印刷精度の悪い印刷物にお花畑やらアヒルやら白鳥やら虎やライオンになんだかギリシア神話の女神みたいなお姉さんたちが一緒くたに居るようなわけのわかんないパンフをいくつもいくつも並べだして、一生懸命暗記したのだろうなぁというような内容を棒読みで説明してくれる。
楽譜とか見ていたら「おいおいちゃんと『V』で息継ぎしろよ」と思うのよね。君の見ている楽譜には息継ぎが記されていないのかい?
あ〜そういえば、中島みゆきの曲を歌うことになった桜田淳子が、その楽譜を見て『えっ息継ぎが無い。』と驚いたというのは有名な話し。なんとなく桜田淳子の気分におちいる。思わず「このね〜ちゃんに壺売ったろ〜か」と。ただ大前提として、売るような壺は持っていない。灰とセットで香炉はあるが・・・
何分か経過して、お姉さん息継ぎ。よく覚えたねぇ。
しっかしよくもこんなに紙質の悪い紙を並べ立ててくれたなぁと・・・・・
おねえさんが、暗記したものをすべて放出した満足感に浸っているところで・・・・・
え~とこのお姉さんのその時の顔を一番わかり易い表現をするならば、あのMay-Jがディズニーのあの曲を歌い終えた時の、満足感に浸っている顔だな。
(女性たちが「なんなのよぉ人様の歌歌って、それであの満足顔は。」と言っていたのが
一番わかり易いだろうかな。まぁMay-Jさん可愛そうだったねぇ。
この日本には、彼女の分野に相当する文化・ジャンルが無いのね。
だから「オリジナル曲を持っていないくせに。カバーしかできない。カラオケ歌手でしょう。
そのくせあの満足顔はなによ。」とえらい言われようだったね。
諸外国では彼女のポジションに相当する文化・ジャンルはしっかり存在していて、地位も確立されていると言うのにね。)
さてっあたしが喋り始める。
「あのぉ~~」
「はい」
「あなたのご主張は、まぁこれらのことなのですね。つまり神様を信じなさいね。信心しなさい。ウチに信心なさい。と。」
「あっはい。」
「そぉれは良いのですが・・・」
「はい。」
「もしあなたが、ウチが何屋さんか御理解の上でいらっしゃったとしたら、上司の方にもんのすんごく怒られるか、大笑いされるとおもいますよぉ。」
「えっ」
「ウチ、何屋さんだか御理解の上で、お越しになられました?」
「えっいえ。」
「あ~それではなぜ、ウチを選ばれたのですか?」
「降ろされたところの真正面にこちらが・・・・」
「あ~そうですかぁ。それで、いかにもぼぉ~~っとしたやつがいるから、こ~ゆ~やつだったら、言いくるめるの簡単で、すぐに信者にできちゃうなぁって思ったのね。」
「えっそっそそんな・・・・」(顔真っ赤だよ。図星だな。)
「ふふっ
それでは教えて差し上げましょうねぇ。まずね、この資料をどかさせていただきますね。」
って言って、目一杯お店を開いてくれたパンフを一気に片隅にぐしゃぐしゃとどかしてやる。
「え〜とぉ、今あなたがおいてくださった資料の下のショーケースの中に入っている、これの銘柄、これ一番わかり易い字で書かれていますけれど、声に出して読んでみてください。はい。」
「毎日香」
「それではこちらは」
「敷島香」
「これらは何でしょうか。おわかりですか?」
「え〜と、お線香です。」
「はいそうですね。それではそちらのガラスケースに並んでいるあれは何でしょうか?」
「数珠です。」
「そうですね。それではそちらのガラスケースに居る大きいのは??」
「あれは木魚です。」
「うんうん。ではその向こうにいくつも並んでいるあれは??」
「お仏壇です。」
「それでは、ここの金色のプレートに墨で書かれた文字を上から読んでみてください。」
「静岡県東部特殊自動車」
「特殊自動車ってなんでしょう。この金色がミソです。もうちょっとヒントを差し上げると、後ろにお宮積んでるやつです。後ろ観音開き。」
「れ・霊柩車です。」
「はいよくわかりましたね。それでは、このお店は何屋さんかわかりますか?」
「葬儀屋さんですね。」
「よくおわかりになりましたね。お葬式屋さんに「布教活動」にこられても、なかなか『信心』できるとは思えないのですがねぇ。そうでしょう。」
「そっそそうですよねぇ。」
「おわかりいただけましたか。たぶんその研修報告で『市役所の前の葬儀屋に布教活動に行きました。』と言えば・・・」
「そんな恥ずかしくて言えません。ここ最初に飛び込み先なのです。」
「『こいつ強者だ!』と言われると思いますよ。笑」
こういう人が、あたしが知っているだけでかれこれ3~4人やってきたねぇ。そのたびに、無下に門前払いするのも失礼だからなぁ、見ず知らずの土地で飛び込みで勇気必要だっただろうなぁって、大変よね。
でもさぁ申し訳ないけれど、一生懸命説明してくれてもねぇ。本当に申し訳ないのだけれど、駄目だからさ。笑
その人達まだ信者しているのかしらねぇ???笑
その人が信心するのは、自由だよね。この国は憲法でもしっかりと宗教の自由というのは保障されているのだからさ。あなたがどんな『神様』を信じようが、あなたがそう思ったらそれでいいと思うよ。
でもね
あなたが、あなたの信じる『神様』のこと考える前に、
ちょっとだけでいいから
あなたのために
まったくの不毛な時間を費やさなければならなかった
あたしという『人様』のことを考えてくれても良いのじゃないかしらねぇ。
禰󠄀子屋宇之助堂時川
我が家の先代御猫『宇之助』を置いたネーミング。
宇之助御猫様が創業御猫様でありますねぇ。
今は虹の向こうからお守り頂いております。
手代の福助お猫
丁稚の辰五郎お猫が御店を守っておりまする。笑
我が家の先代御猫『宇之助』を置いたネーミング。
宇之助御猫様が創業御猫様でありますねぇ。
今は虹の向こうからお守り頂いております。
手代の福助お猫
丁稚の辰五郎お猫が御店を守っておりまする。笑
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