雲娘のところに戻った夫・三郎は十数年いっしょにいたが、そのことで、雲娘の寿命が縮んでいる、行雲は、三郎にそれはわかっていただろう？と聞く。自分で決めるよう言われた三郎は、雲娘のために去ると決める。彼を送り出すのは、沈璃。彼女はこれまでの戦で、多くの兵士たちの死を見てきた、彼らを送り出す法術は何度も行ってきたものなので、絶対に失敗はしない、と言う沈璃。三郎を見送った雲娘に、あなたの今後を思って去った、わかってる、私がおだやかに暮らすよう望んでいる、と雲娘は答える。
　帰路、天灯が上がるのを見る。戦争がなければこんなことにならなかった、と沈璃は言う。
　因为以前都是虚妄 只有以后才能称作生活　（人間にとって）過去は意味がない　このあとに人生がある
　苯鸡 只有现在才能称作为生活 　バカな鳥だ　現在のことを人生というんだ
　你说得也对　そのとおりね
　没想到之前觉得你生性凉薄 该帮忙的时候 你还是愿意帮的　前はあなたのことを冷たい人かと思ってた　　　　
　　　私が助けてほしいと思ったときに　手伝ってくれるなんて
　我只是想帮你罢了　お前を手伝いたかっただけだ
　帰ろう、と言ったあと、行雲が水に落ちる。泳げない、私も泳げない。助けてくれ。沈璃が飛び込んで、行雲をひきあげる。泳げないのに助けるため飛び込んだ沈璃を見て、行雲は微笑む。髪を引っ張って荒々しく助けられた行雲、沈璃は、人間の姿になったから、もう出ていく、と言う。ところがもとの鳥に戻ってしまう。
　翌日、行雲が、彼女のために、自分の衣の丈を縮めている。あなたは一体何者なの？　天界から人間界に来て修行中なのでは？　そんなのではない。
　易者の噂に興味を持った青盛城城主の長男の部下３人がやってきて、行雲を無理に連れて行こうとする。陣の石の位置を変えると、沈璃は人間に戻り、出てきて彼らをやっつける。陣の力で、自分が鳥の姿から戻れなかったことに気づいた沈璃は激怒して、行雲に乱暴するが、人間は簡単にけがをする、彼に命を助けてもらったんだし、と気持ちを収める。この家を出ていこうとすると、行雲がひきとめようとし、沈璃も思い直して戻ってくる。あなたのけがが治るまで、ここにいる。私は沈璃、と名乗ると、女らしくない名前だ、行雲も男らしくない。では、君が陽、私が陰、で釣り合っている。２人に、庭の大樹の花びらが降り注ぐ。
　腕をけがした行雲の代わりに、庭の片づけなどを手伝う沈璃。力はあるが、乱暴だ。気も短い。
　霊界では、墨方が、沈璃を探しに行こうとすると、尚北将軍が来る。沈璃の行き先を知っているのでは？　知りません。
　庭の落ち葉を拾うのを手伝って、でも１枚ずつ手で拾っている。拾った葉は乾かして、日付を書き、押し葉にしてためている。このぶどうは、めずらしい実がつくので育てている。まだ熟れていない実を口にし、吐き出す行雲。
　夜、沈璃は、葉っぱに記された行雲の生い立ちを読む。5歳3カ月で両親を失い、2が月後に弟も亡くした。